英総選挙:政権獲得へ交渉本格化 各党、過半数取れず

2010年5月7日 20時31分 更新:5月8日 1時2分

ロンドンのダウニング街に到着した英国のブラウン首相=2010年5月7日、ロイター
ロンドンのダウニング街に到着した英国のブラウン首相=2010年5月7日、ロイター

 【ロンドン笠原敏彦】英総選挙(下院定数650、任期5年)は7日午後までの開票で、どの政党も過半数に届かないハングパーラメント(宙づり議会)となることが確定した。2大政党制の英国では異例で、74年以来。第1党に立った保守党のキャメロン党首と第2党に転落した労働党のブラウン首相がともに選挙制度改革などを提示し、第3党・自由民主党のクレッグ党首に協力を求めた。2大政党の政権獲得レースが本格化し、情勢は緊迫化している。

 BBCによると、候補者が病死し、27日に投票が行われる1選挙区を除く確定議席は保守党306(改選前193)、労働党258(同345)、自由民主党57(同63)、その他28。保守党は第1党になったが、過半数の326議席に届かなかった。

 慣例により、現職のブラウン首相がまず組閣の権利を得た。しかし、クレッグ党首が最大の支持を得た保守党に組閣の優先権があるなどとし、ブラウン首相の政権継続にはその「正当性」に疑問の声も出ている。

 首相は声明で、自由民主党と保守党が連立協議を行うことを歓迎。その一方で、自由民主党が党是とする選挙制度改革などについて協議し連立の可能性を探りたい意向を明示した。また、キャメロン党首も声明を発表し、選挙での保守党の「勝利」を強調した上で、自由民主党に選挙制度改革を含む「包括的な提案」を行った。

 自由民主党は政策的には労働党に近いが、反ブラウン感情が強い。一方で、自由民主党内には左右両派があり左派は保守党との協力には抵抗を示す可能性が高いと予想される。

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