11日投開票の参院選に向け、愛媛選挙区(改選数1)では、▽共産新人で党県書記長の田中克彦氏(43)▽無所属新人で元塾講師の郡昭浩氏(49)▽元国土交通政務官で自民現職の山本順三氏(55)▽NPO法人理事で民主新人の岡平知子氏(52)=国民新推薦--の4候補が選挙戦を繰り広げている。毎日新聞社は2~4日、全国で電話による特別世論調査を実施し、県内では691人から回答を得た。調査結果に取材結果を総合し、同選挙区の中盤情勢を探った。厚い保守層に支持された山本氏が一歩リードし、政権党を前面に打ち出す岡平氏が追う展開。田中氏も支持拡大を図り、郡氏も運動を続けている。ただ、まだ態度を決めていない人が2割程度おり、終盤の展開が注目される。【栗田亨、中村敦茂、津島史人】
◆愛媛選挙区
公示前から優位が伝えられていた山本氏は、公示後に谷垣禎一総裁ら党幹部が県内に入って引き締めを図り、自民支持層の8割を固めた。前回は推薦だったが、今回は比例候補との政策協定締結という形式となった公明の支持層からも8割近くの支持を得て、民主支持層の1割にも食い込む。みんな支持層の5割強の支持も集めた。
地域別では、市部と郡部でともに3割強の支持を得た。衆院の選挙区別では、前回劣勢だった愛媛1区で支持を拡大し、愛媛3区を除きやや優位に立っている。年代別では、60代以上の支持が厚く、特に60代以上の女性では5割以上の支持を集めている。
岡平氏は民主支持層の7割を固める。一方、社民の支持層からは4割弱の支持しか得られておらず、2割が田中氏に流れている。社民は岡平氏が昨年の衆院選で立候補した古巣だが、擁立時のもつれによる推薦見送りや連立政権離脱が響いているとみられる。
重点を置く無党派層での支持は、約2割にとどまっている。陣営は相次ぐ党幹部の応援などでアピールを続けているが広がりに欠け、山本氏にやや遅れをとっている状況。
年代別では20、30代の支持が3割を超えて山本氏を上回るが、逆に60、70代は2割台でリードを許している。
田中氏は、共産支持層の8割を手堅くまとめる。社民支持層の2割も呼び込むが、民主、自民の両支持層からの広がりは今一つ。
これまで、消費税の引き上げ反対を訴えて民主、自民の両候補との違いを強調。このため、田中氏に投票すると答えた人のうち、7割強が引き上げに反対している。しかし全体を見ると、引き上げ反対を訴えた層のうち、1割しか支持をまとめきれていない。
年代別では、70代以上が全体の1割以上と比較的高い支持。男女別では支持の割合がほぼ半々だった。
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●愛媛(1-4)
(届け出順)
田中克彦 43 党県書記長 共新
郡昭浩 49 [元]塾講師 無新
山本順三 55 [元]国交政務官 (1)自[町]現
岡平知子 52 NPO理事 民新=[国]
毎日新聞 2010年7月5日 地方版