参院選は11日の投開票まで1週間を切った。毎日新聞は2~4日の3日間、県内の有権者に対し、電話による特別世論調査を実施し、調査結果とこれまでの取材内容を総合して情勢を探った。徳島選挙区(改選数1)では、広く支持を集める民主新人の吉田益子氏(50)を、自民新人の中西祐介氏(31)が追い、さらに改革現職の小池正勝氏(58)が続く展開。共産新人の古田元則氏(62)は支持層の広がりを目指し、幸福新人の竹尾あけみ氏(56)、無所属新人の豊川卓氏(79)も支持拡大に躍起だ。一方で、調査時点で誰に投票するか決めていない人が約2割おり、終盤の展開次第で構図が変わることも予想される。【深尾昭寛、井上卓也】
吉田氏は昨年11月から県内全域をくまなく回り、選挙戦に入ってからも閣僚級の応援を次々と得て支持拡大に努める。徳島市など民主支持層の多い都市部で強さを見せる。
中西氏は公示後に後援会レベルで協力関係に入った公明党支持層からも5割を超える支持を集める。阿南市や吉野川市などの衆院選徳島3区で吉田氏とほぼ伯仲している。
小池氏は改革支持層を押さえ、4月に離党した古巣の自民支持層や、「支持政党なし」の層の一部にも食い込む。市長を11年務めた徳島市で一定の支持を集めている。
古田氏は共産支持層の8割以上を固めているが、他の政党支持層への浸透が課題となっている。40、50代に支持が多い。
◆消費税引き上げ
争点の一つである消費税問題では、引き上げに「反対」が55%と過半数を超え、「賛成」は38%だった。
全ての年代で、反対の割合が多く、特に20代、30代の若い年代で声が強い。40~60代の年代では賛成も4割あった。性別では、女性に反対が多かった。
政党支持別で見ると、民主支持層で賛成が多い傾向だが、自民支持層は反対がやや多い。「支持政党なし」層では、反対が賛成の倍に達した。
◆内閣支持率
菅直人内閣への支持率は46%と5割を切る。支持しない人は29%で、「関心がない」とした人も19%に上る。
市部では支持(47%)が、不支持(27%)を大きく上回る。年代別では、30代と50代で約半数が支持するが、70代以上は伯仲。一方、20代では「関心がない」とした人が46%に上った。
◆民主の連立相手
参院選後に民主党がどの政党と連立を組むのが望ましいか質問したところ、「単独政権」との回答が27%で最も多かった。「自民党との大連立」が12%で続き、みんなの党の11%をわずかに上回った。現在の国民新党との連立を望む声は8%にとどまった。
今回の参院選では与党が過半数を維持できるかが焦点の一つ。単独政権を望む割合は全世代で高いが、「自民との大連立」は30代に多い。国民新党との連立を望む人も30代に比較的多かった。
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2~4日、コンピューターで無作為に選んだ電話番号を使うRDS法で、県内の有権者694人から回答を得た。
※中盤情勢調査関連グラフの数字で、小数点以下は四捨五入。合計が100%にならない場合がある。
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小池正勝 58 党政調会長 (1)改現
豊川卓 79 会社社長 無新
竹尾あけみ 56 物流会社役員 諸新
吉田益子 50 薬剤師 民新=[国]
古田元則 62 党県副委員長 共新
中西祐介 31 党県支部長 自新
毎日新聞 2010年7月5日 地方版