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2010参院選やまぐち:中盤の情勢・毎日新聞総合調査から /山口

 ◇岸氏、優位な戦い 追う原田、木佐木氏

 参院選の投開票日(11日)まであと6日。昨夏の政権交代後、初めての国政選挙は民主党政権への評価や税のあり方などを争点に各党、各候補者が舌戦を繰り広げている。毎日新聞は2~4日の3日間、県内の有権者を対象に電話による特別世論調査を実施し、取材結果も加えて中盤情勢を分析した。

 山口選挙区(改選数1)は、自民現職の岸信夫氏が優位に戦いを進め、民主新人の原田大二郎氏が懸命に追う展開。共産新人の木佐木大助氏は苦戦している。比例代表の政党では、民主が自民を上回り、公明、みんなが続いている。

 一方、投票する候補者を決めていない人が2割おり、情勢が変わる可能性もある。【井上大作、諌山耕】

 現職と組織票の強みを生かした岸氏が、幅広く浸透している。

 年代別では、全世代で他候補を上回る。男女満遍なく高い支持を得た。支持政党別では、自民支持層の9割、公明層の7割を固めた。無党派層の3割、民主層の2割に食い込む。衆院の小選挙区別では、実兄の安倍晋三元首相が地元の4区で5割の支持を固め、1区でも5割近くに迫る。

 原田氏は、男性からの支持が比較的高いが、年代別では50代でやや支持が落ちる。民主支持層の7割、社民層の半数をまとめるが、無党派層は2割にとどまる。地区別では、菅直人首相の出身地・宇部市を含む3区で岸氏をやや上回る支持を得ている。2区でも善戦する。

 木佐木氏は、県内全域で一定の支持を集め、共産支持層を固めている。

 ◆比例代表

 ◇「民主に投票」やや優勢 「決めていない」など3割

 比例代表の投票先は、民主と自民がそれぞれ2割強で、民主がやや上回っている。一方、「決めていない」「無回答」が合わせて約3割に上る。

 年代別では、40、60代などで民主が自民を上回ったが、40代までは「決めていない」も2割程度と多い。

 民主支持層の6割強が比例で民主に投票すると答えたが、「自民に投票」も1割いた。一方、自民支持層では、7割強が自民に投票すると答え、「民主に投票」はわずかだった。

 また、民主に投票する人の9割が「政党名で投票する」と答えたのに対し、自民は8割、公明は5割強にとどまり、両党支持層において「個人名での投票」の傾向が強いことをうかがわせた。

 地域別では、衆院2、3区の地域で民主が自民を上回り、1、4区は自民がやや上回った。

 ◆連立相手

 ◇「民主単独」最多29% 「自民と大連立」は15%

 参院選後、民主党がどの政党と連立を組むのが望ましいかを聞いたところ、「民主の単独政権」が29%で最多を占め、「自民との大連立」15%、「みんなとの連立」10%と続いた。ただ、「その他」と「無回答」が合わせて33%あった。

 年代別では、20代を除いていずれの世代も「民主単独」が最も多かった。支持政党別では、民主支持層は「民主単独」が4割、「自民と」、「みんなと」がそれぞれ1割を占めた。自民層は「自民と」が3割、「民主単独」が2割だった。公明層の3割は「公明との連立」を挙げた。無党派層は「民主単独」が3割で最も高かった。

 「民主単独」と答えた人のうち、消費税の引き上げを6割は賛成した。「自民と」「みんなと」「国民新党との連立」と答えた人で、賛否はほぼ半数だった。「公明と」では7割近くが反対した。

 ◆政党支持率

 ◇民主、前回超え32% 自民は大幅下落し22%

 政党支持率は民主が32%で、前回(07年)より6ポイント高くなった。年代別では、20代を除く全世代で最も高かった。特に60代以上は4割が支持した。市郡別では市部の3割で支持されたが、町村部は2割弱にとどまった。衆院の小選挙区別では、全4区でいずれも最多を占めた。

 自民を支持したのは22%で、前回より13ポイントの大幅減。20代の2割が支持したものの、他の年代では民主を7~15ポイント下回った。市郡別では町村部の3割で支持されたが、市部は2割にとどまった。

 公明は5%、共産、社民は各2%でほぼ前回並み。みんなは4%だった。支持政党なしは25%で前回より7ポイント増えた。

 支持政党ごとに「投票に必ず行く」と答えた人の割合は、自民84%、公明82%、民主79%。支持政党なしの「必ず行く」は52%、「たぶん行く」は33%で、比較的高い関心を示した。

 ◇菅内閣支持49% 消費税率アップは賛否拮抗

 菅内閣を「支持する」と答えたのは49%で、「支持しない」の31%を上回った。「支持する」は男性で5割を超え、年代別では30、40、60代で高率だった。

 支持政党別では、民主支持層の9割が「支持する」と回答。自民、公明支持層は「支持しない」が約6割に上った。無党派層では「支持する」がやや上回った。

 地域別では、菅直人首相の出身地・宇部市を抱える衆院3区地域で「支持する」が5割強に達した。

 また、消費税の引き上げについては、「賛成」48%、「反対」47%と拮抗(きっこう)した。男性は賛成、女性は反対が上回った。年代別では、40代と60代以上で賛成が上回り、20、50代で反対が多かった。

 支持政党別では、民主の6割強、自民の5割が賛成と回答。一方、公明の9割強、共産の7割強、みんなの6割が反対だった。無党派層も、反対が6割だった。

 岸氏に投票すると答えた人の5割、原田氏の6割が増税に賛成と回答。木佐木氏では8割が反対だった。また、「菅内閣を支持する」と答えた人の6割が増税に賛成と答え、「支持しない」層では5割強が反対だった。

 ◇「投票行く」9割超

 投票に「必ず行く」と答えた人は71%で、「たぶん行く」の21%と合わせると9割以上が行くと答えた。

 年代別で見ると、「必ず行く」は60代以上で8割以上、40、50代で7割を超えたが、30代は6割、20代は4割にとどまった。

 政党支持別では、民主支持層の約8割、自民・公明の8割強、無党派層の5割が、「必ず行く」と回答した。

 「必ず行く」と回答した人の中で、「菅内閣支持」は52%。支持しないは35%だった。また、消費税の引き上げについては、「必ず行く」とした人のうち54%が賛成、反対は44%だった。

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 ◇立候補者(届け出順)(改選数1-3)

岸信夫   51 自現

原田大二郎 66 民新

木佐木大助 55 共新

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 ◇調査の方法

 県内各市町の有権者数を考慮し、無作為に選んだ電話番号にかけるRDS(ランダム・デジット・サンプリング)法で実施。山口県では有権者690人から回答を得た。

〔山口版〕

毎日新聞 2010年7月5日 地方版

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