参院選は後半戦に入り、11日の投開票日まで残すところ6日となった。毎日新聞社は2~4日の3日間、電話による特別世論調査を実施し、県内の946人から回答を得た。これに取材結果を加味し、中盤情勢を探った。改選2議席を巡って5候補が争っている広島選挙区では、自民新人の宮沢洋一氏(60)が優勢に戦いを進め、民主現職の柳田稔氏(55)も広く浸透している。民主新人の中川圭氏(52)が懸命に追い、共産新人の大西理氏(44)は支持拡大を図る。一方で、投票先を決めていない有権者が2割を占め、今後情勢が変わる可能性もある。
故宮沢喜一元首相のおいの宮沢氏は、「宮沢ブランド」で自民支持層の9割近くを固め、公明、みんな各支持層の4割、無党派層から2割の支持を集める。初の公募候補とあって地方議員らが総力を挙げて選挙戦を支える。
柳田氏は支持団体の連合広島が組織をフル回転させ、民主支持層の5割を固めたほか、推薦を受けた国民新支持層にも食い込んだ。演説会などを通じて組織固めを図るほか、街頭に繰り出して無党派層への浸透も狙う。
民主2人目の候補、中川氏は民主支持層の2割強に浸透したが、無党派層の支持は1割強にとどまる。知名度のある比例候補者や応援弁士らと街頭で政策を訴え、大票田の広島市などでの支持獲得に懸命だ。
3度目の国政挑戦となる大西氏は共産支持層の6割を固めた。1日約20カ所で街頭演説し、党幹部も来援。「消費税増税を絶対に許さない」「普天間基地の無条件撤去」などと訴えて、支持の上積みを狙う。
植松氏は大胆な減税や規制緩和、日米同盟の強化などの主張を訴えている。
◆男女別分析
男女別では、宮沢氏が男女それぞれから3割強の支持を集める。柳田氏は男性からは3割の支持を得るが、女性への浸透は2割にとどまった。中川氏は、男女ともに1割強の支持を集めた。支持政党を見ると、男性は民主支持が3割強、自民が2割強、「支持政党なし」が2割だった。女性は民主が3割弱、自民が2割弱で、「支持政党なし」は3割だった。
◆比例情勢
比例の投票先は、民主が約3割を占め、全年代、全域でトップ。続く自民が約2割、公明は1割弱の支持を得た。ただ、投票先を「決めていない」と無回答を合わせると、約3割となった。無党派層は、半数近くが「決めていない」か無回答だった。
年代別では、20代の約4割が民主とした。自民は30代以上では2割程度の支持を集める。みんなは、50、60代では1割前後の支持を得ている。
また、公明、共産、国民新、社民はそれぞれの支持層の6~7割に浸透している。
投票方法では、69%が政党名、14%が候補者名で投票すると答えた。
◆世代別分析
年代別に見ると、宮沢氏がどの年代からも幅広く支持を集める。特に60代と70代以上では4割以上となるなど、年齢が高くなるほど支持が集まりやすい傾向が出た。一方で、20~40代では宮沢氏と柳田氏の支持がほぼきっ抗。中川氏は20代と70代以上で2割近くの支持を集めた。年代別の支持政党を見ると、すべての年代で民主がトップ。特に70代以上で4割近くの支持を集めた。20、30代ではともに「支持政党なし」が4割近くを占め、40代でも3割を占めた。年齢が若いほど特定の政党を支持しない傾向が見られた。
==============
柳田稔 55 厚労委員長 (2)民現=[国]
中川圭 52 市民団体代表 民新=[国]
大西理 44 党県常任委員 共新
宮沢洋一 60 [元]副内閣相 自新
植松満雄 51 幸福党県役員 諸新
==============
2~4日、コンピューターで無作為に選んだ電話番号を使うRDS法で、県内の有権者946人から回答を得た。
毎日新聞 2010年7月5日 地方版