民主党政権の評価や消費税の引き上げが焦点となる参院選は、11日の投開票に向けて3人の候補者が激しい舌戦を展開している。毎日新聞は2~4日に有権者への電話世論調査を実施し、取材結果を加えて中盤情勢を分析した。その結果、民主現職、前川清成氏(47)=国民新党推薦=が幅広い支持を集めてリードし、自民新人、山田衆三氏(34)、共産新人、太田敦氏(38)が追う展開となっている。ただ、有権者の2割が態度を決めておらず、投開票に向けて情勢は変動する可能性がある。【参院選取材班】
前川氏は公示前からミニ集会などで1期目の実績をアピールしてきた。2月に元自民党県連幹部をトップとする後援会組織が発足。従来は自民党支持だった約50団体から推薦を受け、保守層への浸透を図った。
民主党支持層の8割強を固め、無党派層の3割から支持を得ているほか、自民党支持層の1割弱も取り込んでいる。すべての年代で4割の支持を集め、市部、町村部ともに4割強浸透。安定した戦いを進めている。
山田氏は自民党県連が初めて実施した一般公募で選ばれた。自民党支持層の8割、公明党支持層の6割を固めているが、自民党が強いとされる町村部では2割強にとどまっている。
30~40代を中心に後援会を組織し、街頭演説を中心とした「空中戦」を重視。元財団法人研究員で、若さとしがらみのなさをアピールしている。ただ、無党派層は2割弱、20代も2割弱しか支持が集まっておらず、幅広く浸透しきれていない。
太田氏は、大和高田市議を3期11年務めた。99年の市議選ではトップで初当選した実績を持つ。元病院職員の経歴を生かし、医療・福祉政策の充実や消費税増税反対を訴え、共産支持層の9割に浸透している。
農協や医師会など、従来つながりのなかった団体とも接触し、支持の掘り起こしを図ってきた。ただ、無党派層は1割弱、市部でも1割弱にとどまっており、広がりを欠いている。
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(届け出順)
山田衆三 34 [元]団体職員 自新
前川清成 47 [元]党副幹事長 (1)民現=[国]
太田敦 38 党県常任委員 共新
毎日新聞 2010年7月5日 地方版