参院選は11日に投開票日を迎える。毎日新聞社は2~4日、県内の有権者に電話による特別世論調査を実施し、取材に基づく分析を加え、中盤情勢を探った。自民元職の野上浩太郎氏(43)が、民主新人の相本芳彦氏(54)=社民県連支持=を一歩リード。共産新人の高橋渡氏(47)が2人を追う展開となっている。しかし3割弱がどの候補に投票するかを決めておらず、情勢は今後変わる可能性もある。【参院選取材班】
◆地域・政党別
野上氏は自民支持層の9割近くを固め、公明支持層からも半数近くの支持を集めた。また、みんなの党や国民新党支持層にも食い込む。
相本氏は民主支持層の7割を固めているが、県連が「支持」を決定した社民は、支持層の4割にとどまっている。高橋氏は共産支持層の8割近くを手堅くまとめているが、無党派層への浸透が課題。
全体の3割近くを占める「支持政党なし」の無党派層のうち、約3割が野上氏を支持。相本氏は約2割の支持を得る。だが約半数は投票先をまだ決めておらず、各陣営とも無党派層へのアピール次第で情勢が変化する可能性がある。
衆院選の小選挙区別では、県東部の2区と県西部の3区で野上氏が優勢。1区は野上、相本両氏がほぼ互角の戦いを繰り広げている。
◆年代・性別
野上氏が街頭演説などの地道な活動を続け、30~70代以上の幅広い世代から支持を集める。相本氏は特に20代、30代の若年層から支持されている。高橋氏は各年代で伸び悩んでいる。
男女別でみると、野上、相本両氏が男性の4割弱の支持を集め、きっ抗している。野上氏は女性からも約4割の支持を集めているが、相本氏は3割に満たずやや劣勢。女性へのアピールが課題だ。高橋氏は女性の支持が男性の支持を上回っている。
◆投票
投票については68%が「必ず行く」、24%が「たぶん行く」と回答。計92%は、年金記録問題などに揺れた前回07年参院選の世論調査を3ポイント上回った。前回は民主・社民・国民新が推薦する新人と、自民現職との激戦で、投票率は64・96%。回答からは前回を超える関心の高さがうかがえる。
「必ず」「たぶん」行くと答えた人は、75%が選挙区でどの候補者に投票するかを決めている。比例でも8割以上が投票する党を答えており、この層が実際にどれだけ投票所に足を運ぶかが、選挙結果を左右しそうだ。
年齢別で「必ず」「たぶん」行く率が最も高かったのは50代の95%。男女別では男性の95%、女性の89%が「必ず」「たぶん」行くと回答した。
◆比例代表
比例代表は、非拘束名簿方式で「政党名」か、政党名簿に記載された「候補者名」のいずれかを記入する。「どちらで投票するか」という問いに対し、政党名は64%、候補者名が18%だった。「決めていない」と無回答は合わせて18%だった。
また政党名と答えた人に「どの政党に投票するか」を尋ねたところ、民主が3割で最も多く、自民2割強、みんな2割弱と続いた。また支持政党別では民主は民主支持層の7割、自民は自民支持層の8割近くを固めた。みんなの党は支持層の9割近く、共産は支持層の8割近く、社民は8割以上を固めた。しかし国民新党は支持層の約6割にとどまっている。
==============
2~4日、コンピューターで無作為に選んだ電話番号を使うRDS法で、県内の有権者748人から回答を得た。
==============
※中盤情勢調査関連グラフの数字で、小数点以下は四捨五入。合計が100%にならない場合がある。
毎日新聞 2010年7月5日 地方版