参院選東京選挙区(改選数5)は、24候補が選挙戦終盤の追い込みに入った。毎日新聞社は2~4日の3日間、電話による世論調査(都内回答者2144人)を行った。調査結果に取材を加味した情勢分析では、民主の蓮舫氏がリードを広げ、民主の小川、自民の中川、みんなの松田、公明の竹谷の4氏が横一線。共産の小池氏が激しく追っている。ただ、2割弱が誰に投票するか決めておらず、情勢はなお流動的だ。(10、11面に全国の情勢)【石川隆宣、真野森作、田村彰子】
蓮舫氏は民主支持層の6割を固めた。無党派層の3割や、自民、みんな、共産の各支持層の1割前後にも支持を広げている。
連合東京の組織的なバックアップを受けている小川氏は民主支持層の2割に浸透。60代以上の支持が厚い。
中川氏は自民都連を挙げての選挙戦を展開、自民支持層のほぼ半分を固めた。60代以上と20代から比較的高い支持を集めている。
松田氏は起業家経験を売りに遊説、みんな支持層の6割に浸透。無党派層の一部にも支持を広げ、若い世代が支持している。
竹谷氏は公明支持層の9割を固め、無党派層や自民支持層の一部にも食い込む。女性や70代以上の支持が比較的高い。
小池氏は共産支持層の9割を固めた。知名度を生かし、社民支持層や無党派層の一部にも支持を広げる。
自民の東海氏は街頭演説中心。党支持層の2割に浸透するが、無党派層の支持は薄い。
日本創新党党首の山田氏は前杉並区長としての実績を訴え、支持層の掘り起こしに励む。たちあがれ日本の小倉氏は党支持層の6割まで浸透。社民党の森原氏は党支持層の半分近くを固めた。国民新党の江木氏は党支持層の5割に浸透。出馬表明が公示直前だった新党改革の海治氏は党支持層の4割まで固めた。幸福実現党の矢内氏も支持固めに懸命。
参院選後、民主はどの政党と連立を組むのが望ましいかを尋ねたところ、民主単独は32%だった。「みんなの党と」が14%、「自民との大連立」が12%。「国民新党と」は7%にとどまった。
51%が菅直人内閣を「支持する」と答え、「支持しない」の31%を上回った。支持政党別では民主支持層の9割が支持。野党支持層でも自民2割、公明1割、共産3割が支持している。無党派層では、「支持」と「支持しない」がともに36%と拮抗(きっこう)している。
関心の高い消費税の引き上げについては、賛成が49%、反対が46%と賛成がわずかに上回った。男性は賛成が、女性は反対が、それぞれやや多かった。
年代別では、30代(賛成46%、反対50%)だけが反対が賛成を上回った。賛成と答えた人は50~60代で特に多く、50代では賛成51%、反対46%。60代は賛成53%、41%だった。70代以上は賛否がともに47%だった。
政党別では、民主支持層の7割、自民の6割が賛成した。みんなは4割が賛成。公明や共産、社民の支持層でも2~4割が賛成していた。
投票に「必ず行く」と答えた人は77%、「たぶん行く」は18%で、計95%の人が「行く」と回答した。
「必ず行く」と答えた人の年代別割合は▽20代=61%▽30代=66%▽40代=72%▽50代=81%▽60代=87%▽70代以上=85%だった。
前回07年の参院選の投票前に行った同様の調査では、計94%が「行く」と答え、実際の投票率は57・87%。
民主党の支持率が最も高く36%だった。幅広い層から支持を集め、全世代で30%を超えた。特に高齢層の60代で39%、70代以上で37%に達した。自民党は14%と民主党より20ポイント以上低かった。みんなの党が8%で続いた。20代では自民(15%)を上回る17%だった。このほか、公明党5%、共産党4%。国民新党、新党改革、社民党、たちあがれ日本の4党がいずれも1%。「支持政党なし」と答えた無党派層は25%だった。
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江木佐織 57 社団法人理事 国新
松田公太 41 飲食業創業者 み新
石原結實 61 医師 無新
東海由紀子 42 [元]会社部長 自新
阪彰敏 61 政治団体代表 諸新
マック赤坂 61 政治団体代表 諸新
和合秀典 68 政治団体代表 諸新
山田宏 52 日本創新党首 諸新
小倉麻子 31 弁護士 た新
矢内筆勝 48 幸福党役員 諸新
小池晃 50 党政策委員長 (2)共現
沢田哲夫 79 印刷会社社長 無新
海治広太郎 49 翻訳家 改新
佐野秀光 39 新党本質代表 諸新
森原秀樹 37 [元]衆議員秘書 社新
竹谷とし子 40 公認会計士 公新
中川雅治 63 [元]環境次官 (1)自[町]現
小川敏夫 62 弁護士 (2)民現
蓮舫 42 行政刷新相 (1)民現
田中博子 58 写真家 無新
姫治けんじ 58 政治団体代表 諸新
松本実 63 経営コンサル 無新
小川昇志 44 経営コンサル 無新
又吉光雄 66 政治団体代表 諸新
〔都内版〕
毎日新聞 2010年7月5日 地方版