9人が立候補している参院選県選挙区(改選数3)は投票日を1週間後に控え、各陣営とも追い込みに必死となっている。毎日新聞社が2~4日に行った世論調査の結果と支局の取材を総合すると、民主新人の小西洋之氏が一歩リードし、自民新人・猪口邦子氏とみんなの党新人・水野賢一氏が横一線で続き、この3氏を自民現職・椎名一保氏と民主新人・道あゆみ氏が猛追する激しい展開となっている。ただ、無回答も含め投票先を決めていない有権者が4割おり、情勢が変化する可能性がある。(10、11面に全国の情勢)【森有正】
小西氏は幅広い世代から支持され、民主支持層の半分近くを固め、社民支持層の2割に食い込んでいる。地域では大票田の千葉市や船橋市で着実に浸透する一方、町村部でも支持を広げつつある。
猪口氏は自民支持層の4割を固め、公明支持層の2割に浸透する。地域では、支援する議員が多い県南部や東葛地域を中心に支持を伸ばす。一方で、県東部の一部で出遅れがみられる。
水野氏はみんな支持層の7割近くを固めるが、頼みの無党派層への食い込みは1割にとどまる。自民党衆院議員の地盤だった佐倉市のほか柏市や我孫子市で浸透している。若年層の支持がやや弱い。
県議や市議などと連携して組織選挙を進める椎名氏は、自民支持層の4割を固めるが、公明支持層への浸透は1割にとどまる。出身の銚子市など県東部では着実に支持を広げるが、無党派層の多い東葛地域では浸透しきれていない。
連合千葉が支援する道氏は、民主支持層の1割強しか固められていない。支援を受けることが決まった社民支持層への浸透も現段階では3割弱。活動拠点の柏市では支持が広がるが、周辺の東葛地域で出遅れている。
県議や市議などと活動を進める斉藤氏は共産支持層の7割程度を固め、社民支持層の2割強に食い込む。
清水氏は、推薦を得たたちあがれ日本支持層に浸透しつつあるが出遅れ感は否めない。古閑氏と牧野氏は知名度不足などから支持の広がりが弱い。
一方、昨年衆院選で政権交代実現に大きな役割を果たした無党派層(支持政党なし)では、水野、小西、猪口3氏がいずれも1割前後の支持を得ているのみ。過半数が「まだ決めていない」「無回答」で、模様眺めを続けている。
政党支持率は、民主党が07年参院選時の前回世論調査から1ポイント減らしたものの、30%で1位を維持した。これに対し、自民党は下落傾向が止まらず、前回から9ポイント減らして13%だった。両党とも男性からの支持が高く、民主は5ポイント、自民は6ポイント女性を上回った。年代による偏りは見られなかった。
一方、「支持政党なし」は前回から8ポイント増えて30%に膨らみ、民主と同率。“第1党”をうかがう勢いだ。
参院選に初めて挑むみんなの党は支持率7%で3位を占めた。公明、共産、社民各党を引き離し、民主、自民両党が支持率を下げる中、一定程度、既存政党批判の受け皿となっているようだ。
公明は前回より2ポイント減、共産は同1ポイント減でともに3%。社民は1ポイント減の1%、国民新は1ポイント減の0%だった。一方、政権交代後に誕生したたちあがれ日本は1%、新党改革は0%で、支持は広がっていない。【西浦久雄】
投票に行くかどうかを尋ねたところ、「必ず行く」は07年参院選の前回世論調査時に比べて2ポイント減の71%だった。「たぶん行く」は19%で、二つを合わせると前回調査並みの90%が「投票に行く」と答えている。
このうち、「必ず行く」と答えた有権者を年代別に見ると、60代が80%、70代以上が75%と高い半面、20代では51%と低かった。若い世代ほど投票意欲が低くなる傾向にある。【西浦久雄】
参院選後に民主党がどの政党と連立を組むのが望ましいかを聞いたところ、「民主単独」が27%で最も多かった。年代別では30~50代で単独政権を望む回答が多く、20代と70代以上では少なかった。
一方、連立を組む相手として最も多く名前が挙がったのは、みんなの党だった。全体の13%を占め、年代別では60代以上で回答が多かった。また、「自民と大連立」という回答も10%あり、現在連立を組む国民新党を挙げたのは7%にとどまった。【西浦久雄】
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小西洋之 38 [元]総務省職員 民 新=[国]
椎名一保 58 国交委員長 (2)自[伊]現
水野賢一 43 [元]副法相 み 新
牧野正彦 54 幸福党県役員 諸 新
猪口邦子 58 [元]少子化相 自 新
道あゆみ 44 弁護士 民 新
斉藤和子 35 党県常任委員 共 新
古閑比佐志 47 医師 改 新
清水哲 45 [元]印西市議 諸 新=[た]
毎日新聞 2010年7月5日 地方版