参院選は11日に投開票日を迎える。毎日新聞社は2~4日の3日間、県内の有権者に電話による特別世論調査を実施し、これまでの取材結果を合わせ、群馬選挙区(改選数1)の中盤情勢を分析した。自民現職の中曽根弘文氏(64)が全県で優位に立ち、民主現職の富岡由紀夫氏(46)と共産新人の店橋世津子氏(48)が追う展開となっている。ただし、有権者の2割弱が態度を決めておらず、今後、情勢が変化する可能性も残っている。【鳥井真平、奥山はるな】(全国の情勢は10、11面)
◆選挙区
中曽根氏は自民支持層の9割、公明支持層の6割強を固めた。文相、外相などを歴任して知名度が高く、無党派層の4割に浸透。また年代別では50代を除く全世代でリードしている。改選数が1減され、民主と自民の両現職が1議席を争う注目区となったが、中曽根氏は福田康夫元首相らの協力が功を奏し、全県で優位に選挙戦を展開している。
富岡氏は民主支持層の7割、社民とみんな支持層の3割強を固めたが、無党派層の支持が1割強に伸び悩んでいる。自転車遊説などに力を入れるが、終盤に向け無党派層をどれだけ取り込めるかが課題だ。店橋氏は消費増税反対などを訴え、支持拡大を呼び掛けている。
◆連立
民主の単独政権が望ましいと答えたのは27%で、14%がみんなとの連立、11%が自民との大連立、7%が国民新との連立、3%が公明との連立が望ましいと答えた。
民主支持層に限っても、単独政権が望ましいとの回答は4割強にすぎなかった。2割弱がみんなとの連立、1割が国民新との連立政権を支持した。
一方、自民支持層では3割弱が、民主、自民の大連立が望ましいと回答した。
◆政党支持率
政党支持率は民主26%、自民21%となり、昨夏の衆院選で行った特別世論調査(民主28%、自民23%)に続き、国政選挙では2回連続で民主が「第1党」になった。前回07年参院選の中盤情勢調査は民主22%、自民25%だった。
一方、みんなが9%の支持率を獲得した。「支持政党なし」と答えた無党派層は28%だった。
年代別では、40~60代で民主支持が多数を占めたが、20代と70代以上は自民が上回った。30代はほぼ同数。
比例代表の投票先では、民主支持層と自民支持層のそれぞれ1割弱がみんなに投票すると回答。無党派層は2割弱が民主と回答する一方、みんなへの投票が1割強を占め、投票先では自民ときっ抗。「台風の目」になる可能性がある。
◆消費税
大きな争点となっている消費税の引き上げについては、反対55%、賛成41%と反対が多数を占めた。
支持政党別では、民主支持層が賛成58%、反対41%と賛成が上回ったが、自民支持層は賛成42%、反対56%。公明支持層は約8割、共産支持層は約7割が反対と回答した。鍵を握る無党派層も約6割が反対だった。
男女別では男51%、女58%が反対と回答。また、70代の約6割が反対するなど全年代で反対が多数を占めた。
◆投票行動
投票に「必ず行く」67%、「たぶん行く」25%で、計93%が「行く」と答え、07年参院選の90%を上回った。男女別では男94%、女91%が「行く」と回答。年代別で最も高かったのは60代の97%だった。無党派層も86%が「行く」と答えており、今回の選挙に対する関心の高さがうかがえる。
一方、20代は「行く」が78%と低く、「たぶん行かない」「行かない」は計22%。若者の選挙離れも浮き彫りになっている。
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中曽根弘文 64 [元]外相 (4)自[伊]現
富岡由紀夫 46 党県会長 (1)民 現=[国]
店橋世津子 48 党准県委員 共 新
毎日新聞 2010年7月5日 地方版