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[20009] 【習作】神様が普通のテンプレに飽きたようです(仮)
Name: サボり癖◆c99c8048 ID:c3b19493
Date: 2010/07/03 19:22



神様が普通のテンプレに飽きたようです(仮)




今の俺の状況をあらわす言葉があるとすれば

「テンプレ乙」

そう、なんてことは無い状況だ。

ただ単に、目の前に後光のさすよく分からない存在がいて、そしてついさっき俺は死んだらし

い。ついでにいうと今の俺の状態は魂魄体らしい。

よくテンプレでは、時には土下座するほど誤ってくる「間違っちゃった♪」系と、我の暇つぶ

しに付き合えという「唯我独尊」系などがいるが、どうやら俺の場合後者だったらしい。

神様なんていうのは威厳を保たないと信仰も何も無いからそれくらいがちょうどいいと個人的

には思う。

まぁ、俺の個人的な解釈などどうでもいいが、先ほどから状況を把握するために聞き流してい

た目の前の存在の話(かなり投げやりな口調だった)からすると、ちょっとしたチートはして

やるから別の世界で頑張って我を楽しませろ、ということらしい。

しかし、チートっていうとどこぞの弓兵だとか英雄王だとか、○○の何倍の魔力だ気力だ、某

使い魔のルーンの力などが定番だが……この神様その辺を知っているらしく、ちょっと趣向を

凝らした方法で力を選ばせてくれるらしい。

これからその説明が始まるみたいだ。

「……ふん、漸く状況が飲み込めてきたらしいな。

 先ほどの上の空の表情がマシになったではないか。

 まぁ、これから話すことを聞き逃せば、今後の永き時にわたるかもしれない寿命で大損する

ことになりかねんからな。

 その辺をしっかりと押さえてくるあたり、お前は我を楽しませてくれるかも知れんな」

どうやら先ほどまでのこちらの状態はばればれだったらしい。

どうでも良さそうに話していたのはこちらの態度が悪かったようだ。

気になる発言もあるし、まじめに話を聞くか。

「話がずれたな。

 先ほどの話の続きだが、お前に与える力はこれから我のいうルールに基づき選ばさせてやる



 質問はすべてが終わってから言え。気が向いたら答えてやる。

 命を持つものは自分で考え、自分で決断し、自分で行動してこそだからな。

 他の存在から自分の知りたい情報をすべて教えてもらってからの判断なんぞ面白みも何も無

い。

 では説明に移る。

 能力はポイント制だ。持ち点は100ポイント。

 最小消費ポイントは5ポイント、なにかを条件付けをする度に消費ポイントが2倍になって

いく。

 たとえば、「お前の父親並みの筋力」という力を望めば、「お前の」・「父親並みの」・「

筋力」を望むことになり、消費ポイントは 5×2×2となり20ポイントとなる。

 さらに条件指定としてお前の世界で空想の人物などとされるものを例に挙げた場合、初期の

消費ポイントが3倍になる。

 また、「力」を望むとした場合、何の「力」になるかは分からん。

 「筋力」かもしれんし「魔力」あるいは「神通力」かもしれん。

 更に補足するとそれが「どの程度」の力かもわからん。ミミズ並みかもしれんし、お前の世

界で空想の存在とされるものたちの数倍の力かもしれん。

 その「力」の種類にしろ「力」の強さにしろ、お前の存在の再構築する直前にダイスを作っ

て決める。

 念のために言っておくが、我を比較対象にするような不遜をすれば……いや、言わなくとも

わかるか。

 説明は以上だ。お前の望む力をいってみるがいい。」

ふむ、なかなか難しいな。

とりあえず、最初に思い浮かぶ能力は……

「質問してもよろしいでしょうか?」

「いってみろ」

「では質問させていただきます。

 例えば「存在最強の力」が欲しいというのは可能でしょうか?」

「その条件で能力を作り出すことは可能だ。

 ただし、それをお前に付与することはしない」

なんだそれ?できるのにやらないとか我侭か?

「それは何故でしょうか?」

「そういった存在は他の世界で見たことがある。同じものはつまらん」

パクリはよくない…か。

まぁいい。ならば自分の望む自分だけの能力を考えてみようじゃないか!

まずは条件の確認だ。

目の前の神様の説明だと、力の種類と強さはこちらで決めなければ運次第になる。

『存在』という漠然としたものでも条件としてはOK。

ただし、比較対象を指定していないから『存在』が何になるかは運次第だが。

力の数及び力がこの段階で限定されるなら、後々増やせるような発展性のある能力にすればど

うだ。

楽しませろという前提があるのだから、これから行く世界にも力をもった存在は多くいるはず



それに対抗でき、うまく上をいく能力があれば俺の望む人生を送ることができるだろう。

となれば、俺の望む能力は……

「決まったか?」

視線を上げるとこちらを楽しげに伺っている神様がいた。

俺が決めるのを待っていたようだな。

「はい。決まりました。

 俺の欲しい力は

 【空想を現実とする能力(20P)】【望む力を奪う能力(40P)】【最後のダイスを操る能力

(40P)】

 以上の3つです」

 言い終わると同時に、目の前の存在からの圧力が劇的に増す。

 まるでこちらの存在ごと磨り潰し、消し去ってしまうかのような圧力。

「ほう。前2つの能力についてはいいとするが、3つめの能力。本当にそれを望むのか?

 寛大な我がもう一度わかりやすく聞いてやろう。

 お前は、我の戯れの一部でありながら、我の行動に干渉しようとするのか?」

やばいやばいやばいやばいやばい!!!

地雷を踏んだ! 我を通そうとすれば、殺されるっ!!

「……もうし…わけあr………ませ……ん。

 先…ほど……の願い…は………撤回……します」

しゃべることさえ難しい圧力の中、必死に声を出す。

と、数秒後 圧力が消える。

はあぁっ!!はあぁっ!!はあぁっ!!はあぁっ!!はあぁっ!!

今の俺は魂魄であるはずなのに、今まで経験したことの無いような酸欠状態になったかのよう

に酸素を求める。

あまりの苦しさに立っていることさえできず、片ひざをつく。

甘く見ていた。

どこぞのネット小説のように揚げ足を取ろうとして、まさかここまで強く反応されるとは。

本当に唯我独尊な神様のようだ。

「一度だけ許す。

 さて、残りのポイントで願いを言ってみろ」

寛大な言葉とともに俺に視線を向ける神様。

ただし、その視線は次につまらないことを言ったら、今後一生、魂の続く限り後悔し続けるく

らいのことになるといっているように見えた。

今の反応からすると、俺を再構成する前に、あるいは神様が直接的に行動することに対する干

渉はNGだということだろう。

ならば再構成後に有利になる力にするしかないか。

「私の望む残りの能力は【運を自在に操る能力(40P)】です」

先ほどの圧力の影響で片ひざをついた状態で能力を訂正する。

今度は禁忌にNG項目に触れなかったようだ。目の前の神様が鷹揚にうなずく。

「ふむ。いいだろう。

 お前の望む3つの能力を付与してやる。

 せいぜい能力が規模が大きくなるように祈っておくんだな」

そういうと、神様は俺に向かって手を向けた。

動く力も無い俺はその手を見ていることしかできない。

そして、その手から光が出ると同時にその光は俺を包み込んだ。

「本来ならばダイスの結果を見せてから再構成してやるところだが、先ほどの発言に対し無罪

とするのも詰まらんからな。
 
 結果を見ることなく、先に無垢な魂魄状態になっていろ。

 次に意識が覚醒するのはおそらく再構成後だろう。」

それはまずい!

何がどの程度できるかも分からずに知らない世界に行くのは自殺行為だ!

それにどこに行くかもまだ聞いていない。

光はだんだんと強くなっていく。時間は無い!

「お待ちくださいっ!

 それではあなたの望むような面白い結果を出すことができないかもしれない!

 せめて自身の能力の把握はさせて頂けないでしょうか!?

 それにこれから行く世界についても聞いていない。

 何かしらの情報は頂けないでしょうか?」

目の前の神様は俺の必死な嘆願に対し皮肉気に哂った。

「ふっ。

 お前が望む結果を出せねば、新しい奴を呼べばいいだろう。

 必死に状況に打ち勝つ決断・行動をしてみせろ。

 先に行ったはずだ。

 『他の存在から自分の知りたい情報をすべて教えてもらってからの判断なんぞ面白みも何も

無い』とな。

 まぁ世界の名前くらい教えてやる。

 『巡る世界』だ。

 お前が良い人生をまっとうすることを期待する。ではな。」

その言葉を聞くと同時に、声も出せぬまま俺の意識は白く染まった。







SIDE 神?


「さて、次はダイスを振るとしようか」

無垢な魂魄状態になった矮小なる存在を視界からはずすと手の中にダイスを呼び出す。

「今回のおもちゃはどうなるかな?」

先ほどの問答を思い出す。

こちらの会話の穴をつき、自らの欲望をなそうとする姿は不敬ではあったが、それなりに頭が

回りある程度の度胸があるということだ。

もっとも、その要望はプレッシャーに負けてかなのか撤回したが。

あのまま我を通そうとしていれば、また違った楽しみが生まれただろう。

あの存在してみれば何をしてもでも避けたいだろう'戯れ’になっただろうがな。

そういう意味では引き際も言いといえるか。

「ふっ。今までの奴らはほとんど面白くなかったからな。

 今回は少々期待してもいいだろう。」

その言葉に返すものはここにはいない。

哂った表情のまま、一人ダイスを振るう。

………カラン…カラン…

「ほう。このような能力になったか。

 もう少し広く浅い能力になるかと思ったが予想が外れたな。くっくっくっ…」

まぁいい。早速予想を裏切ってくれたのだ。

少々酷な条件でスタートしてやろうかと思ったが、ちょっとした能力のヒントくらい与えてや

るか。

そう思考をまとめると、放置していた魂魄に力を込め次元の扉を開く。

次元の扉は開かれると徐々に魂魄を引き寄せる。

扉を通過すればその先はもう異世界だ。

その様子を眺めながら、その場にいる唯一の意識をもつ存在は哂いながら言葉を紡ぐ。

「さて、名も知らぬ矮小な存在よ。

 せいぜい我を楽しませてくれ。」

答えなど無いことはわかっている。

これは僅かでも期待できる存在に対する激励のようなもの。


―――精々足掻け、そうすればあるいは届くかも知れんぞ。お前の理想に―――


そうしてひとつの魂魄はその場から消えた。








あとがき

はじめまして、サボり癖です。

このご時世のせいなのか、はたまた只の引きこもりであるせいなのか、暇だったので普段の妄

想を文章にしてみました。

理由が理由なのでチラ裏です。

とりあえず、コンセプトとしては考える主人公ですかね?

普段は報告書みたいなものしか書いていないので、こういうのは新鮮ですね。

書き方、描写方法等で改善案などありましたら指摘してくださると有難いです。

では、PV・感想次第ですが続きがあればまた会いましょう。




ついつい最後に厨二的な台詞を入れてしまった。

これに意味は無い、、、はず?ww



[20009] 神様が普通のテンプレに飽きたようです(仮) 第一話
Name: サボり癖◆c99c8048 ID:c3b19493
Date: 2010/07/04 12:55



神様が普通のテンプレに飽きたようです(仮) 第一話



はぁっ はぁっ はぁっ んっ っぷ はぁっ はぁっ

新緑が眩いほどに広がる森の中、とある一団がバラつきもせずに移動していた。

一団の先頭は今にも疲労で倒れそうなほど息を弾ませている。

そう、俺は今、追われていた。

そこで「だからどうした」といわれるとそれまでなのだが。

しかし、例え今そういわれたとしても俺は何一つ突っ込みの言葉も文句の言葉も言えないだろ

う。

もう自分ではどれくらいの距離・時間を走り続けているかも分からない。

生き延びるために最初はフル回転していた思考さえ、今ではエンスト直前のような気がする。

なんで異世界に来て早々に長距離マラソンをしなければいけないのか。

普通、二次創作とかなら主人公組や人気キャラがすぐに助けてくれそうなものなんだが。

いや、この世界自体が何かの漫画やゲームの世界である保障なんて何も無いんだったな。

世界の名前だけだと完全にオリジナルだし。

その他の情報は一切教えてもらえなかったし。

そもそも最近人気の二次創作の原作にはあんな生き物いないと思うし。

大体目覚めて服装を確認した直後に、あいつらに遭遇するとかなんだよ。

限定し切れなかった能力も、種類も応用力も何一つ確認できていないんだぞ。

あぁ、そういえば一つ、希望していた能力がないことが明確にはなったな。

走り始めた当初から『生き残れるようになれ』という思いを込めているのに一切事態が好転し

ていない。

それはつまり、【運を自在に操る能力】の【運】に【生存運】というか死亡フラグ的なものに

干渉するものが含まれないってことだ。これは広い意味での【幸運】が薄いことになってしま

うのではないのだろうか?

無事平穏に、安全に生き残るためにもっとも必要だから期待していたのに、見事に神様のダイ

スはそれを避けていったようだ。

付けて無いなら少しは安全な場所を出発点にして欲しかった。

様々な神様への不満が脳裏に浮かんでは消えていく。

「ギャウッ!!」

「ッ!!」

そんな考えの最中、後ろの影からの攻撃が背中の近くを掠めた。

こんな単純な連想的な思考を徒然と続けていたためか、いつの間にか後ろの影が攻撃できると

ころまで追いついてきたようだ。

その事実にスピードが落ちるのを分かりつつも後ろを確認してしまう。

後ろには黒い影。

先ほど攻撃をはずしたためか、今は僅かに離れた位置にいる。

その姿を絵で見せられたとき、まず思い浮かぶのはおそらく「ゴブリン」もしくは「コボルト

」といったものだろう。

ネトゲとかはあまりやらなかったから、もしかすると見た目はかなり違うかもしれないが、雰

囲気はそんな感じだ。

頭身が低く、俺の身長よりも一回りか二回りくらい小さい子鬼のような存在。

それが今、俺を生死の境目に招待している敵の正体だ。

あれ? 俺今うまいこと言った?

ははは、普段陥らない状況に陥ると、普段気にも留めない言い回しに気づいてしまったな。

「ジャッ!」

「クッッソっ!!」

どうでもいい思考にとらわれているうちに、また攻撃がきた。

今度は視界内からの攻撃だった不恰好だが避けることができた。

満足に体を動かすこともできない状態だが、今までの逃走劇と、今の攻撃である程度分かった

こともある。

先ほどまでは恨み言と疲れと逃げることに必死で思考が回っていなかったが、今攻撃を受け自

らの死が非常に近いところにあると気付き、ぼやけていた思考がクリアになった。

それを認識したら後ろの敵に背を向け走ることに力を注ぐ。

物音からちょっとだけ距離が確保できたことを感じると思考を再開する。

よく考えてみればこの状況からでも、自己分析くらいはできる。

何故俺がこんな長時間、おそらく魔物に分類されるであろうあいつらから逃げ続けているのか



普通考えてみれば、短距離のスピードが負けていれば最初の段階でつかまり、スタミナで負け

ていれば既につかまっているはずだ。逆にどちらかが俺に有利であれば既に逃げ切っているは

ず。

それが現実となっていないのは、俺とゴブリン(仮)の体力がほぼ等しいからだ。

あちらも諦めるか続けるか迷うところではあるが、今にも倒れそうな俺の逃げる姿を見て諦め

きれずに無理してあいつは追ってきている。

はじめに奴を視界に捕らえたときの瞬発力は、先ほどの攻撃と比べる必要が無いほど速かった

気がする。

そして、快速とは言い難いが何とか森の中を走れるほどのバランス感覚と目のよさはこの体に

あるようだ。

容姿の確認などはできていなかったが、昔の俺の体のスペックを考えると体はかなり変化して

いると考えていいだろう。

体育でどんな競技でも4をとる程度の能力しかなかった体じゃ今の行動は無理だ。

それが社会人になって錆付いていたらなおの事。

こうして考えてみれば、俺が諦めない限り捕まることはなさそうだ。

短い時間だったか、長い時間だったか自分では判断できないが、一つの結論が出たところでも

う一度後ろの敵に意識を向ける。

やつとの距離は物音で判断する限り、先ほどから変化が無いようだ。

よし、これなら俺が気を抜かない限り追いつかれることはなさそうだ。

ただし、引き離すような体力もなさそうだが。

まぁいい。とりあずこの距離を維持するように気をつけながら打開策を考えよう。

まず【運】頼み。これは駄目だ。

散々願ってもまったく効果が現れない。

次に【望む力を奪う能力】。

現状なら相手の体力、もしくは生命力を奪えればいいのだろうが、どうすればいいんだろう?

念じてみるか?……変化なし。

となると、奪える力が対象外なのか、念じるだけでは発動しないのか、念じる力が足りないの

か、のどれかといったところか?

どちらにしろ、現状を解決する力にはなってくれそうに無いな。

最後に【空想を現実にする能力】。これはどうだろう。

類似能力としては、『空想具現化』『投影』といったものがあるが初めてでうまくできるか?

最強系の二次創作ならここで『投影』とかを使ってカリバーンとかグレイプニルだとかを投影

して余裕綽々と片すんだろうがそんな自信は無い。

まず、包丁や果物ナイフくらいしか刃物の実物を見たことが無い。

イメージするのは常に最強の自分だ。なんて言葉があるが、元になるものさえ明確になってい

ないのにできるわけが無い。

しかも、足を取られないように気を配りながら最強の自分を想像するとか、ムリゲもいいとこ

ろだ。

『空想具現化』はどうだ。「星の息吹よ!」と叫びながら鎖でも出してみるか?

爆発に比べたらまだイメージしやすい。しかし走りながら台詞をいう余裕はもう無い。

現在進行形で念じてみるが、手ごたえらしきものもない。

止まって、相手に手をかざして叫べばどうにかなるかもしれないが……駄目だ、これは最後の

賭けで保留するか。

他に何がある?

魔法? 何の? リリカル? ドラクエ? FF? ネギ魔?

いや駄目だ。どれも呪文を唱えるか、魔方陣を出すかしないと初心者じゃ無理だ。

ならばどうする? 何も手は無いのか? 賭けに打って出るしかないのか?

いや、待て、落ち着いて考えろ。

そもそも、空想はファンタジーだけじゃないじゃないか。

あんなところに落とし穴があればなーと想像することだって空想だ!

落とし穴くらいなら見たこともあるし、作ったころもある。

大きいのだってバラエティ番組で見慣れている!!

よし! これだけイメージが整っているならできるはず!!!

勝機を見出した俺は、思考をそこで止め敵の様子を伺う。

ゴブリンは軽快に飛んだり跳ねたりするわけではなく、同じように二足走行をしているようだ



これならば、進路は至極読みやすい!!

(落ちろ!!)

俺が念じるとともに、狙った場所に変化があわられる!(ような気がする!)

しかし、その現象が生んだ結果はこちらの予想するものには到底届かなかった。

ゴブリンは体勢を崩すがこけたり穴に埋まることは無かった。

(なん……だとっ!?)

生還を確信して行った策は不発に終わってしまったようだ。

そもそも穴なんてものはできておらず、反応から判断すると意図しない5~10センチくらい

の凹みに足を取られたような感じだった。

この現象から判断できることは?

A1.自然に対する干渉はうまくいかない

A2.自分から離れたところに現象を生じさせることができない

A3.イメージの構成が甘い

といったものだろうか?

いや、よく考えればもっと真実に近い解ががあるかもしれないが……。

が、そんなことを深く考えている余裕はなさそうだ。

先ほど行使した力(深さ5センチ程度の落とし穴の作成)の影響か、力が抜けた気がする。

このままだとやばいっ!

こうなったら最後の空想具現化にかけるか?

駄目だ! もしさっきの現象の原因がA2である場合、これも不発に終わる可能性が高い。

ならばどうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?―――…

自信のあった策が通じなかったことにより、先ほどまで冷静だった思考回路が混乱する。

それが続けば、あとに残る結果は魔物の腹に収まる運命だけだった。

その時、急に目の前の視界が広がった。

そして見えるのは軽装をまとった人影だった。その事実に俺は無意識のうちに声を上げていた



「たすけてくれっ!!」

喉もカラカラ、呼吸も乱れきっていて、普通ならしゃべることなど困難な状況でも死への恐怖

か、自身の対処能力を超えた存在に対する恐怖のためか声はでた。

声が聞こえたのだろうか、視線の先にいる人影はこちらを振り向き立ち止まった。

それを確認した俺は最後の力を振り絞り、人影のもとへ駆ける!

近づくと人影は真っ赤な夕日をバックに短刀というべきか大型ナイフというべきか迷うサイズ

の刃物を構えて待ち構えていた。

これだけ近付いても逃げる素振りを見せないようなら助けてくれるはずだ。

その希望を胸に人影とすれ違い、後ろを確認する。

そこにある光景は、すれ違ったときと同じ構えの人影と、見事に上半身と下半身が分かれた魔

物の姿とまるで真っ赤なペンキをぶちまけたかのように広がる赤一色だった。

それは魔物の血なのか、初めて見る生々しい生き物死体があるための幻覚なのか、赤く照らす

夕日のせいなのかは分からない。

なんという早業。

俺がすれ違い、振り向くまでの一瞬の間にやり方はわからないが、あの魔物を仕留めてしまっ

ている。

ただ、一つだけ分かったころがある。

「…俺、生き延び……たんだ」

安心すると同時に膝の力が抜け座り込んでしまった。

ついでに言えば、疲労困憊のおかげで今にも意識が落ちてしまいそうだ。

何しろ、最初に森で目を覚ましたときはまだ光は赤くなかったのだ。

今日の全力耐久マラソンの時間は1時間を余裕で超えているだろう。

「やれやれ」

聞こえてきた声に意識を向ける。

こちらに背を向けていた人影がナイフを振り、ざっと血を拭き取るとこちらに振り返った。

その姿はクールな雰囲気を演出する鋭い目つきと無表情が合わさり美形であるにもかかわらず

、初見の人は挨拶をためらうようなものだった。

しかし、今の俺には関係ない。

助けてもらったのだ。お礼を言わなければ。

「助けて下さって、ありがとうございました。

 それと、不躾で申し訳ありませんが、できればもう少し、助力を頂けると、幸いです」

相手がどういうことかと首を傾げているが、俺にもうしゃべる力は残っていない。

相手の返事を待つ暇も無く、俺の意識はどうでもいい思考と共に闇に落ち始める。

(あー、なんか大変だったけど、助かったってことでいいんだよな。

 それにしてもギリギリのピンチで助けてもらうっていうのは王道なのか。

 まぁ、要望を言うなら、助けてもらうのは美形の‘男' じゃなくて‘女’が良かったなぁ)

そうして、命の恩人に文句を垂れつつ、俺の意識は無くなった。









あとがき


お久しぶり?です。サボり癖です。

感想を見てびっくりしましたが、何で8件もあるんでしょうか?(汗

プロローグのみの投稿なら、5個感想があれば、期待の新人的なイメージを持っていた自分か

らするとこの評価は想定外過ぎて混乱中です。

そもそも、この能力は昨日の夕方に神様の説明の下りまで書いたプロローグを友人にわたし、

考えてもらったものなので現状、見切り発車もいいところ。

それなのに、こんなに感想をいただくとは……どうなってるんだぁぁぁぁぁぁあああああああ

ああ?!!!??!

続きを書くしかないじゃないかぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!!!!!!!!



よし、すっきりした。

で、第一話についてですが、途中の思考にしろ、最後の下りにしろ、主人公の性格及び日本人

的思考を表現したつもりなんですが、伝わってるかなー?

まぁ、神?の設定や今後の大まかな展開及びラストの展開は投稿後粗方閃いたので、あとは道

のりのイベントを考えるだけですがwww

では、感想・PV次第ですが、次回があればまた会いましょう。


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