ここから本文です。現在の位置は トップ > 地域ニュース > 茨城 > 記事です。

茨城

文字サイズ変更
はてなブックマークに登録
Yahoo!ブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷

参院選’10茨城:中盤情勢 民主2人、議席争い接戦 岡田氏、支持固め優位 /茨城

 ◇無党派票、4氏に分散

 11日投開票の参院選について、毎日新聞は2~4日、電話による特別世論調査(県内回答者983人)を実施した。調査結果に支局取材を加えた情勢分析によると、茨城選挙区(改選数2)に立候補した7人のうち、自民現職の岡田氏が党支持層を固めたうえ、幅広い年齢層から支持を集め、優位に戦いを進めている。初めて2候補を擁立し議席独占を狙う民主は、現職の郡司氏と新人の長塚氏が党支持層を奪い合う形になり、横一線で2議席目を争う展開。他の新人4氏は伸び悩んでおり、終盤での巻き返しを狙う。

 比例の投票先では、民主が自民にダブルスコア差の3割強の支持を得ており、菅政権発足後のV字回復の勢いは持続している模様だ。一方、無回答を含め3割の有権者は態度を決めておらず、終盤の選挙戦が注目される。【参院選取材班】(全国の情勢は10、11面)

 岡田氏は現職の知名度を生かし、党支持層の8割弱を固め、50~60代で約3割の支持を集める。今回推薦を見送った公明支持層の5割弱に浸透するが、比例で公明に投票すると答えた人のうち、岡田氏に投票すると答えた有権者は3割強にとどまる。市部、町村部とも満遍なく浸透し、特に「茨城都民」の多い県南地区でも強みを見せる。

 郡司氏と長塚氏は、それぞれ民主支持層の4割弱、3割強の支持を獲得し、ほぼ二分している。連合の支援を受け組織戦を展開する郡司氏は、労組の基盤がある県北部に浸透。70代以上の高齢層にも支持を広げ、町村部では、長塚氏に対してリードする。一方の長塚氏は県西部で、岡田、郡司両氏を上回る2割強の支持を広げる。自民県連前会長の山口武平県議と、無所属の中村喜四郎衆院議員の地盤であることが複雑に絡み合い、岡田氏が会長を務める自民県連の方針に反発する保守層の一部が長塚氏に流れている可能性もある。

 3氏を追う大川氏は、みんなの支持層7割を固めた。自民支持層など保守票の一部も取り込み、県南、県西部での支持が目立つ。

 稲葉氏は共産支持層の9割を得たが、全県的な支持の広がりに欠けている。吉田氏は、たちあがれ支持層の3割弱の支持を固めたにとどまり、中村氏は独自の戦い。

 「支持政党なし」と答えた無党派層の投票行動は、知名度の高い岡田氏が2割の支持を得て候補者中最も高く、大きな追い風はどの候補にも吹いていない。長塚氏は1割強、郡司、大川両氏も1割弱にとどまる。

 比例の投票先では、党支持層の8割に浸透した民主が全体の3割強の支持を固め、トップ得票をうかがう勢い。自民も党支持層の7割強を固めたが、全体では2割弱の支持となっている。

 投票に「必ず行く」と答えた人は全体の71%を占め、07年の前回選から6ポイント上昇した。

 ◆政党支持率

 ◇3割が民主を支持 前回比3ポイント増、自民は下落

 政党支持率は民主が32%で最も高く、前回(07年)を3ポイント上回った。一方、自民は16%で、前回の24%から大幅に支持率を下げた。民主、自民に次いでみんなの党が8%と高く、公明(3%)、共産(同)はいずれも07年より数ポイントずつ支持率を下げた。社民とたちあがれ日本は1%、「支持政党なし」は27%だった。「支持政党なし」と答えた人の比例の投票先は、自民が2割で、わずかに民主を上回っている。

 年代別では、民主は60代の37%、その他の年代でも満遍なく20%台後半から30%台の支持を集めた。自民は50代で20%の支持を受けたが、30~40代で10%台前半と低迷。みんなは50代(12%)の支持が目立った。

 男女別では、男性の36%が民主を支持しているのに対し、女性の支持は28%にとどまった。自民は男性17%、女性14%で、大きな差は見られなかった。

 地域別では、民主が市部で33%だったのに対し、町村部で26%だったほか、衆院茨城2区(鹿嶋市など)と6区(土浦市など)は20%台で、支持拡大に課題を残した。自民は市部が16%、町村部は12%だった。

 ◆連立

 ◇民主単独が最多 町村部、30~50歳代で望む

 参院選後「民主党はどの政党と連立を組むのが望ましいか」との問いに対する回答は、「民主党単独」が27%で最も多く、国民新党との連立が望ましいと答えた人は7%にとどまった。「自民党との大連立」は11%、「みんなの党との連立」は12%だった。「その他」も28%占めた。年代別では、30~50代で民主単独政権を望む人が多く、国民新党との連立は20代で21%の支持を得た。自民党との大連立は各年代で10%前後だった。

 比例の投票先政党を「民主党」と答えた人のうち、「民主党単独」を望む人は38%▽「みんなの党との連立」は15%だった。菅内閣を「支持する」と答えた人のうち、民主党単独政権を望む人は38%▽「みんなの党との連立」は16%の順で多かった。国民新党との連立を望む人は8%。逆に「支持しない」人の中では、「自民との大連立」を望む人が12%いた。地域別では、市部に住む有権者の26%、町村部の30%が民主単独政権を望むと答え、地域差は目立たない。

 ◆消費税

 ◇半数、引き上げ反対 抵抗感強く、政権にも反発

 菅直人首相が自民案に呼応する形で論議を始めた消費税引き上げについて、51%が「反対」と答え、「賛成」の43%をやや上回った。菅内閣への支持との関係を見ると、「賛成」と答えた人の65%が支持する一方、「反対」と回答した人の支持は30%にとどまっており、消費税増税に抵抗感の強い層ほど現政権に反発心を抱いていることがうかがえる。

 「賛成」と答えた人の支持政党の主な内訳は、民主が45%▽自民18%▽みんな6%▽公明2%▽支持政党なし22%。一方、「反対」と答えた人は、民主22%▽自民15%▽みんな9%▽共産5%▽支持政党なし32%だった。

 支持政党別では、賛成は民主党支持層の61%▽自民党支持層の49%。一方、反対は共産党支持層の86%▽公明党支持層の70%▽みんなの党支持層の64%▽支持なしの61%の順で、無党派の半数以上が反対であることが分かった。

 消費税引き上げ反対を争点にした候補者のうち、大川、稲葉両氏は反対と答えた人の支持が6割以上だったが、中村氏は賛成派から7割弱支持を得ていた。郡司、長塚、吉田3氏は賛成派がやや多く、岡田氏は反対派がやや多かった。

==============

 <参院選選挙区候補者>(改選数2、届け出順)

大川成典(46) み新

吉田里江(44) た新

稲葉修敏(48) 共新

郡司彰 (60) 民現[国]

岡田広 (63) 自現

中村幸樹(46) 諸新

長塚智広(31) 民新

 ※政党略称は、民=民主、自=自民、共=共産、国=国民、社=社民、た=たちあがれ、み=みんな、諸=諸派

 ※囲み文字は推薦政党

毎日新聞 2010年7月5日 地方版

PR情報

茨城 アーカイブ一覧

 
地域体験イベント検索

おすすめ情報

注目ブランド