長崎県の雲仙・普賢岳を流れる川の上流では、先月28日から降り続いた大雨の影響で30日、土石流が発生し、国土交通省は、大きな岩とともに土砂が流れ下る映像を公開しました。
国土交通省雲仙復興事務所によりますと、土石流は、雲仙・普賢岳の水無川上流の谷で先月30日午前9時前に発生し、時速およそ50キロの速さで少なくとも1キロ余り流れ下りました。雲仙復興事務所の無人カメラがとらえた映像では、土砂とともに直径4メートルもの岩が激しく流れ下る様子がうかがえます。現場周辺では、先月28日の降り始めから200ミリを超える雨を観測し、30日の午前9時までの1時間で39ミリの激しい雨が降ったことから、山の土砂が崩れて土石流が発生したとみられています。雲仙復興事務所によりますと、普賢岳周辺で土石流が観測されたのは平成19年10月以来だということです。雲仙復興事務所では現地で砂防工事などを進めていますが、このときは工事を中止し、作業員などへの被害はありませんでした。雲仙復興事務所の前田昭浩調査・品質確保課長は「土石流は大きなエネルギーを持って流れ下るもので、非常に危険なため、これから梅雨末期に向けて注意したい」と話しています。