参院選も後半に入った3日、菅直人首相と自民党の谷垣禎一総裁が消費税をめぐり、激しい批判合戦を繰り広げた。首相が巨額の財政赤字の責任はもっぱら自民党にあると訴えたのに対し、谷垣氏は、民主党政権による子ども手当などを「ばらまき」と酷評。両党とも消費増税を目指す方向は同じだが、財政赤字の責任問題をめぐり舌戦を展開した。
首相は甲府市内の街頭演説で「860兆円も借金をつくったのは民主党だけの責任か。大部分が自民党や公明党、今の野党の責任ではないか」と指摘。税制抜本改革の超党派協議に応じない両党の姿勢を「無責任」と言い切った。
また、埼玉県所沢市での演説では、自民党などが民主党の政策ミスを謝るよう求めていることに対し、「謝ってもいい。その代わり自民党も公明党もこの11年間で220兆円赤字を増やしたのをちゃんと国民に謝って、お互いに謝って、これからはそうならないように真摯(しんし)に話し合えばいい」と重ねて超党派の協議を呼び掛けた。
一方、谷垣氏は岐阜市内の街頭演説で「民主党は、家計にお金をばらまけば日本は元気になるだろうと考えた。ゆとりのある方にも、ない方にも一律に配るということが日本を発展させるか、そうではない」と、民主党政権の政策で経済成長は困難と指摘。さらに、「自民党の消費税と民主党の消費税は違う」と述べた上で、「民主党は何のために消費税(を上げるの)かはっきりしない。ばらまきの財源のため、尻ぬぐいのための財源になってしまう」と非難した。
[時事通信社]