野球賭博３１人以外の関与なし…調査委

会見中、報道陣の質問に戸惑いながら答える伊藤座長（中）

　大相撲の賭博問題で横綱・白鵬（２５）＝宮城野＝が花札賭博を行ったとする上申書を日本相撲協会に提出していたことが２日、分かった。この日、両国国技館で会合を開いた特別調査委員会が明らかにした。同委員会は賭け金も少額で仲間内の遊びと判断し、処分の対象にはしていない。

　調査委は６月２８日に全協会員９８７人を対象とした野球賭博に関する再調査の結果を公表した。調査は２日現在で９５３人が回答。野球賭博については最初に協会が調査した３１人以外の関与はなかった。また、それ以外で１００万円を超える高額な賭博への関与は、認められなかった。

　すでに調査委は、胴元に通じる野球賭博に関わった力士らが２７人と発表している。このうち、関与の度合いが低かった幕内・嘉風と幕下以下の力士４人は、謹慎させず名古屋場所への出場を認めることになった。ただ、幕下以下４人について同委員会の伊藤滋座長（早大特命教授）は「名前は公表する」とし、４日に名古屋市内で行う臨時理事会で公表を求めることを決定。嘉風がおとがめなしとなったため師匠の尾車親方（元大関・琴風）の謹慎もなくなった。

　一方で監督官庁の文科省から求められた上申書で判明した白鵬ら花札などの軽度の賭博への関与者の実名公表は却下した。理由について伊藤座長は「若い力士の将来を傷つけてはいけないと判断」と釈明した。