横綱白鵬が花札、処分せず

　大相撲の賭博問題を調査する日本相撲協会の特別調査委員会（伊藤滋座長＝早稲田大特命教授）は２日、東京・両国国技館で会議を開き、横綱白鵬関が６月の賭博の実態調査で、花札の賭け事を行っていたことを認める上申書を相撲協会に提出していたことを明らかにした。半年に１度、仲間内で数万円を賭けたといい、反社会性や犯罪性が薄いとみなされ、処分はされない。

　名古屋場所（１１日初日・愛知県体育館）を謹慎させる者以外の名前の公表は、野球賭博関与者に限ることも決めた。４日の理事会で発表される見通し。

　名古屋場所で謹慎を科されず出場できるのは幕内嘉風関と、幕下４人の計５人となった。処分保留だった嘉風関は常習性がなく、師匠の尾車親方（元大関琴風）とともに処分をしない。阿武松部屋への部屋全体への謹慎も変更され、野球賭博に関与していない力士は処分の対象外となった。

　２日が回収期限だった全協会員を対象とした賭博などの実態調査で、野球賭博への関与や反社会的勢力と関係を持っている者はいなかった。

　あいまいだった謹慎の定義は原則的に、自宅かけいこ場のいずれかにいることとし、外出はその往復や通院に限るとした。名古屋の部屋宿舎への滞在も認める。期間は４日の臨時理事会、評議員会後から名古屋場所千秋楽の２５日まで。

　伊藤滋座長「理事長代行は２５日で任務が終わり、武蔵川理事長が戻ると思う。理事長はまだ世の中に対して一度もおわびをしていないので、（初日に）皆さんの前でやるべきだろう。ただわれわれはあくまで協会に勧告する立場だ」

　村山弘義委員「（謹慎の勧告を受けない力士は）お金のやりとりというより、仲間うちの遊びが多い。行為は反社会的だが、犯罪性という意味では希薄で考慮した。反省もしており、謹慎は求めなかった」

　奥島孝康委員「白鵬は年に１、２回しか（花札を）やっていないのだから、問題ないだろう。犯罪性も全くない。むしろ横綱がよく自分から申し出たなと思う」