名古屋場所のチケット払い戻し検討へ

愛知県体育館のチケット売り場

　名古屋場所担当部長の二所ノ関理事（元関脇・金剛）は１日、チケットの払い戻しに関し、４日の臨時理事会で議題に上げる意向を示した。

　一連の賭博問題で出場辞退者が大量に出たのを受け、協会が異例のチケット払い戻しを行う可能性が出てきた。名古屋場所担当部長の二所ノ関理事が、名古屋市の先発事務所で「４日の理事会で、そういう（払い戻し）話を議題に上げたい」と明言した。

　チケットは制度上払い戻しはできない。だが、大量の謹慎者が出たことで、キャンセルを希望する問い合わせが続出しているという。同部長は「今の情勢を考えるとね。お客さんの気持ちに沿うようにしたい」と、ファンの声の大きさが背景にあることを明かした。

　協会広報部によれば、過去に払い戻しを行ったケースは１度。昭和天皇が崩御した影響で、８９年初場所の初日を１日延期。初日のチケット購入者には、千秋楽に観戦できるよう措置をとったが、当日に観戦できない人に対して払い戻しを行ったことがある。不祥事が原因となったものでは前代未聞のケースとなる。

　二所ノ関部長によれば、現在チケットの売り上げは約６億円だという。それだけに「払い戻しはもちろん大変だけど、考えないといけない。理事会で最終的に決めると思う」と厳しい表情で話した。