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党首がゆく・亀井静香代表―どん底の今 奮い立つ底力(1/2ページ)

2010年7月3日17時5分

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写真:候補者の応援でプロレスのリングに立つ=東京都文京区、葛谷晋吾撮影候補者の応援でプロレスのリングに立つ=東京都文京区、葛谷晋吾撮影

■国民新・亀井静香代表 目標:全員当選

 権勢の絶頂からどん底に。30年を超える政治キャリアの終盤に来て、またもこんな目に遭わされるとは――。亀井静香、73歳である。

 鳩山内閣が滑り出した昨年9月、亀井はいきなりスタートダッシュをかけた。

 金融と郵政改革担当相を兼ねた。就任の記者会見で、資金繰りに困った借り手からの元本返済を猶予する「モラトリアム」をぶちあげた。

 そして元大蔵次官・斎藤次郎の日本郵政社長への起用は、世間どころか首相だった鳩山由紀夫までも驚かせた。

 独断専行。だが、鳩山もこの人事を止めることができない。初心者だらけの鳩山内閣の閣僚に、自民党政権で培った底力を見せつけた。

 郵政民営化反対の印象ばかり強いが、郵政族ではなく運輸族。それでも小泉純一郎の民営化に反対したのは、山村や離島の生活に根付いた郵便網、ひいては日本の暮らしが壊されるとの危機感からだ。

 モラトリアムだって、金策に追われる町の社長さんを放っておけないから。「相談に乗らない金融機関があったら、亀井静香に直接電話を」とさらりと言ってのける。

 「小泉流」が壊した日本の伝統的な価値観を取り戻すのが連立政権の役目だと自負している。だが、その使命感と民主党政権との方向性のずれが、しっぺ返しのように亀井の立場を暗転させる。郵政改革法案の先送りである。

 鳩山は亀井の郵政改革案を丸のみした。だが、もともと肌合いのあわなかった菅直人は亀井の要求をあっさり袖にした。ここで啖呵(たんか)を切って連立を離れてみても、先行きの展望はない。今度は民主党に足元を見透かされたのだ。

 「菅にだまされた」

 閣僚辞任の夜、亀井は悔し涙を隠そうともしなかった。

 その9日後。亀井は大阪市の金剛寺の阿弥陀堂で手を合わせていた。怒りを鎮め、再度の復活に向け自らを奮い立たせるためである。

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