郵便事業会社(JP日本郵便)の宅配便「ゆうパック」で、大規模な配達の遅れが起きている問題で、鍋倉真一・日本郵便社長が4日に記者会見し、配達が遅れた荷物は1日から4日までに約26万個にのぼることを明らかにした。今週前半には正常に戻る見通しだという。生鮮食品が傷んだり、期日通りに届かなかったりした場合は損害賠償に応じる方針だ。
鍋倉社長は会見で、「ご迷惑をおかけし、深くおわびします」と陳謝した。4日に配達する荷物は約95万個で、このうち約6万6千個に半日から2日の遅配が出ている。コールセンターには1日平均で1千件の苦情が来ていた。
集配作業が滞ったのは東京、千葉、埼玉、茨城、愛知、大阪、岡山、広島の8都府県にある10集配拠点。ここを経由する荷物を中心に遅配が出た。千葉、大阪、愛知の3拠点では、通常の状態に戻るまであと数日かかるという。混乱の原因は、1日に日本通運の「ペリカン便」を「ゆうパック」に統合して取扱量が急増した上、複数の仕分け方式が混在し、職員のミスが相次ぎ、輸送便が遅れたためと説明した。
2日には社内で大規模な遅配が認識されていたが、ホームページで遅配の事実を公表したのは4日午後。鍋倉社長は「情報提供が不十分だったと反省している」と述べた。