【韓国の検索ワード】未成年への性暴力問題、課題は山積み

  2008年に起きた残虐な女児レイプ事件をきっかけに、韓国では未成年者に対する性暴力事件にネットユーザーの怒りが爆発している。「ナヨンイ事件」に続き、新たに知的障害をもつ小学生が被害者となっている事件も明らかになり、余波が続いている。4日に続き、5日現在各ポータルサイト人気急上昇ワードに「ウンジ事件」が1位や2位に登場している。

  「ナヨンイ事件」の犯人は酒に酔っていたことを理由に12年の実刑を言いわたされているが、犯行中に証拠隠滅のため女児の大腸を引っ張り出して洗うなどした犯人の残虐極まりない犯行が明らかになり、韓国中にショックが走っている。25日にスタートしたネット署名は現在48万人に迫っている一方で、被害者の母は「関心はありがたいがそっとしてほしい」と、苦しい胸中を明かしている。また、一般人の住所と写真が犯人のものと間違われネット上に拡散されるなど、波紋が広がっている。
  
  一方、「ウンジ(仮名)事件」の被害者は、06年から2年間近隣住民(中高生も含む)に繰り返し性暴力を振るわれた12歳(現在)女児の担任がネット掲示板に訴えたことで、注目を集めている。この担任の先生は、児童保護センター、警察、世界人権大会、青瓦台に請願するなどあらゆる手を打ったが解決に繋がらず、「法律改定で性暴力に対する処罰を重くするだけでは問題解決にならない。被害者が安心してサポートを受けられる制度と科学的、体系的な捜査システムを構築するべき」と、現状の児童性暴力を取り巻く韓国社会の問題点を指摘している。
  
  韓国の児童性暴力事件は、告発率が6%と極めて低く、世間に知られるのは氷山の一角という。08年児童性暴力事件の被害者は1220人だが、実際の被害児童は2万人以上と推測されている。また未成年性暴力加害者数は08年で2717人に達し、05年の1329人と2倍になっており、加害者の平均年齢の低下も憂慮されている。

  「ナヨンイ事件」について、韓国の法務省は「保釈なしで厳重処罰」を表明しており、児童性暴力犯罪を見直すきっかけを与えたが、問題点は山積みのようだ。多くの性犯罪者は3年未満や罰金刑で済み、処罰の厳重にすべきとの声が高まっているが、加害者に対する適切な教育と治療が効果的に行われない場合、常習犯になる可能性が高く、問題は深刻そのもの。再犯率の高い性犯罪問題、早急に事前予防や被害者支援など、全方位的対策を講じないと第二、第三の「ナヨンイ」「ウンジ」が現れかねない。(編集担当:金志秀)

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