ママの涙

いつものように浴槽で水浴びさせたあと
ママが穣と歩(アヒル)に餌をあげてくれました
数秒後みてみるとひっくりかえった穣が!
歩が同じような状態になったことがあるのでわかるのですが
「餌がのどにつまってる!」
歩は自然に元に戻りましたが…
穣はのどのおくにできるだけ指をつっこんでも何も触れない
「イヤアアアア!戻ってきて!」
逆さにしても出てこない
そのうちに力が失われて…亡くなりました


餌をあげたのはママだったので
「餌にあげた白菜のシンが大きかったんだ
私のせいだ、なんてことをしてしまったんだろう!
ごめんね、ごめんね…!」と号泣していたので
私は穣を解剖することにしました

力いっぱい抱きしめて、お別れをしたあと
原因であるはずののどもとをあけました
指の届かない奥に、
「水鳥のフード」が、つまっているのを見つけました
白菜は1カケラもなく、全て人工フードでした

ママのせいではなかったのです

いつも水鳥の餌は水とともに与えていました
ふやけた餌がつまって穣を死に至らしめたようなのです

穣はもう戻ってこない
さっきまで元気に水浴びをして
ピーピー鳴いていたいたあの子は
もう、二度と…
でもその子を目の前で亡くし
自分のせいだと責めていたママの心は、救えたのかな…?

弔いの儀式
目の前で亡くなり死因が特定されていて病歴もない鳥なので
食べることにしました

体の印象は、
砂肝の中の砂が少ない
肺はすごく探さないとみつからないくらい小さい
左のレバーが右に比べて色が濃いような気がする
テール(ぼんじり)のあたりの脂が多い
水鳥なので、ここから全身に脂をぬっているのでしょうか?

塩、コショウ、白ワインで味付けし、
口づけるかのように小さな体を味わいました

食べる部分はほとんどなかったのですが
肉はテア(アローカナ)より柔らかかったです
砂肝を生で食べましたが、やはり焼いたほうがおいしいかな
でも、一部は生で食べないと気が済まないんです
むせかえる血の味をたしかめないと…
極限まで、追求したいから。。。

ごちそうさまでした、と手をあわせる
その行為は、お墓の前でお参りするのと同じ
生と死が隣り合わせの、命をいただくということを改めて感じました

私の血となり肉となった、愛しい愛しい穣へ
永遠の愛と安らかな眠りを・・・

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プロフィール

紅葉

Author:紅葉
Blog再スタート(2010/1)
ワンダーアルピニスト。
驚愕の世界を追求する、なぜ?そこに山があるからさ。
現在動物園の折の中で暮らしたいという想いを実現しかけている。
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