引退レースの1990年有馬記念で優勝したオグリキャップ(左)
2008年11月に東京競馬場に「里帰り」したオグリキャップ
アイドルホースとして競馬界をわかせた「芦毛(あしげ)の怪物」オグリキャップが3日、余生を送っていた北海道で死んだ。25歳。人間なら70歳代だった。この日午後、北海道新冠町の牧場で放牧中に転倒したものとみられ、右後ろ脚を骨折しているのが見つかった。すぐに診療センターに運ばれたが、治療が難しい複雑骨折だった。
オグリキャップは1985年3月27日、北海道三石町(現新ひだか町)の稲葉牧場で生まれた。地方競馬の岐阜・笠松競馬に所属。12戦10勝の成績を残し、88年に中央競馬に移籍した。当時の規則でダービーなどのクラシックレースに出走する資格を持っていなかったが、移籍後は中央馬を相手に6連勝するなど一気にスターホースになった。
競走馬として初めてぬいぐるみが発売され、爆発的に売れるなど、昭和から平成にかけての競馬ブームを盛り上げた。
90年秋は天皇賞・秋6着、ジャパンカップ11着とかつてない惨敗を繰り返し、限界説が流れた。引退レースだった12月の有馬記念で武豊騎手とのコンビが復活。4番人気の低評価に反発するかのように快勝。有終の美を飾った。中央ではGレース4勝を含む20戦12勝。
競走馬引退後は種牡馬(しゅぼば)となったが、中央競馬での目立った活躍馬を出すことができず、06年を最後に種牡馬としても引退していた。