国連(CNN) 国連事務総長特使でもある国連アフガニスタン支援団のスタファン・デミストゥラ代表は6月30日、安保理で最近の同国情勢に触れ、アフガン政府は統治能力を自ら向上させる必要があると強調した。また、今年はアフガンの将来を占う上で極めて重要な年になるとの認識も明らかにした。
安保理構成国のメンバーが最近、現状調査のためアフガンを訪問したことに関係する会合で述べた。同特使は統治能力の改善のためアフガン政府と国民の間の意思疎通を一層図ることが肝要と強調し、軍事的手段だけで事態の打開が望めないことは誰でも知っていると語った。
これに関連して、アフガン問題の解決に関与する主要諸国に対し、アフガン人への権限移譲を加速させることが重要と指摘。治安問題ではアフガン人に責任を担わせるプロセスが予定通り進んでいるものの、行政や経済分野でも同様の成果が必要との見方を示した。
アフガンのタニン国連大使もこの考えに同調、今後数年内にアフガンが成功を収めることが出来るかどうかは政府統治への国民の関与の程度にかかっていると述べた。米国などは、アフガン自立へ向けては統治能力の向上と根強い腐敗体質の一掃がかぎとの考えをカルザイ大統領に再三伝えている。
国連は今年7月20日、アフガンの首都カブールで同国政府とともに国際会議を主催する。同会議ではアフガン安定化の手段と国際社会の援助などが主要議題になる。