Bitter Choco Liqueur
/ ビターチョコリキュール
「魔法少女キアラ」
第五話
兄の部屋のドアを押し開ける。兄は、ベッドの上の倒れ込むようにして意識を失っていた。右手に淫液まみれになった私のショーツを握りしめ、ペニスは硬くそそり立ち天井を突いている。私は兄からショーツを取り上げた。べっとりとした粘液があふれて、手のひらを汚す。あれから兄は、さらにもう一回くらい射精したらしい。私は、その様子を確かめて舌なめずりをする。
あまりの興奮に、心臓がとどまることなく脈打ち続ける。感極まり、胸が苦しくなる。これから、お兄ちゃんは私の……私だけのものとなるのだ。
「あぁ……邪悪な魔法よ……私の欲望をカタチに変えて……」
私はつぶやく。すると、肥大化した私の欲望に反応して闇の魔法が渦巻き始める。私の足下の影が、アメーバのように歪んだかと思うと、急にその大きさを広げる。広がった私の漆黒の影が、スクリーンのようになって兄の部屋そのものを包み込んでいく。兄と私を外界から覆い隠した影の膜は、徐々に実体を得る。黒から、赤黒い肉の色に変わり、ぼこぼことしたこぶのような節くれが浮かび上がる。いつしか部屋の四方は、不気味に脈打つ肉壁の姿を得ていた。私は、たまらない解放感に包まれる。これが、具現した私の欲望であり、もう胸の奥に押し隠す必要はなくなったのだ。
私が念じると、肉壁から無数の触手が生えた。異形のツタは、私の手足のように延びて、兄の身体に絡みつく。兄が身につけていた下着を器用に脱がして、兄の四肢を縛り付ける。そのまま、兄は触手によって磔にされたようになり、私の眼前に無理矢理立たされる。
「起きて? お兄ちゃん……」
私は腕組みして、兄の裸体をなめるように見回しながら、声をかける。兄は、ぼんやりと数回のまばたきを繰り返し、ようやく正面にいる私を認識する。
「キアラ……? お前、何をしているんだ……?」
まだ、意識がはっきりとしない様子で、それでいて異常な気配は敏感に感じながら、兄は私に問いかける。
「それは、こっちのセリフよ? お兄ちゃん……」
私は、兄に粘液が糸を引いて垂れるショーツを突きつける。兄の表情が見る間に青ざめた。
「そ、それは……!?」
「うふふ。わかっているのよ。お兄ちゃん……私の下着を使って、オナニーしていたんでしょう? うふ。私には、全部、お見通し……」
「キアラ……お前……」
「お風呂上がりでバスタオル一枚だった私のことを……いやらしい目で見ていたことも、ちゃあんと、わかっているんだから……」
私はショーツの中で混じりあった兄と私の精を、指で絡めとって、口に運んだ。生臭いのに、甘露のような味がする。こうして、兄と混じり合うことを想えば、他のことなんてどうでもいい。
「でもね……お兄ちゃんが悪いんだよ? 私、お兄ちゃんのこと、こんなに……頭がおかしくなるくらい大好きなのに、気がついてくれないから……」
「キアラ……俺だって、お前のことが好きなんだぞ……」
「違うわッ! お兄ちゃんは、妹として私が好きなだけじゃない……私は、恋人として、男と女としてお兄ちゃんと愛し合いたいの! そのことに、気がついたのよ!!」
私は、兄に向かって叫ぶ。手に持っていたショーツを投げ捨てる。まだ私が何をしようとしているのか理解できずに目を丸くしている兄から、瞳を閉じて、胸の中で暑くたぎる欲望に意識を向ける。
「見てて……お兄ちゃん。これが……私の願いを叶えてくれるチカラよ……」
私は、飽和状態の欲望を解放する。
「邪悪な魔法よ! 私の欲望を、カタチに変えてッ!!」
私の足下から黒い旋風が巻き起こり、帯のようになって私の身体を包み込む。黒い帯の内側で、魔力の源泉であるレオタードが姿を変えていく。やがて、黒と赤紫でデザインされたマイクロミニスカートのボンデージドレスに姿を変える。一人の魔女へと変貌した私が、解けた黒い旋風の中から現れると、兄は目を見開いた。ロンググローブを身につけた指でなでながら、お尻から生えた尻尾が絡み突く太股を見せつけてやる。
「キアラ……その格好はッ!?」
「驚いた? お兄ちゃん……これが、堕落の魔法少女に生まれ変わった私の姿よ!!」
私は、胸を張って闇に堕ちた私の姿を兄に誇る。言葉にせずとも私が何をしようとしているのか理解した兄は、逃れようと身じろぎする。私は逃すまいと、触手に命じて締め付けをきつくする。
「うぅッ! キアラ……やめろ!!」
「イヤよ! やっと、私の願いが叶うというのに……」
私は兄の元へ歩み寄り、胸板をそっとなでる。それだけで、兄は敏感に反応した。男性だというのに、乳首と乳輪が腫れている。私は、今度は口をよせて、兄の乳輪を舌でなめる。乳首を舌が弾くたびに、兄はびくびくとその身を身悶えさせる。
「ん、ぴちゃ……うふふ。お兄ちゃん。まだ、始まったばかりだからね……?」
私は尻尾の胴体を持ち上げさせると、その先端を兄の口へと無理矢理ねじ込んだ。兄の口腔の内で、触手の頭部と兄の頬骨がこすれて気持ちいい。蹂躙される兄の唾液が泡となって、広角からこぼれている。私は、尻尾が求めるままに、兄の咽喉までを犯す。兄の体温が暖かい。そこで、たまらない射精感がわき起こる。私はその欲求に身を委ね、流動食を流し込むように、兄の食道から胃袋へと直接、濃い美毒液を注ぎ込む。
「かはッ……けほけほっ……」
長い尻尾を引き抜くと、兄が激しくせき込む。だが、身体には原液で注がれた魔毒の効力がすぐに現れるはずだ。そう、私がミダラお姉さまにしていただいた時のように……
「……あら?」
そのとき私は、兄ではなく自分自身の身体の異変に気がつく。放出の欲求を満たしてやったというのに、尻尾の先端が火照り、小刻みにその身を震わせている。直腸に潜んでいる尻尾の根本に意識を合わせると、不思議な異物感があった。丸い感触で、外に排出したい欲求を感じるのに、そこにあることが不快ではない。そこで、私は直感する。卵だ。ミダラお姉様に植え付けていただいた時のように、今度は私の尻尾が産卵をしたがっているのだ。私は、自分と尻尾の欲望にしたがうためには、何をするべきなのかを瞬間的に理解する。
「うふふ。ホントにイイ子で、ステキな尻尾ね……」
私は、尻尾をなでながら先端にキスをしてやる。触手が応えるように、身を震わせる。私は兄に向き直った。媚毒が身体に回り、もう声も絶え絶えだが、目から光は消えていない。私は、兄を中空で磔にする触手に命じて、その身体の角度を変えさせた。目の前で足を開いているような体勢にする。兄のペニスの裏筋から、玉袋、そして肛門までもが私の眼前にさらけだされる。
「キ……アラ、なにを……?」
兄が不安げに、私を見下ろした。私は右手のロンググローブを脱ぎ捨てると、人差し指をなめて唾液を絡ませる。そのまま、放射状のしわを持った孔に突き入れた。その瞬間、兄が背筋をのけぞらせる。私がクニクニと刺激してやると、そのたびに操り人形のように身を踊らせる。
「気持ちよさそうね、お兄ちゃん……でも、本命はこっちよ?」
私は、触手の尻尾を操り、躊躇なく兄の後ろの孔を貫く。兄は、声にならない叫びをあげる。構うことなく、兄の奥底へと触手を進め、行き当たりに身を構えさせる。触手の胴がビクンと震え、卵が大きく管の中を前進する。
「うふふ。ついでにこっちも愛してあげるね?」
私は、もう萎えることを忘れてしまったんじゃないかというくらいにそそり立った剛直を前にして、そのまま口をすぼめて吸い込んだ。舌と唾液を絡めてもてなしてやると、後ろをえぐる触手の動きと連動して先走りの液があふれだしてくる。その感に、数度、触手は震え、産卵の時は一刻と近づいてくる。
「ぷはぁ……イクよ? お兄ちゃん……」
最後の震撼を感じた私は、顔を上げて兄に予告する。その直後、射精感とはまた違った解放感が私のみに巻き起こる。
「うああぁぁぁッ!!?」
「あああぁぁぁぁ!!!」
私と兄は同時に絶叫する。濁液にまみれた異形の卵が、確かに兄の中に産み落とされる。同時に兄のペニスは噴水のように己の精を吐き出した。私は、あわてて口にくわえ直し、兄のエキスをすすり、飲み干した。
兄の精を胃袋に納め、自らの触手を兄の腸内から引き抜き、私は至福の満足感に酔いしれる。兄を拘束する触手にその身を回転させ、兄の頭を私の近くに寄ってこさせた。私は、ただでさえ際どいボンデージドレスの胸元をはだける。肉欲にたかぶり、充血してぷっくりと膨れた乳房と乳輪が露わになる。
「さあ……私の姿を見て! 私の身体に欲情して! お兄ちゃんが抱いた欲望を吸って、その卵が孵るとき……お兄ちゃんは、完全に私のものとなる!!」
私は狂乱したように叫ぶ。すると、兄が口元をついばんでいるのがわかった。うふふ。ようやく私の気持ちを理解してくれたのかしら? 私は、兄の口元に耳を寄せる。
「ガンバレ……キアラ……」
兄の口元が紡いだ声が、私の耳に届く。
「……えっ?」
私は思わず聞き返した。
「戦っているんだろ……おまえの心の中で……信じているから……」
兄の声は、途切れ途切れなのに、はっきりと聞き取ることができた。のぼせ上がっていた私の頭から、血の気が引いていく。
「ああ……あぁぁぁーッ!!」
私は、思わず後ずさり、その場に泣き崩れた。私は一体何をしているんだろう? 兄は、いつも私を信じて、励ましてくれるというのに……私は、今の自分が身に付けている衣装を改めて見下ろした。胸元からは乳首がこぼれ、スカートは隠す意味もないくらいに短く、タイトなドレス生地ははしたなく全身のラインをむき出しにする。顔に施されたアイシャドウとルージュもけばけばしいほどだ。まるで売春婦か何かみたい格好をして、私は何をいい気になっていたのだ。これでは、倒すべき敵だった魔女の縮小レプリカみたいな格好じゃないか……
私の周囲では、赤黒く生々しい肉壁が脈打っている。この地獄の底のような、あるいは化け物の胃袋のような世界も他ならぬ私自身が造りだしたのだ。
お尻から生えた禍々しい異形の触手が、私の顔を覗き込んでいる。私を心配をしているかのようにも見えるが、今の私には、嫌悪感しか覚えることはできない。
「私のそばに来ないでッ!」
私が顔を背けようとすると……触手は、跳ねるようにその身を突きだしてきた。
「んぐ……ッ!?」
陸に打ち上げられた魚介のように身を跳ねながら、私の口腔に身を侵入させる。さらには、私が兄にそうしたように咽喉までも入り込み、犯される。無理矢理に犯されているにも関わらず、私の神経系と融合した触手の性感帯は、私に強制的に快楽の波を流し込んでくる。やがて、涙を流すほどイヤなのにも関わらず、放出の欲求が巻き起こり、射精の快感と、異形の甘い体液を無理矢理に味合わされる。
「ん……ッ!?」
満足したのか、さらなる責めを企んでいるのか、私ののどから身を引き抜こうとした触手を、私は途中で捕まえた。その肉管の胴体を思い切り噛みつけてやる。
「……ッ!!!」
私の口の力では、噛みちぎるには至らず、小さな傷を作るのが精一杯だった。しかも、それだけでは終わらず、噛みつけた際の刺激が、神経を巡って私にも返ってくる。それは、痛みを性感に変換した快感の信号だった。
「はあぁぁぁッ!?」
私は絶頂した。愛液が噴き出して、お尻の下が水浸しになる。こんな不本意な絶頂があるなんて、想像したこともなかった。目の前では、触手が痛みのにのたうつように身を跳ねている。私は、それを手で払った。
「出ていって! もう、私の身体から出ていってよッ!!」
私は、泣きながらそう叫ぶ。
「あらあらん。ダメじゃないのお、キアラちゃん。欲望に忠誠を誓うって、私と約束したんじゃなかったのお!?」
そのとき、聞き覚えのある耳障りな甲高い声が、どこからともなく響く。私は、反射的に泣きやみ、辺りを見回す。声の主の姿はない。
ふと視線を降ろすと、そこに異常があった。私のお尻に寄生している触手の胴体が膨らんでいる。それは、どんどん大きさを増していく。やがて人間のほどのサイズまで膨張して、私は爆発するのではないかと恐怖する。そう思った瞬間、触手の先端部が口を開いた。虚空につながっているような円形の穴が開いたかと思うと、その中から人影がはいだしてくる。
「ウフフ。まさか、キアラちゃんが正気を取り戻してくれるとは思わなかったわよん?」
「ま……魔女ッ!?」
そこから現れたのは、私と兄の倒すべき敵であり、私に堕落をささやいた魔女ミダラだった。青紫のハイレグボンデージに毒々しいメイクも、飛行船のアジトで対峙したときと同じ姿だ。魔女が触手の中から完全に這い出ると、膨らんだ尻尾も元の大きさへと戻っていく。
「ミダラお姉様とお呼びなさい……そう言ったわよねえ?」
「何で……あなたが……」
魔女は立ち上がり、ボブカットに切りそろえた髪を指先で払いながら私を見下ろす。
「いいわあ、教えてアゲル……私は、初めからアナタの体内に、魔法で姿を変えて潜り込んでいたのよん。アナタを内側から作り替えるためにねえ。だから、キアラちゃんは、こんな短期間でいやらしい魔女に生まれ変われたのよお?」
「そんな……」
私は、打ちひしがれたように、魔女の講釈を聞いていた。
「ついでに言えば、アナタがどんな風にお兄ちゃんを誘惑すればいいのか、無意識に囁きかけて、アドバイスもしてあげたわあ。もっとも、ここで正気を取り戻しちゃうとは計算外だったけれど……そこで、計画を変更することにしたのよん!」
ドキリと心臓が痛んだ。魔女は、うずくまる私を後目に、肉壁から延びる触手で大の字に磔にされた兄の元へ向かう。
「キアラちゃんの代わりに、私、魔女ミダラ様がアナタのお兄ちゃんをもらうことにするわあッ!!」
魔女は、そう宣言すると兄の唇と唇を重ねる。ねっとりとしたキスが、永遠と思える時間、目の前で交わされ続ける。いつの間にか兄の表情は恍惚としたものに変わり、口の端からは唾液があふれだしている。ようやく魔女が唇を離すと、兄の口元に紫のルージュの跡ができていた。
「イヤ! お願い、やめて……お兄ちゃんには手を出さないで!!」
「そんなの、こっちがイヤに決まっているじゃないのよん。キアラちゃんの代わりに、この男を私の愛人、兼、使い魔にするって決めちゃったのよお?」
私は、肉壁から生えた触手を操って、兄を魔女から遠ざけようと念じる。しかし、兄に絡みつく肉紐たちの反応はない。逆に魔女が指をかざすと、無数の触手たちはそちらに従い、魔女に差し出すように兄の身体を運んでしまう。発情の自己主張をしている兄の男根の前に回ると、魔女は放漫な白い乳房をはだけ、その胸の谷間に兄の肉棒を挟み込む。
「どうかしらん、ミダラお姉様のパイズリのお味はぁ? ウフ。アナタだってあんな未成熟の小娘よりも、私みたいな大人のオンナの方がイイに決まっているわよねえ?」
魔女は両側から乳房を圧迫するように揉みしだき、時折、乳首を男根に擦りつけて刺激する。兄が、射精するまでそう時間はかからない。乳房に埋没した剛直の先端から噴き出した精が、魔女の顔と胸を汚す。
「あはん。なかなか濃くてステキな精液ねえ。それじゃあ、次は私の内側を味あわせてアゲル。私専用の搾精人形にしてあげるわよん!!」
魔女が兄の上に跨る。股間に手を伸ばしハイレグレオタードをずらすと、食虫植物を連想させるような女性器が露わになる。魔女は、そのまま腰を下ろし、兄の男性器を呑み込もうとする。
「待って……ッ!!」
私は、必死に魔女に言葉をかけた。魔女の動きが止まり、ゆっくりと私の方を振り返る。
「何かしらあ? 今、イイところなのよん……」
魔女の視線が冷たい。それでも、私は半ばすがるように魔女に話しかける。
「私がどうすれば……お兄ちゃんを解放してくれる?」
私は、恐る恐る尋ねる。魔女は、あごに指を当てて考える素振りを見せた。
「そうねえ……それじゃあ、キアラちゃん。もう一回、やってみるう?」
魔女が妖しく笑いながらそう言った。私の心臓が、喉から飛び出しそうになる。
「それって……それって!」
「あはん。キアラちゃんの想像しているとおり……アナタが、上手にお兄ちゃんとセックスできたなら、お兄ちゃんはキアラちゃんにアゲル」
そう言うと、魔女は兄の身体の上から降りる。私は、もう、形振り構うことはできなかった。無我夢中で兄の元に駆け寄る。
「キアラ……」
「ごめんなさい、お兄ちゃん……私、もう我慢できない!!」
私は兄の身体の上によじ登る。私の必死の思いに応じて、兄との性交を促すように、黒いレオタードの股間部分にスリットができて、私の女性器がむき出しになる。まだ幼さを残す私の花弁からは、待ちきれずにあふれた蜜がこぼれ落ちている。
「キアラちゃん、男の人とは初めてよねん? いま、先の方が当たっているでしょう……そうよお、もっと位置をずらして……」
「あぁ……ありがとうございますぅ……」
魔女が、私の身体に優しく手を添えて、兄との交わり方をレクチャーしてくれる。
「うん、そう。あとは、腰を降ろすだけ……思いっきりね!!」
「あッ! ああぁぁぁ!!?」
ミダラお姉様が、私の肩を下方向に強く押す。私の腰が、一気に下がり、兄の男根が私の子宮に届かんばかりに奥深くまで打ち込まれる。
「あ……イイ……お兄ちゃん……とてもイイよお!!」
一度、味わってしまうと、あとはもう早かった。私の腰は勝手に跳ねて、兄の肉棒を堪能する。触手に犯されるのとは全く違う、想い人との蕩けるような交わりを私は深く味わっていく。そのうちに、兄も私に腰を打ちつけ初め、二人の動きが重なっていく。
「キアラ……俺、あ……あぁッ!!?」
兄が断末魔のような叫びをあげる。次の瞬間、信じられないほどの精液が噴出し、私の内側を満たしていく。兄の温もりが子宮に染み込んでいく感覚に酔いしれる。
「あッ! あ、あ、うあああ!!!」
兄のけいれんは、なお止まらない。やがてその律動が最高潮に到達すると……
ずにゅり。
兄の排泄孔から、私と同じように一本の触手がのたうちながらその姿を現した。お姉様は、その触手を掴むと、愛おしそうに頬ずりする。
「ウフ。おめでとう、キアラちゃん……これで、アナタのお兄ちゃんは、アナタの言うことを何でも聞く使い魔となったのよお? キアラちゃん自身も、私の使い魔に戻ってくれたしねえ……」
ミダラお姉様の言葉の意味は、快感に惚ける私の頭には何となくしか理解できない。ただ、私の望むものが手に入ったことだけは、なんとなくわかった。
「あぁ……ありがとうございます、ミダラお姉様……」
私はお姉様に礼を告げる。お姉様は、兄から生えた触手を私の前に差し出した。
「さあ、今度はこちらも使って、アナタのお兄ちゃんを気持ちよくさせてご覧なさい?」
「……はぁい……」
私は、お姉様の言うとおりに触手を握ると、赤ん坊がそうするように亀頭に吸いついた。舌でえぐるように刺激してやると、兄が快感に身悶えるのが見て取れる。すぐに、それは肉棒の硬さと大きさを増すという結果へとつながっていた。兄と私はどちらからということもなく、再び腰を振り始める。
「お兄ちゃん……私のこっちも気持ち良くして?」
私は、自分の尻尾も兄の口へと差し出した。兄も私と同じように、美味しそうにその先端に吸いついてくれる。
「あぁ……お兄ちゃん、イイよお! 私も……私も……射精しちゃうッ!!」
私の尻尾の先端から、濁液がぶちまけられる。兄は、迷うことなくそれをすすった。間もなく、兄もまた、私の口内に粘液を放出する。下半身の性感も、限界が近いことが感じ取れた。注げば注ぎ返され、そしてまた注ぐ。いつしか、私と兄の間には無限の循環のようなものが出来上がっていく。
「ウフフ。おめでとう、キアラちゃん……私も、アナタのような優秀な弟子を持てて嬉しいわあ」
ミダラお姉様が見下ろす中、私と兄は永久機関のようなセックスの中に埋没していった。
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