海兵隊司令部の一部沖縄残留、同規模部隊グアムへ
【ワシントン=小川聡】日米両政府が米軍再編実施に向けて2006年5月に合意した「再編実施のための日米ロードマップ(行程表)」のうち、沖縄に駐留する米海兵隊約8000人のグアム移転について、米側が移転部隊の構成を見直す、と日本政府に伝えてきたことが1日、わかった。複数の日米関係筋が明らかにした。
グアムに移転予定だった司令部の一部を沖縄に残し、同規模の戦闘部隊を代わりにグアムに移す内容で、不透明さを増している朝鮮半島情勢や中国の動向への即応性を高める狙いがある。
行程表では、沖縄からグアムに移転する対象は、司令部や後方支援機能の部隊とするとしていた。しかし、司令部機能すべてをグアムに移転すると、運用に支障が生じる恐れがあるとの見方が米政府内で強まったという。
米軍に近い日米関係筋によると、米側が今回まとめた見直しの素案の柱は、ヘリコプター部隊などを指揮する「第1海兵航空団司令部」を沖縄に残すというものだ。その代わり、同規模の歩兵部隊をグアムに移転する。この歩兵部隊は、海兵隊が海外展開する際に組織される「海兵空陸任務部隊(MAGTF)」には含まれない部隊だという。
米側は、戦闘部隊が移転すれば沖縄での訓練が減るほか、事件や事故の可能性も減るとし、地元の負担軽減につながるとしている。
(2010年7月2日 読売新聞)