神奈川県三浦市で1971年に一家3人が殺害された「三崎事件」の再審請求で、荒井政男元死刑囚(病死)が持っていた大工道具袋に付いていた血痕に関し、横浜地裁横須賀支部(忠鉢孝史裁判長)が委嘱したDNA鑑定の結果、元死刑囚の型が確認されなかったことが2日分かった。弁護側は「被害者の血液ではなく元死刑囚の血液だ」として、冤罪(えんざい)を主張していた。
鑑定書は6月30日付。道具袋は事件で唯一の物証とされ、血痕が数カ所付着。県警の鑑定では食料品店主の血液の型と一致したとされたが、弁護側は「正確性に問題がある」などとして09年9月にDNA鑑定を請求。地裁支部が今年3月に認め、山田良広・神奈川歯科大教授が4月から、元死刑囚の毛髪などを基に鑑定していた。【網谷利一郎】
※記事の初出時、証拠品付着の血痕DNA型について「2種類は被害者の食料品店主の妻と娘の可能性が高く、もう1人分は不明」とあるのは誤りでした。
毎日新聞 2010年7月2日 12時55分(最終更新 7月3日 15時27分)