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「三崎事件」再審請求で血痕のDNA型鑑定を決定/横浜地裁横須賀支部

2010年3月19日

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 1971年に三浦市で一家3人を殺害したとされる「三崎事件」で、殺人罪で死刑判決が確定し、昨年9月に82歳で病死した荒井政男元死刑囚の遺族の再審請求について、横浜地裁横須賀支部は18日までに、判決の根拠となった物証の一つで被害者の返り血とされた血痕のDNA型鑑定を決めた。

 決定は16日付。弁護団によると、物証の再鑑定は再審公判中の足利事件以来で異例。再審決定前に再鑑定を行うことも異例といい、弁護団は冤罪(えんざい)を防ぐために可能な手段を尽くそうという裁判所の姿勢を評価している。

 青木孝弁護士は「有罪判決で判決を支える唯一の物証としているが、鑑定結果が異なれば判決の前提が崩れる。再審開始が前進する」としている。

 再審開始には刑訴法に基づく「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」の提出を求めており、弁護団は「元死刑囚は足が悪かったので目撃証言にあったように階段を素早く上れない」として医師の意見書を「新証拠」としている。

 弁護団によると、血痕は元死刑囚の車のトランクにあった道具袋に付着。当時のMN式血液型鑑定などでは、被害者の1人と血液型が一致。「犯人の男を見た」とする被害者一家の長男の目撃証言などとともに有罪判決の際の物証となった。しかし、被告側は「自分の血で、事件以前に指をけがした際に付いた」などと反論していた。

 弁護団は91年の再審請求当時から、DNA型鑑定請求を模索。元死刑囚の死亡を受け、遺体から毛髪などを採取して昨年9月に鑑定を地裁横須賀支部に請求していた。

 確定判決によると、荒井元死刑囚は71年12月21日、知人の三浦市三崎の船舶食糧販売会社社長の岸本繁さん=当時(53)=方で、借金を断られて立腹し包丁で岸本さんを刺殺。妻の喜代子さん=同(49)=、長女昌子さん=同(17)=も刺し殺した。


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