(CNN) 米南部沖のメキシコ湾で4月20日発生した原油流出事故で、汚染対策の陣頭指揮に当たる米沿岸警備隊のアレン司令官は17日、漏出防止策が効果を上げ始め同日夜中まで破損した油井から回収した量は約2万5000バレルに達したと述べた。
16日と比べた場合、約6700バレルの増加となっている。米政府は7月までに1日当たりの回収量を最大で8万バレルまで増やすことを期待している。漏出量は1日当たり最大で6万バレルに達する可能性があるとの試算が出ている。
アレン司令官によると、漏出を続ける油井に近い2カ所での新たな油井建設作業は予定より早めに進んでいる。新たな油井は流出防止の決め手と期待されている。1カ所は海底から約3200メートル下に、別の油井は約1400メートル下まで掘り進める計画。司令官は、建設作業には複雑な工程が絡むため、これらの油井が当初より早めに原油の吸い上げを開始出来るかどうかについては言及を避けた。
一方、オバマ大統領が先に発表した原油流出に伴う被害補償に当たる基金の責任者となる弁護士のケネス・ファインバーグ氏は18日、補償要求受け付けの制度を早急に具体化させるとの考えを示した。基金は、爆発炎上し海底に沈んだ海上石油掘削基地の操業権を保持していた国際石油資本の英BPが200億ドル規模の資金を拠出して設立される。
同氏は、2001年の米同時多発テロで補償支払いのために設けられた同様の基金で責任者を務めていた。ファインバーグ氏は今回の基金の運営について米政府やBPから離れた独立性を持たせるとの方針を表明した。
原油流出事故を受けてBPは、住民らによる補償要求を処理する事務所を25カ所に設置し、これまでに約2万5000件で総額6300万ドル分の支払いに応じている。