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芦毛の怪物オグリ死す、放牧中骨折で安楽死 (2/2ページ)

2010.7.4 05:09
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芦毛の怪物オグリ死す、放牧中骨折で安楽死
感動のラストラン。90年の有馬記念で武豊騎手を背にしたオグリキャップ(中央)は奇跡の復活を遂げ、多くのファンの涙を誘った【フォト】

 芦毛の怪物が天国へ旅だった。

 オグリキャップが余生を送っていた優駿スタリオンステーションによると、放牧中に右後肢を骨折。医療機関に運ばれたが厳しい状態で、安楽死の措置が取られた。25歳は、人間なら80歳に相当する。同ステーション主任の山崎努さんは「日常の動きの中でのアクシデントだっただけに、本当にショックを受けています」と語った。

 オグリは、87年5月に岐阜県の笠松競馬でデビュー。通算12戦10勝2着2回の成績で、88年1月に中央競馬の栗東・瀬戸口勉厩舎に転厩する頃には、“笠松にオグリあり!”と評判になっていた。中央初戦のペガサスSを快勝して芝適性を示すと重賞3連勝。まだダービーまで間があったが、オグリにはクラシック登録がなく、出走できなかった。悲運のヒーローという面も人気を集めた。重賞6連勝を飾って天皇賞・秋でGI初挑戦したが、同じ芦毛の先輩タマモクロスの2着に敗退。続くジャパンCも3着と涙を呑んだが、有馬記念では名手・岡部の手綱でタマモを抑えてGI初制覇を飾った。

 翌89年は秋に復帰すると、マイルCS辛勝から連闘でJCに挑戦。厳しいローテーションながら勝ったニュージーランドのホーリックスを最後まで追い詰めてのクビ差2着。芝2400メートル2分22秒2(良)は当時の世界レコードで、歴史に残る名勝負で改めて不屈の闘志を見せつけた。地味な血統ながら、超良血のエリート集団の中央馬に立ち向かう姿、芦毛で愛嬌のある風貌は若い女性のハートをキャッチ。競馬に関心のなかった世代にも大いにアピールした。

 90年、デビュー4年目の武豊騎手と初コンビで安田記念を優勝。しかし、その後は3連敗で、JCは11着と惨敗。“オグリは終わった”ともささやかれた。ラストランの有馬記念は、再びユタカが騎乗。4番人気に甘んじたが、好位追走から直線で堂々と抜け出して有終Vを決め、GI4勝目。この年のJRA年度代表馬に選出された。

 「オグリッ!」「オグリッ!」−。有馬記念の入場者レコードとなる17万7779人の大観衆からの“オグリ”コールが中山競馬場を揺らす。その感動を体験した武豊騎手は「競馬の歴史にすごい名を残した馬に2度も騎乗させてもらい、本当にありがたかったし、誇りに思います。今はオグリを知らない若い世代のファンもいらっしゃるので、あのスーパーホースのすごさを伝えていきたい」と偉大さを称賛した。

 伝説の名馬オグリキャップは、これからもファンの記憶の中に生き続ける。

★今月半ばお別れ会

 オグリキャップのお別れ会が今月半ばに行われる。日時、場所は未定。



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