家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」問題で政府が設置した現地対策チームのトップ、山田正彦農林水産副大臣は18日、被害が集中する宮崎県川南(かわみなみ)町に初めて入り、内野宮(うちのみや)正英(まさよし)町長らに「ワクチン接種を考えている。(農水省として)近いうちに判断しなければならない」と伝え、接種への協力を求めた。
「災害も含め政務三役が期限を切らず現地に常駐するのは初めて」(農水省消費・安全局)。山田副大臣は野党時代、牛海綿状脳症(BSE)対策に取り組むなど家畜衛生には詳しい。
副大臣の常駐は、16日に平野博文官房長官や福島瑞穂消費者行政担当相が同県を訪れた際、「今ごろ遅い」との批判にさらされたため、それを和らげる狙いがあるとみられる。
ただ「副大臣と一緒にいきなり現地に投入された農水省の職員たちも何をしていいのか戸惑っているようだ」(宮崎県関係者)との指摘も出ている。山田副大臣は18日、川南町に続き、高鍋、新富両町も訪問した。
=2010/05/19付 西日本新聞朝刊=