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【疑惑の濁流】家を失い、自殺に追い込まれ…捜査網狭まるSFCG「大島王国」の光と影 (1/4ページ)

2009.12.27 12:00
このニュースのトピックス疑惑の濁流
大島健伸氏の実質自宅として知られる大豪邸=平成11年12月、東京都渋谷区松濤(宮川浩和撮影)大島健伸氏の実質自宅として知られる大豪邸=平成11年12月、東京都渋谷区松濤(宮川浩和撮影)

 今年2月に経営破綻(はたん)した商工ローン大手、SFCG(旧商工ファンド、東京)の元会長、大島健伸氏(61)に対する包囲網が狭まっている。破綻前に資産を流出させた疑惑について警視庁の捜査が進む一方、債権者による過払い金返済を求める声が高まっているためだ。「お金だけでなく、人生も返して」。厳しい取り立てに耐えた債権者の叫びは、大島氏の耳にどう響くのだろうか。

弟の自殺未遂…保証人の兄に予期せぬ試練

 「取り立ては厳しかったですよ。月に1度は勤務先に『まだ勤めているか』と確認の電話が来てね。30分ぐらい『払え払え』といわれ続けました」

 7歳離れていた弟の保証人として、SFCGから返済を迫られた経験を持つ東京都北区在住のタクシー運転手の男性(62)。淡々とした口ぶりに、苦難を受忍した人間の覚悟が感じ取れる。

 工場経営者だった弟は、借金苦の中で5年前に亡くなった。

 「熱海で自殺を試みたこともあったが最後はガンで死んだ。経済的に困窮していたから病院にも行けなかったのでしょう。搬送されたときには手遅れでした」

 男性は弟の保証人として、利子分を含めた借入金約910万円を完済した後、ある事実を弁護士から知らされた。利息制限法の上限金利を上回り返済していた分、いわゆる「過払い金」の存在だ。返済金のうち約410万円もの金が過払い金に該当していたのだ。

 今年2月に380万円の払い戻しを受けることでSFCGと和解したが、同社は1カ月もたたないうちに民事再生法の適用を決定した。結局、東京地裁は同社の再建を認めず、SFCGは破産手続きに入った。その後も男性の元に過払い金は返ってきていない。

 男性は「返済生活に入って精神的に滅茶苦茶になった。お金も人生も返してほしい。タクシー業界の景気も悪いし、年の瀬に少しでもお金が戻れば助かるんだが…」とため息を漏らす。

 同社の破産管財人によると、債権者約2万5700人が返済を求めた過払い金の総額は、約408億円(今年10月現在)に上る。

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大島健伸氏の実質自宅として知られる大豪邸=平成11年12月、東京都渋谷区松濤(宮川浩和撮影)
過払い債権者らが参加したSFCGの第1回債権者集会=10月28日、東京都千代田区(内藤慎二撮影)
SFCGの第1回債権者集会終了後、記者会見に臨んだ破産管財人の瀬戸英雄弁護士(右)ら=10月28日、東京都港区(内藤慎二撮影)

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