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【疑惑の濁流】家を失い、自殺に追い込まれ…捜査網狭まるSFCG「大島王国」の光と影 (3/4ページ)
このニュースのトピックス:疑惑の濁流
「商工ファンド」として昭和53年に誕生後、中小企業向けローンで大成長を遂げたSFCG。会社を率いた大島氏は時代の寵児(ちょうじ)として脚光を浴び、米国の経済誌「フォーブス」から名誉ある世界の長者に選出されたこともあった。
その一方で強引な取り立てが社会問題化し、大島氏が国会に参考人招致されたのは、平成11年のことだ。
返済が滞ると、すぐに仮差し押さえを申し立てるなど裁判所まで使った回収手法などに批判が集中。しかし、大島氏は国会議員の追及に動じず、「回収方法に問題はない」「あくどいというのは極めて心外」などと持論を展開した。
元社員が明かしたエピソードの中に、同社の“回収至上主義”の姿勢が凝縮されている。
「これから死ぬ。あまり残せないが迷惑をかけた分は取っておいてくれ」
返済に苦しむ債務者が担当者へ覚悟のメッセージを寄越した。だが、上司は担当者の不安をよそに「ほっとけ。死ぬなら死ぬでかまわない。それよりも『商工ファンドに最初に払います』と遺書に書けと電話をかけろ」と指示を出したという。
結局、担当者は自殺に備えて財産仮差し押さえの準備に入り、債務者は宣言通り、首をつって命を絶った。
容赦ない取り立てで業績を伸ばしたSFCGの歩みについて、別の元社員は「部下の強権的な取り立ては大島氏の意向に沿っていた。渋谷の豪邸はそうした債務者の“犠牲”の上に建っていた」と解説した。
破綻の認識時期が焦点に
会社の誕生から約30年。栄華を誇った“大島王国”は完全崩壊の危機を迎えている。
破産の道を選択したからだけではない。債権者に損害を与えることを知りながら関連会社に資産を流出させた可能性があるとして、警視庁が民事再生法違反(詐欺再生)などの疑いで、旧経営陣の刑事責任追及に向けた捜査に着手したためだ。