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【疑惑の濁流】家を失い、自殺に追い込まれ…捜査網狭まるSFCG「大島王国」の光と影 (4/4ページ)

2009.12.27 12:00
このニュースのトピックス疑惑の濁流
大島健伸氏の実質自宅として知られる大豪邸=平成11年12月、東京都渋谷区松濤(宮川浩和撮影)大島健伸氏の実質自宅として知られる大豪邸=平成11年12月、東京都渋谷区松濤(宮川浩和撮影)

 捜査関係者や管財人によると、資産流出は昨年9月〜今年2月ごろ行われ、SFCGが保有する不動産担保ローンや貸し出し債権など約2670億円分の資産が無償譲渡されたり、格安売却されたりした。譲渡・売却先は大島氏の義弟や妻ら親族が代表を務める企業などだったという。

 民事再生法に基づいて再建を目指す場合、手続きに入る前後を問わず、財産を隠したり処分したりするなど、会社の資産価値を減少させる行為は禁じられている。債権者の利益を守るためだ。違反した場合は詐欺再生罪に問われ、10年以下の懲役か1千万円以下の罰金が科される。

 SFCGの資金繰りは米大手証券、リーマン・ブラザーズの経営破綻で悪化したとされ、資産流出が始まった時期と一致する。警視庁は旧経営陣が差し押さえから逃れる目的で、親族会社に資産を移動させた疑いがあるとみている。

 捜査は今後、旧経営陣がいつごろ破綻は避けられないと認識したのかが焦点となるとみられる。警視庁は関係者の事情聴取を重ねており、その時期の特定を進めている。

 大島氏の現在の心境について、ある警視庁関係者はこう推察する。

 「事業拡大の象徴だった資産をすべて失うかもしれない、捜査対象になるかもしれない不安に直面しているかもしれない」

 共著などによると、大島氏は上場時、平成22年までに「関連会社102社の創設」と「経常利益3千億円」の達成を目指していたとされる。自身の人生そのものともいえる会社を失ったばかりか、周辺に捜査の手が迫る中、大島氏はどのような心境で「節目の年」を迎えようとしているのか。

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大島健伸氏の実質自宅として知られる大豪邸=平成11年12月、東京都渋谷区松濤(宮川浩和撮影)
過払い債権者らが参加したSFCGの第1回債権者集会=10月28日、東京都千代田区(内藤慎二撮影)
SFCGの第1回債権者集会終了後、記者会見に臨んだ破産管財人の瀬戸英雄弁護士(右)ら=10月28日、東京都港区(内藤慎二撮影)

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