2010年5月6日 19時29分 更新:5月6日 19時52分
【ソウル大澤文護】聯合ニュースなど韓国の複数のメディアは6日、韓国海軍哨戒艦「天安」(1220トン)の沈没原因を調査中の軍と民間の合同調査団が、船体の切断面付近から火薬成分を検出したと報じた。調査団は成分を詳しく分析するとともに沈没との関連を調べている。
報道によると、政府関係者は「天安の船体から微量の火薬成分を検出し、現在、分析作業を進めている。この火薬成分が魚雷のものかどうかは今週中に判明する見込み」と語った。関係者は「火薬成分が検出されたのは、煙突を含めた船体の切断面付近」と明らかにした。さらに聯合ニュースは「切断面付近と海底から船体の材質とは異なるアルミニウム破片が見つかり分析中。この破片が魚雷が爆発して出たものかどうかについても近く結果が出るとみられる」と報じた。
一方、6日付の東亜日報は合同調査団が近く「魚雷攻撃によるバブルジェット(強力な水流)で船体が二つに割れて沈没した」との最終報告書を発表すると報じた。しかし、同紙によると、最終報告書では、北朝鮮による魚雷攻撃かどうか明記せず、最終判断は政府に委ねる可能性があると伝えた。
合同調査団はこれまで、船体の直近で「非接触水中爆発」が起きたのが原因と発表し、魚雷の破片回収や火薬成分の検出に全力を挙げてきた。李明博(イ・ミョンバク)大統領は4日の全軍主要指揮官会議で「単純な事故では沈まない」と指摘し北朝鮮関与の可能性を示唆した。しかし、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の開催への影響などを考慮し、韓国政府は北朝鮮関与を明言することを避けてきた。