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[19821] Super Robot Wars Out of D (現実→SRWOG 転生 TS ご都合主義 OG外伝までの知識あり)
Name: セプテム◆729e20ad ID:12065124
Date: 2010/06/25 14:00
みなさまはじめましておはようございますこんにちはこんばんは
1回目の方はよろしくおねがいします
2回目の方はありがとうございます
3回目の方はこれからもよろしく
4回目の方は勇気をください

注意をしておきましょう。
・文章のレベルはかなり低いです
・厨二病発症している作者です(生暖かい目で見守って下さい)
・設定をいじっているところがあります
・PTやAMの性能など以上に灰スペックだったりとかしますが、ご都合主義仕様です
・荒唐無稽な部分もあります
・人物などの心理や関係、背景などは作者の能力の限界をあらかじめご理解下さい
・ゼンガー・ゾンボルト信者である
・文法などのツッコミがあって作者の能力的に無理です
・感想や何やらはコメできたらします
・ごくまれにグロテスクな描写ありです
・色々と気にしたら負けです

問題ない方は次へとお進みください
 to be Next...




























『第一話 私的事情』

ヘンシェル・C・ドルニエ

これが私の新しい名前

新西暦160年12月07日誕生

私がこの世界に生まれた日

地球連邦軍第03PT部隊所属 階級中尉


たぶん新西暦の部分で分かる人にはわかるかもしれません
PTという単語でもう完全に分かるでしょうが


え~っと私・・・スパロボOGの世界に転生しましたぁ♪


・・・別にボケてもいませんし可哀相な子でもありません!

コホン、この際私の正気云々は置いておきましょう・・・

この世界がスパロボOGの世界だと分かった理由があります、いえもう確定でしょう


ゼンガー・ゾンボルトの存在でした!

――いえやはり敬意と親愛を込めてお呼びしなくては!


ゼンガーお兄様!!っとお呼びしなくては!!!!

たとえ将来ソフィア・ネートお姉さまの伴侶となるでしょうが私のお兄様であることに変わりはありませんから!

もしククルが現れたらお兄様とお姉さまに関わる前に私がお持ち帰りしてオイシク――


――っは!一瞬だけ意識がR指定に飛びかけました、これではお兄様に斬られかねない・・・それでもイイ


・・・コホン、雑念は放置して私の簡単な経緯を説明します

転生する前の世界は・・・普通の世界でした魔法も超能力もロボットもSFもありませんでした普通の世界でしたね

私は日本人の男でした独身でした彼女いない暦=年齢でした普通の社会人でした・・・

もう言わなくてイイですか? もう少し詳しく・・・ですか

死んでしまった理由は不明です、最後の記憶は寝る直前の天井しか覚えておりません

テンプレ乙ならここで神様が~誤って~となるのでしょうが、気が付いたら赤ん坊でしたね

前の性格と今の性格はかなり違っていますね、前はなるべく周囲に合わせるような性格でしたが今は我が道を往く性格になってしまいましたね~

理由はあります、2度目の生なので最初は賢い子の振りをしていましたがお兄様にお会いした瞬間に止めました!

私が初めてお会いしたのは5歳の時、家族の交友でゾンボルト家に行きそこで私は出会いました――

――当時7歳のゼンガー・ゾンボルトに!

言葉を失うほどの衝撃と同時に歓喜が私の胸を渦巻き気がついたらゼンガー“お兄様”とお呼びしてしまいましたが、お兄様は苦笑を浮かべながら呼び方は何でもいいと仰って下さいました

その時からゼンガーお兄様は私のお兄様なのです!




お兄様が将来的に【悪を断つ剣】を名乗るのを知っておりますので私も同じような道を進もうと決めました決定事項です!

お会いした後に知ったのですがドルニエ家とゾンボルト家が近しいとのことらしく、昔から交友がありますが血は繋がっていないとのこと

お兄様にはソフィアお姉さまがいるので手は出しません・・・血の雨は見たくありませんから




――はっ!これ以上回想を続ける本編に支障が!?

この後のお兄様とのことについては少々割愛させていただきます、いずれお話いたしますので




ゼンガーお兄様分が足りない・・・






・・・その後お兄様は連邦軍の仕官学校、特殊戦技教導隊、示現流剣術の達人リシュウ・トウゴウに師事したとのことを聞いております

私はお兄様には知られないように親戚一同をおどs・・・コホン、キチンとOHANASHIして連邦軍の士官学校へと入学、チートな身体能力と頭脳を駆使して主席では知られてしまう危険性があったので3番目くらいに調整して卒業しなるべく教導隊とは関わらない方向での配属を希望し――

配属された先は極東支部伊豆基地第31航空兵団

・・・最悪ですお兄様には知られずに済みましたがイングラムに目を付けられないように色々寡作するなんて無理です無謀ですサンプルにされてしまいます

それでも行動します色々と生きていて欲しい人はいますから、カトライアさん、オウカさん、リー艦長の家族・・・

でも私器用なほうじゃないのですぐに露見するのは目に見えております、休暇申請して直接現地に赴くしかありませんでした・・・

新西暦184年12月エルピス事件、現地入りして5日目に発生しました当然の如く武力介入開始です

歴史改変になってしまいますが構いません、むしろ私が存在する時点で改変されているようなものですし

そうしてエルピス事件に介入しましたが、世界の修正力でしょうか後一歩の所で妨害が入りカトライアさんは助けられませんでした・・・

やはり常々思っておりましたが重要な人物の【死】ほど生存させようとすると妨害等が発生して助けられません、因果が関係しているのでしょうか?

因果を断ち切れれば本来死んでしまう人達を助けることが出来るかもしれません・・・




そして現在新西暦185年6月15日・・・

記憶通りならDC戦争まで残り2年、準備に仕込みはそれなりにやって来た・・・はず

今日は何故か基地司令に呼び出されました、実記配備前のPTのシミュレーター訓練していましたからそれ関連だと思いますが

「ヘンシェル・C・ドルニエ中尉」

「はっ!」

敬礼しつつ司令の顔を窺うと少しだけ疲れた顔をしているように見える気がます

「本日君を呼んだのは辞令と特務を言い渡すためだ・・・」

「辞令と特務ですか・・・?」

疲れた顔した司令の言葉と辞令と特務、何かあったのは予想できるのですが私関連ですかね?


「・・・辞令、7月1日よりペトロパブロフスク・カムチャッキー基地への異動。特務、同日に試作機を受領し運用データの収集任務を言い渡す」


「・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・ぇぇぇえええええええ!?!?」




どうしてこうなった・・・?



[19821] 『第二話 往く先を母に訊く』
Name: セプテム◆729e20ad ID:12065124
Date: 2010/06/28 01:53
新西暦165年12月26日
ドイツ ドルニエ家

私が転生して5年が経過したある日のこと・・・

父さん母さんと・・・もといお父様とお母様の都合で外出も出来ず来客が来るからと強制的におめかしさせられてしまった

勝手な両親の都合とはいえどのような来客が来るのかさえ知らないので聞いてみると

「ヘンシェル今日はねゾンボルト家の方々がいらっしゃるから、昔から家族ぐるみで付き合いで私たちも彼らも久しぶりに時間が取れたから会おうってことでね」

「ゾンボルト家・・・ですか」

「そうよ貴女が会うのは2度目なのだけど赤ん坊の頃だから覚えているはずないでしょう、だから今日初めて会うことになるのかしらね」

その時はまさかという気持ち半分、偶然の一致という気持ち半分でした

どのような人か聞こうとしましたが、タイミングよく玄関からノックの音が聞こえてきました

「お、丁度着いたようだね」

両親に左右から連れられて玄関の行きました

お父様がドアを開けると銀髪の男女とその間にいる銀髪の男の子

「久しぶりかな?それとも始めましてかな大きくなったねヘンシェルちゃん、私はオイゲン」

「私はクセニアよヘンシェルちゃんよろしくね」

「それでこの子が私たちの息子の――」

「始めましてドルニエ家のみなさん私はゼンガー、ゼンガー・ゾンボルトです」

その名前を聞いた瞬間私の思考が完全停止した

「始めましてゼンガー君、私はイヴァンいやはや子供の成長は早いね」

「ペトラよ、貴方に会ったのは2歳の時だったから始めましてね」

「・・・・・・」

両親が挨拶しているけど私の思考は未だに復帰していない

「ん? ほらヘンシェルも」

「――は、はい! えっとわ、わた、私はその・・・」

思考が回復しきっていないので何を言っているのか自分でも分からない状態です、前世での憧れの人物を目の前にしているのですから

「緊張しないで大丈夫だよ、ゆっくりで大丈夫だから」

そう言って貰えた影響か分かりませんが少しだけ落ち着けたと思います、お恥ずかしい限りですこれが若さなのでしょうか

「わ、私はヘンシェル・C・ドルニエです!は、始めましてゼンガーお兄様!」

一瞬時が止まった気がしました、言った瞬間に後悔したが後の祭りです

「ヘンシェルちゃん・・・なんでお兄様なの?」

「え、えっとその・・・わ、私よりも年上ですしかかか家族間の付き合いも長いのですしな何より・・・・・・私がお兄様と御呼びしたいのです」

(は、恥ずかし過ぎる!!今すぐにでもこの場から逃げてしまいたい!!そしてきっと変な子と思われた!!)

何かが終わったと思ったけど・・・

「いや、呼び方は別に何でもいいよヘンシェルちゃん」

ゼンガー、いえゼンガーお兄様が微笑んでくれたのを見た主運間に私の思考は再度完全停止し、気が付いたら抱きついてました

な・・・何を言っているのかわからないと思うかもしれませんが私も何がどうしてこうなったか分かりません・・・

考えるのを破棄するぐらいの事態に直面しています・・・

催眠術だとか念動力だとかそんな妙なものじゃありません、断じてありません

もっと深い私のゼンガーお兄様への愛の片鱗を味わいました・・・




新西暦185年6月15日
連邦軍極東支部伊豆基地

衝撃的な異動の所為で叫んでしまい、挙句の果てにその叫び声で駆けつけてしまった警備の人に怒られてしまいました

異動する前にやれるだけのことはしておかないといけませんので、まずは実家の方に国際電話です

「・・・お父様この度私は異動することになりました、異動にあたりお兄様宛にしばらくはお会い出来ない旨をうまくお伝え頂きたいのですが」

『ふむ唐突だな、どうしたんだ命令違反でもしたのか?』

「・・・お父様、私がそんなに命令違反すると思っているんですか?」

『いや私とペトラの娘だから・・・』

「・・・・・・ご自覚があるのでしたら改善して下さい」

『無理だな』

即答で返されました、時間にしてコンマ2秒

『まあそれはさて置きこちらも手回しはしておく、気になるようだったら異動の件も調べておくが?』

「念のために御願いしておきます、それで・・・予想できますがアレの進捗はあまりないのでしょう?」

『まったくもって前途多難なモノを置いていったくせに何を言う、アレの所為でコッチは四苦八苦しているというのに』

「ごめんなさいお父様アレはどうしても必要なのです・・・どんなに遅くても後2年半で何とかならないでしょうか?」

アレは私のチートな頭脳でも再現不可能な代物で、現在極秘裏に進められてますが17%くらいでしょうか・・・

『娘の頼みとしては叶えてやりたいが・・・実際問題としては後5年以上立っても何とかなるか分からんな』

「・・・こちらで集めた資料をお送りします、私も必要に応じて休暇も申請してでも」

『無理はするなヘンシェル、後2年半でなんて期間に拘る必要性はないんだから』

「いいえお父様・・・今はお話し出来ませんが必ず必要になるものなのです」

たとえ家族とはいえ未来の出来事を話すわけにはいきませんが、家族に秘密は作るのは心苦しいです

『はぁ~・・・昔から秘密主義なのは変わらないな、アレを正しく使ってくれると私は信じているから何も言わないけど』

「信じて下さってありがとうございますお父様・・・」

『子供のことを信じない親はいないさ、他に何かあるかい?』

「いえ今のとこはありませんね、では・・・お元気でお父様」

『ああ元気でやれよヘンシェル!』

お父様との電話の後すぐさま資料のデータをダミーデータと共に送信する、念には念を入れての対策です

送信完了を確認する前にベッドに制服のまま仰向けに寝転んで先ほどの会話の中に出てきたアレの状況を考えます

「(現状の計画のままでは完成しないで終わってしまう、かと言って未完もしく代用は無理でしょうね・・・現在の進捗17%として2年半後に予測が45~50%、実践に耐えうる仕様には程遠い)・・・本当にままなりませんね」

理想は遥か遠く・・・




新西暦185年7月1日
ペトロパブロフスク・カムチャッキー基地

「・・・・・・」

辞令を頂いたのが2週間前、伊豆基地からペトロパブロ・・・長いのでカムチャッキー基地に付きました

地図で見ると近いのですが、心情的に遥か遠く感じます


「はぁ~・・・」

ココに付いて何度目かのため息をはきます

辞令を受けた以上は命令に従うしかないのですが、日本に帰りたいです

転生しても前世が日本人なので日本文化が染み付いていました、生まれはドイツですけど心は日本に帰りたい

伊豆基地で新設されるPT部隊の隊員として訓練始めた直後に辞令で異動されるなんて思ってもいませんでした

軍人として任務に従事して7年間、命令違反は1回だけですしそれも5年以上前のことです

全く異動の理由が分かりません、あのまま伊豆基地にいられればハガネに配属される機会もあったかもしれません残念無念過ぎです

この2週間の間に異動の理由を私なり考えましたが・・・


イングラム・プリスケン・・・は無いですねまだ連邦に入ってすらいませんし

カール・シュトレーゼマン・・・はアーチボルドを使ってエルピス事件を引き起こしていまし私は事件に介入しました、極東支部の司令に知られるとまずいとかの理由で遠ざけたのでしょうか?もしそうだったら復sy・・・コホン、HANASHIしに行きたいですね~

ドルニエ社が何かやらかしたか・・・ドルニエ社は私の母が社長をしている会社で軍のトライアルに新型の試作機と次期主力機候補機を提出いるのでその関係での異動、極まれにその関係で任務をさせられた経験があるのですが異動させられることはないと思います

最後に考えたくありませんが過去の命令違反が響いた可能性、命令違反をして民間人を救助しただけですこれで異動になったのでしたら軍なんて辞めてやります




・・・考えても結局『可能性』でしかないですね、確たる証拠も何もないですし

さっさと基地司令に挨拶して試作機の受領を済ませて休みたいです


・・・・・・・・・・・・


・・・・・・


・・・


司令に異動の挨拶を済ませて試作機を受領するために格納庫を訪れましたけど・・・


「嘘だと言って下さいバーニィ・・・」

受領する予定の試作機の前でorzしてます

「・・・中尉とりあえず受領しに行って下さい、あと私の名前はバーニィではありませんバイソンです」

イカツイ顔の整備兵バイソンさんに嗜まれた気がするが私は・立ち直れるまで・orzすることを・止めない・・・

「何でよりにもよって極秘開発計画で設計したコイツを送ってくるんですかぁ・・・極秘の意味ないじゃないですか馬鹿なのですかぁ」

私は目の前の機体を見上げます、見上げてまたorzになりました

ダークグレイの重厚なボディ、赤く鋭い眼光のツインカメラ、頭部より巨大な肩部、くびれた形状の腰部、在るだけで周囲を圧倒的存在感・・・

全長51.4m 重量253.0t 開発コード【DMX-01 永劫(アイオーン)】


すみませんごめんなさい無茶苦茶なのものを開発したのは分かっております・・・

Deus Machina typeX-01、私が企画立案設計した【機神胎動計画】の一機アイオーンです

機神咆吼、機神飛翔で登場した鬼戒神(デウス・マキナ)を再現する計画を立案して設計までしましたが、動力や装甲材質は当然の如く無理でしたのでこの世界の技術ベースで開発された機体です


今となってはこんなものをこの世界で作ったことに激しく後悔しております・・・マイ(レビ)とマイヤーさんとノイ・レジセイアに邪神化フラグが立たない事を信じてもいない神に祈る毎日です


「・・・嫌な予感しかしませんが受領しないと」

誰が軍に提出したかはある程度予想は付き正直今の気分のまま顔を合わせたら止めをさされかねないのですが、受領しに行かなければ話は前に進まないので行くしかありません・・・




そして予想通りいました、見た目20代前半でプラチナブロンドをツインテールにした青い瞳でツリ目の女性

「やはりお母様でしたか・・・」

「・・・その反応ツマラナイわ」

第一声がそれですか!っとツッコミたい衝動に駆られますが抑えなければ・・・久しぶりに会った娘への対応とは思えません、私が子供の頃から変わらない外見が20年以上経った今でも謎です

「私の反応などどうでもイイのですが、それよりも何故アイオーンを試作機として軍に提出したのですか?」

お母様のことよりもアイオーンの方が気になります、極秘開発計画のX-02の1号機と2号機、X-03の基本ベースとなる機体としての役割がある以上は迂闊に露見させるわけにはいかない

にも拘らずお母様が直接アイオーンと共に出向いてくるなんて、どのような意図があるのでしょうか

「あ~どうせ格納庫の奥にしまって置くよりも実際に戦闘で動かした方が生のデータ収集出来るし改良の為の具体的なアイデアも出そうだからいいでしょう」

「それはそうなのでしょうけど・・・02と03の機密保持のためになるべくは会社の実験場でテストして欲しいのですが」

「それにねそれにねぇ!テスラドライブ搭載と動力の変更の目途も立ってイイ事だらけなんだよ!」

子供のようにまくしたてるお母様の言葉の中に気になる単語があった気がします

「テスラドライブ搭載なんて・・・一体どうしたんですか?」

「・・・ちょっとしたツテを使ったのよー」

目線を逸らして言っても説得力ありませんし昔からお母様が嘘を付く時か隠し事がある時の癖なのは分かりきってます

「お母様・・・今度は何をしたんですかぁ?」

「ふえぇ!? な、なななな何のことかなー?」

あくまで白を通すつもりの様子を察するに渡し絡みでの内容だと推測します、私の制服着て学校行った前科がある以上何をやったのか知らなくては

「隠し通そうとしても無駄ですよお母様、早く吐いて楽にならないと~私はお母様が起こした過去の色々をお父様に報告してしまいますよ~」

「ええええええええええええ!? ダメダメ絶対にダメだからイヴァンには言わないでよー!!」

過去の色々な罪状と言うカードがある以上はお母様の無力化など容易いものです、そしてお母様の半泣きの表情も嗜虐心をそそる・・・やり過ぎない程度に

「それではテスラドライブの件をお話下さいお母様、そうすればお父様への報告は止めておきますから~」

「うぅ・・・イヴァンには言わないって約束してくれるなら言うよぉ」

お母様の上目遣いしながらの御願いでは・・・聞くしかありませんね!

「はいお父様には報告はしません約束致しますよ!」

「ヘンシェルありがと~! それでその~テスラドライブの件なんだけど・・・ビアン博士の協力なの」

「・・・・・・ぇえ?」

今何て言いいました?ビアン博士の協力?ちょっと待ってください?

「いや~ヘンシェルがビアン博士の研究に興味があって何度もメールしてたの知ってたからね~テスラドライブを試作機に搭載したいのですが~ってメール出してみたら『面白そうだから協力しよう』って返信が来てね、3月にシュウ・シラカワ博士と一緒に来てくれてアイオーンの問題点とか色々話してたなら動力に装甲、それから特機に使われてるTGCジョイントまで提供してくれるってことになったの!」

「・・・オワタ、私ノ運命オワタ」

偽装施してないメールで機密文章のやり取り・・・しかもビアン博士・・・さらにシュウ・シラカワ出てきた・・・しかも提供してくれる技術が問題すぎる・・・これって私DCフラグですか?

orzするだけの気力なんてない、地面にうつ伏せに倒れまして現在絶賛絶望中です

「えっと・・・ヘンシェル体調悪いの?」

お母様・・・絶望を作り出した原因が何を言っているのでしょうか・・・顔だけでも向けてお話をしましょう

「・・・モウ最低最悪ナ気分デスオ母様、最後ニ新型動力ト装甲ノ詳細ヲ教エテ下サイ聞イタラ未練ナク逝ケル気ガシマス」

「何言ってんのヘンシェル~私より先に死ぬ気なんてないんでしょ~それで動力はたしか~核融合ジェネレータだったかな~装甲は超抗力チタニウムのサンプル貰ったから生産して装甲への転用は11月の予定なんだ~!」

「・・・・・・・・・私ノ生涯、悔イダラケデス」

もう何も聞こえません聞きたくありませんお兄様お助け下さい・・・そして先立つ不幸をお許し下さい

「だからねこんなにアイオーンをイイ機体にして貰ってるのに本社のテストパイロットじゃ100%の性能出せないなんてことになりそうだったんだよ、だから連邦軍の試作機として提出してデータの収集することにしたんだ! ヘンシェルが異動しちゃったのも伊豆基地で他の計画の邪魔とかスパイとかを考えてなるべく近いカムチャッキー基地でデータ収集を依頼したんだ~!」

最後に聞こえた単語が私に止めを刺しました・・・

(オ母様ノセイデ私ハ日本ヲ離レル羽目ニナッタ挙句・・・DCふらぐラシキモノガ立ッタ可能性ガ・・・サヨウナラカモシレマセンオ兄様ァ・・・)

その思考を最後に私の意識はブラックアウトしていきました




新西暦185年7月3日
日本 某所

「ん?何だコレ?」

一人の青年宅に郵便として届いた小包、あて先は青年の家の住所が書いてあるが差出人は何も書かれていない

「間違いって訳じゃないんだけど気味悪いなコレ・・・」

変なものだが一応中身を確認するため内容を確認してみると『ゲーム』と書かれている

「何かの懸賞に応募した記憶は無いんだけど・・・何のゲームだ?」

ゲームという内容に惹かれ梱包を剥がして中身を出してみる

「うお!ロボットゲームかコレ!?」

青年の手には渡ったゲーム『機神咆吼デモンベイン』、とある人物が日本を離れる際に蒔いた種の一つである








今回はオリキャラ多数出してしまいました

とある青年に『魔を断つ剣』をプレイさせてみました~



[19821] 『第三話 様々な思惑をブッチ切るトンデモキ○ガイが現れた』
Name: セプテム◆729e20ad ID:12065124
Date: 2010/07/03 02:32
新西暦166年12月7日
ドイツ ドルニエ家

「ヘンシェルちゃんお誕生日おめでとう」

ゼンガーお兄様が私の誕生への祝福を告げる、本日は私がこの世界に誕生した記念すべき日

私がこの世界に生まれて6年目にしてお兄様と迎える初めての誕生日、家族が蚊帳の外に陥りそうですがそこは気にしないでスルーの方向性です

「喜んでくれるか分からないけど・・・誕生日プレゼント選んでみたんだ」

お兄様からのプレゼント――それだけで特別です宝です至高です家宝にしてもいいくらいです、私のものですが

「ヘンシェルちゃんの髪に似合うと思ってコレにしたんだ」

そっと取り出されたプレゼント――

お兄様の少し照れたような笑顔、だけど私はお兄様の手元にあるプレゼントによりきっと引きつった笑みを浮かべているでしょう・・・

それは一輪の花飾りが付いたの簪(かんざし)でした




新西暦185年7月2日
ペトロパブロフスク・カムチャッキー基地

「う・・・う~ん」

意識が覚醒する、もっと寝ていたいのですが起きないといけない気がします

「私・・・何故医務室で眠っているのでしょう?」

室内の電気は消されていますが医務室独特の消毒液や薬品の匂いで判断できます、Dコンを取り出して現在の時刻を確認する、既に日付が変わっており私以外に医務室には人の気配はしません

寝汗でもかいたのか髪が額に張り付いていて気持ちが悪い、張り付いた黒髪をどかしハンカチで額を拭う

この髪・・・前世と同じく黒髪、転生したのに同じ髪の色、両親の髪の色とも違う黒髪、まるで日本人のような艶やかな漆黒の髪

お母様のプラチナブロンドとお父様のアッシュグレイとも違う、両親曰く曾祖父が日系ハーフだったようで隔世遺伝らしい

転生しても黒髪になり、両親とも妹と弟とも違う色の所為で本当に両親の子供なのか一時期本気で悩みました

お兄様にプレゼントとして頂いたかんざしを挿してポニーテールにしていますが何度この髪を染めようかと思ったことか・・・

(部屋に戻るべきかこのままココで寝てしまうべきか・・・)

一瞬だけ迷いましたが異動して新しい部屋になり持ってきた荷物は整理していません、戻るのが面倒なのではありませんがココで一睡してしまうほうが部屋へ行く手間が省けるのでココで寝ましょう


(・・・目が覚めたばかりで眠れる気はしません)

最後に記憶に残っている光景、母に・・・思い出すのを止しましょう、あれから8時間以上経過している

ベッドで寝ているのもヒマなのでDコンでも使って・・・


Pi――――・・・・・


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

素晴らしく最悪なタイミングで電池切れですか・・・そういえば飛行機内で使った後充電してませんでした・・・

仕方が無いので外で夜風にでも当たって来ましょう、医務室でヒマなど潰せませんし

ベッドから降りて医務室のドアを開けようとした時肌寒さを感じる、そこで自身がコートを羽織っていないことを思い出しました

「あぅ~肌寒いと思ったら・・・」

季節は7月・・・北海道よりも北に位置するカムチャッキー基地の7月の平均気温14℃、肌寒くてコートが手放せません

それ以上に私が極度の冷え性で低血圧の所為で年中コートが手放せない、真冬は重防寒装備で無ければ死んでしまう可能性もあります・・・

そしてこのコートは180cm近い身長の私用の特注品で対弾、対刃、保温性に優れた真っ黒なロングコートで足首まで長さがありコレ一着あれば冬も何とか(屋内のみ)乗り切れるので着込む許可を申請をし一応通りました

腰まで届く黒髪のポニーテール、お母様と同じようなツリ目で瞳は黒、年中寒くて羽織っている真っ黒なコートと180近い高身長とバスト85による威圧感、支給される拳銃とは別に所持している二丁の装飾が施されたマテバとモーゼル、帯刀許可を貰って腰に下げているバルザイの偃月刀、肩から吊るしているブックホルダーに収まったアラベスク模様の本・・・こんな格好をしているので軍では私のことを『魔女』って呼んでいる人が結構います、自覚があるのと実際に『魔女』なんで別に気にしてません

極め付けに顔・・・とある魔術結社を壊滅させたり邪神から世界を救ったり最も新しき神になっちゃったり古本娘と××××して子供作っちゃったり反抗期でグレた子供に付け込んだ邪神を倒したりしたりしたあのロリコンペドフィリ極貧探偵に似ていたりします、簡単に言ってしまえば大十字九郎似です







風にでも当たってこよう・・・・・・

そうして私は医務室をあとにした、ロリコンペドフィリ探偵の顔がサムズアップしている姿と幻覚と【こんにちは同士よ!】とか言っている幻聴が聞こえた気がしてテンションが激しく急降下しました・・・








新西暦185年7月3日
アイドネウス島

「ふふふ・・・ドルニエ社などが人型機動兵器を開発していたなどとは」

「ビアン総帥よろしかったのですか技術提供など?」

「良いのだ地球圏防衛のための剣と意思が私のあずかり知らぬ所で出来ていただけなのだから」

「ですが、彼女から聞いた話によりますと10年以上前から開発が開始されていた機体・・・裏があるのでは?」

「私よりも早く脅威に気付いたか・・・もしくは何らかの別の目的で開発をしていたかは知らんが対応した彼女の態度には怪しさは感じはしなかったな、それにシラカワ博士も興味を示したからこそグランゾンの装甲に使用している超抗力チタニウムを提供したのではないか」

「私は私なりの興味がありましたからね、あのアイオーンという機体に・・・」

「ふふふ・・・マオ社やイスルギ重工よりも侮りがたいかもしれんな」

「ヘンシェル・C・ドルニエ・・・直接お会いするのが楽しみですね(何せラ・ギアスの技術とは別物の魔術的要素を含んでいた機体、興味が尽きませんね)」







新西暦185年7月3日
ペトロパブロフスク・カムチャッキー基地

「失礼します! ヘンシェル・C・ドルニエ中尉であります試作機のデータ収集特務遂行のため――」

「いいよ~ココには身内しかいないんだし~軍隊式の挨拶なんてしなくても~」

「あの、お母様・・・私は軍人で特務を行う以上は軍人として・・・などと言っても無意味なんですよね・・・」

ぼふ

軽い衝撃を後の腰辺りから受ける、誰かが近づいて来ていたのは分かっていたが敵意も殺意も無かったので無視していた

何かと思い上半身を捻って後ろへ確認すると――

「おかーさ~~ん!」

その一言と相手の姿を確認した、綺麗な銀髪に金と紫のオッドアイ、特注サイズと思われるドルニエ社技術部門の灰色の制服を着た幼女

「!?!? なななななななな!?」

「おかーさんあいたかったー!」

「ふふふ・・・ようやく驚いた顔を拝むことが出来たわぁ!」

「なななななななな何で・・・何でルルがいるんですか!?」

私の娘のルル、本名ルルイエ・C・ドルニエは正確には私が養子として引き取った子、魔導書ではないけどルルイエ異本の精霊の姿と服以外は寸分違わない容姿をしている

「貴女の娘でしょう~いつも会えないんだから偶には合わせて上げないとね~」

「わ、わわ私だって会いたいのですが・・・それでも軍の規則的に部外者の立ち入りには厳しい制限が――」

ルルを養子に取ってから構ってあげる時間が休暇の時だけなので寂しい思いをさせてるのは理解しています、お母様に頼ってしまっている私は親失格なのでしょう

「おかーさんだっこ~~!」

ルルが私を親と認めてくれるならそれに応えるのが親の務めです、母として愛状を込めて抱き上げて抱きしめてあげます

「私はおばーちゃんだも~ん! 孫のお願いを聞いてあげるのがおば~ちゃんだも~ん! 孫がお母さんに会いたいってお願いなら無理を通して道理は無視するも~ん!」

おば~ちゃんと連呼してますが見た目20代前半の金髪ツインテールの女性がそんなことを言っても説得力の欠片もありません、と言うかむしろ本当に50代間近なのでしょうかこの人? もしかして魔術師だったりして若返ってるのですか?

「試験期間の中は基地内に入れる許可ももぎ取ったから~安心してルルと一緒に過ごせるよ~♪」

まさか今回の異動もルルと一緒の時間を過ごせるようにとお母様が配慮してくれた可能性もありますが、半分くらいは私の驚く顔が見たかっただけのような気がします

「おかーさんといっしょ~♪」

「ルルと一緒ですよ~♪」

まあお母様のおかげでルルと一緒に入れるなら、一緒にいるときは精一杯愛情を注いで上げて親をするまでです!

この日から私は基地内でルル連れて行動することが多くなり周囲から生暖かい目で見られるようになりました、そして『魔女』から『子連れ魔女』に変化しているのを後に知ることになります


新西暦185年7月4日
ペトロパブロフスク・カムチャッキー基地

「聞きたいことですか?」

アイオーンのテスト前のブリーフィングでお母様が突然質問を投じる

「前から聞きたかったんだけどX-04・・・破棄の準備し終わったけど、何で造っておいて破棄するの?」

X-04・・・紅い鬼械神、血濡れの鬼械神、聖書に記される666の獣の鬼械神、魔を断つ剣の宿敵だった鬼械神

「X-04・・・いえ『リベルレギス』は計画そのものが間違いだったのです」

実際に建造計画は順調に進んでいた、だが――

「そうなの? 設計にも開発計画にも問題なさそうだったけど・・・X-02と同じくらいの進捗だったとはいえ破棄するのは勿体なかったと思うんだけど」

「忌むべきもの・・・とだけ申し上げておきます、第3極秘格納庫も封鎖すべきでしょう」

容になるにしたがいリベルレギスから不穏な気配が漂うようになり始めた、瘴気と呼ばれるものがリベルレギスから放たれ始めたのです

「そっか~私も少し気味の悪い機体だと思ってたけど何かあったんだね・・・実際ね第3極秘格納庫は立ち入り禁止区画になっちゃってるし」

何か良くないことが起きる前に破棄しようと決めたのは半年前、自ら造っておいて自らの都合で破棄するのはあまり気分の乗らないが災厄の芽は摘んでおくべきです

第3極秘格納庫が立ち入り禁止区画になるほど汚染濃度が広がっているとなると早急に手を講じなければなりませ――




その時




突然の




ギターを掻き鳴らす音と共に



・・
ソレは現れた




「我輩はドォクタアアアアァァァァ・ああああぁぁんざああああああぁぁぁいぃっ!! さあさあペチャ基地の兵士の諸君へ敬意を込めて我輩のことを世紀の大・天・才!ドクター・安西と呼ぶがいいというかむしろ呼びやがれであぁーる! 我輩がこの基地に配備されたと風と人と天と地と天空なんたら拳の継承者に聞いたかもしれないアイオーンだったかアイスノンだったかが火照った額にとっても気持ちが良てウトウトしていたら朝日が昇っていた今何時と僕の隣で目覚めた君に囁くように問いかける・・・アイスノンはドコであるか?」




全ての真剣な空気を吹き飛ばすキ○ガイが現れた!




「コンビにでも行って来おぉい~ッ!」

ごすっ

「ごぎゃはぁー!? エ、エリザベス・・・レ、レンチは殴るものではないのであるレンチは破壊ロボを造る時に必要な工具である・・・我輩でなければ即死、凡人は良くて脳挫傷、悪ければ記憶喪失で主人公補正なんかが掛かってしまい不幸のどん底に落ちながらもヒロインと中睦まじく恋のラブコメディ! BADエンディングではヤンデレに堕ちた昔の彼女に殺されてしまうのである! あ~悲劇かな・・・あの時何故彼女を選ばなかったのかと苦悩のうちに死んでしまう主人公なのであった!」

「どっちにしろ死ぬし片方かなり不幸な結末になってるし~というか博士は人類と私とロボットと地球のために早急に死ねばいいと思ったりする~!」

「コ、コレが愛なのであるなー愛とは辛く苦く甘美に酔いしれてこそ燃えるもの、燃え上がりすぎて重度の火傷を負ってしまうっても後悔は先に経たずそこへ容赦なく襲い掛かる地獄の使者!立てよ我輩、勇気と皆の祈りとちょっとひたむきに頑張る思いを胸に抱いて我輩は特攻をかける――」


エレキギターを掻き鳴らすマッチョで白衣で長身の青髪でアホ毛がチャームポイントのキ○ガイ男と、ドルニエ社警備部門の制服を改造して着込み腰の金属製トンファーを手に構えて博士と呼んだキ○ガイ男を殴り打ち上げて空中コンボを華麗に極めている金髪の少女


虫の息になりかけなキ○ガイの男――安西たくみ、かの有名なLTR機構の安西真博士のご子息にして安西エリの兄にあたる人物だったはずです・・・

空中コンボから地上に叩きつけて安西をフルボッコにしている少女――エリザベス・V・ブランシュタイン、こちらも有名な軍門の家系ブランシュタイン家の末女でライディースの妹だったと思います・・・

いわゆるDr.ウェストとエルザに似たと言うかむしろそのものだとしか思えない二人(髪の色違い)

「何であの二人連れてきたんですか・・・?」

「・・・優秀だから?」

「疑問系で返さないで下さい・・・優秀なのは知ってますそれ以上に頭のネジが何本も吹き飛んでいるのも知ってます・・・連れてくるメリットとよりもデメリットが大きすぎて始終面倒事を引き起こして始末書と請求書と謝罪をしなければいけなかった思い出しかありません・・・」


何でスカウトしちゃったんだろう・・・


「いやぁね~・・・私が本社から離れる時にあの二人置いていったら・・・X-02とX-03に何されているか心配というか実際に何かしようとしていた動きがみられたから連れてくるしかなかったんだ・・・」

その光景が簡単に想像出来る、そしてドラム缶ロボットにされるのは目にみえている・・・

「いえ・・・・・・正しい判断だと思いますお母様」

「そう言って貰えるとありがたいけど・・・あれどうしよう?」

意識して見ないようにしていたのですがそろそろどうにかしないといけませでしょうか・・・




あのあとエリザベスを止めなければ安西博士は死んでいたかもしれません、が直ぐに復活したりしていたので再開させてあげました、汚い悲鳴が聞こえた気がしますが気のせいです

当初の予定通りアイオーンのテスト、新規に採取するデータは動力と装甲、間接の交換後に再度行うテストとの検証用に取るものだが実際は過去に取ったデータを使えばいい

今回のテストは私が久しぶりにアイオーンに搭乗する慣らしでしかない

思えばこの機体の開発に安西・・・略称:西が事あるごとに謎のパーツやドリルを追加しようとする所為で本来の開発計画が遅延する事態に陥ってしまった

一日遅れる度に西にバルザイの偃月刀で斬り付け、謎のパーツを取り付けようとするたびクトゥグアとイタカァを撃ち込んでドリルを追加しろという言葉に対して徹底的にエリザベスと共に空中コンボを極めたのを思い出しました・・・







余計な考えは一旦放置して今はアイオーンに集中しなければ・・・そうしないと怒りがぶり返して来そうです

武装は右手に持っているバルザイの偃月刀と腰にマウントされいる二丁の拳銃、増設されたバックパックにバルザイの偃月刀型のスラッシュリッパー、あとは射出可能な状態で格納庫にセッティングされている対物狙撃砲(アンチマテリアルライフル)

『それじゃあ特務ってことだから始めようか、久しぶりだからってアイオーンに振り回されないでね~テスト開始だよ~』

通信機越しにお母様から開始の合図が出される、機体状態は良好、問題は無く心身ともにベストコンディション

「――永劫(アイオーン)! 時の歯車 断罪(さばき)の刃 久遠の果てより来たる虚無

 ――永劫(アイオーン)! 汝(なれ)より逃れ得るものはなく 汝(な)が触れしものは死すらも死せん!」

《認証・・・マスター・ヘンシェルと確認しました》

電子音声が認証確認を告げる、この子は学習型人工知能搭載制御インターフェイス『アル=アジフ』ver.1.5、本体は百科事典サイズで持ち運び可能な仕様になっており概観は金銀アラベスク模様を施した黒檀装丁の魔導書『ネクロノミコン』をモチーフにしている、一応の簡単な会話のやり取りも可能

2年前に大まかに基礎が完成してから学習させ続けているが柔軟な思考には程遠く、私がアイオーンに搭乗する際に機体の制御システムとして機能している

「さあ~て久しぶりに始めるわよアル!」

《了解しました・・・》








新西暦185年7月4日
ドイツ ドルニエ社地下第5極秘格納庫

そこには開発途中の人型がハンガーに吊るされていた、10年前から建造され開発され続け今尚完成の目途が立っていない


動力も装甲もOSも兵装も未完成、今は仮初めの動力(しんぞう)を入れ仮初めの装甲(よろい)を纏い、仮初めのOS(いし)を持たされ仮初めの刃鋼(はがね)


それを構成するのは仮初め、刃鋼の仮初め、無垢なる意思を模範した仮初め、世界を知らない仮初め、仮初めの模造品。だがこの世界に生まれた鋼の意思を体現するもの、機械仕掛けの神の模造品をさらに模造した粗悪品かもしれないがこの世界で唯一無二の魔を断つ剣


不意に主電源の落とされている機体に火が灯る、誰かが起動したわけでは無い深夜の無人となった格納庫には人などいるはずも無い、にも関わらず起動し鋼の眼(まなこ)を見開いた


その眸(ひとみ)はココではない何処かを見据えているのか、無機質なその双眸が何を求め、仮初めの意思は何を望むのか




I’m innocent rage.




I’m innocent hatred.




I’m innocent sword.




I’m ―――――――――.








新西暦185年7月4日
テスラライヒ研究所

「――ん?」


誰かに呼ばれたような気がしたが周りを見回しても誰もいるはずが無いこの部屋は私専用の研究スペース、私以外は誰もいないから誰かが私を呼ぶはずも無い


「・・・・・・」


だけど気になる

呼ばれた気がするだけなのに胸がザワつく、私を待っている誰かの切実なる叫びを、“気のせい”と切り捨てることが出来ないくらい


「・・・気のせい・・・気のせいよ、何でもないのただの気のせい」


自らに言い聞かせるように呟く、気のせいにしたいが為なのだが彼女、キアラ・ジューリオはこの“気のせい”がこれから先“刃鋼に出会う”まで続くとは知らず








新西暦185年7月5日
日本 某所

「・・・熱い熱過ぎるぜ!」

ロボットゲームなのにアクションも何も無いノベライズゲームに絶望したのはすでに過去、進めていくにしたがいテンションが際限無く上がっていき気付けばクリアをしていた

「この感動と興奮を誰かに伝えたい・・・郵便で送られてくるまでこの超大作に出会えていなかった自分が不甲斐無い!」

このゲーム新西暦180年には発売されていたらしくネットでの評価も賛否両論ながら極めて良作と書かれていた

「・・・次の機神飛翔デモンベインもプレイしなければ!」

機神飛翔デモンベイン、2年前に発売された機神咆吼の正式な続編として発売され前作のコアなファンから新規のファンまでデモンベインの熱い展開に昇華させられた

こちらの評価は前作の評価を上回る評価をされており前作ではノベライズのみだったが今作では鬼械神vs鬼械神の戦闘を実際にプレイ可能にされており、登場する鬼械神全て操作可能な3Dロボットアクションゲームになっている

ちなみに発売元はニトロ+となっているが親会社がドルニエ社だというのは殆ど知られていない、ヘンシェルはこの世界でさり気なくデモベ信者を増やそうと仮作しニトロ+を設立したのである

「リュウセイ君ーおばさんのお見舞い・・・どうしたの?」

「! っと、もうそんな時間だったのか・・・お袋のお見舞いのあと買いに行ってみるか」


とある青年、デモンベインに魅せられる








【舞台裏】~思い付き遊戯、博士への供物~








私は名案を思いついた、うまくいけば厄介ごとを2つ同時に片付けられるかもしれない名案を――




「西博士ちょっといいでしょうか?」

「何であるか? 我輩暇そうに見えて実際のところ暇である! 改造でも何でも我輩に任せるのであ~る!」

「なら~X-01とX-02、とX-03に魔改造しないと誓うならイイ暇つぶしを上げましょう~」

凄く何か企んでる笑顔です

「ほぅ珍しいであるなヘンシェル・ドルニエ直々にとは・・・よかろう誓ってやってもよいのである、それで暇つぶしとは何なのであるか?」

「ふふふ・・・建造途中で開発計画凍結し現在完全廃棄予定のX-04『リベルレギス』を好きなように、それこそ博士の望むがままに改造でも何でもやらせて上げます」


【何んだと!?】

【ええええ!?】


「ふおおおおおおおおおおぉ!? 本当であるか嘘でないあるか我輩と我輩の信じるドリルに誓って真実なのであるな!?」

「博士には誓うのはイヤなので私に誓って本当だから落ち着いてください、まあ特務が終了してからになるのだけどその間に改造プランでも練っていて下さい」

「げひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ! 遂にあの計画機と我輩の大・天・才たる頭脳の結晶が融合し究極の破壊ロボが誕生するときが来たのである!!」


【クッ!? ■■■■このままではあの世界の依代(よりしろ)たるリベルレギスが!?】

【慌てるな■■■■■■■まだドクターが何かしでかすには時間がある!】


「それとも今から戻って改造しますか、代理の人はお母様に選出してもらいますが?」


【何ぃ!? 待てっ!? 止せっ!? 早まるなーーっ!?】

【に、にににに逃げてリベルレギスッ!?】


「否、否であーる!! 我輩仕事を途中で投げ出すほど落ちぶれてないのである!!」


【! ドクター・・・!!】

【そのまま思い止まって!!】


「そうですか・・・(ルルのためにも視覚的にも精神的にもなるべく遠ざけておきたかったのですけど)」

「なのでこの仕事が終わったら存分に我輩色に染め上げて魅せるのであーる!」


【■■■■■■■・・・僕達はあの世界に行ったらドリルを装備したドラム缶型リベルレギスに乗ることになるのかな・・・は、はは、はははははははははは(乾ききった笑い)】

【■■■■? ■■■■!? ■■■■ーーーーーー!?!?】


「計画するのはイイのですが費用はそんなに出せませんので、本来の計画に既に割り当ててしまっているので・・・」

「ふん! 我輩に係ればコストの削減など破壊ロボを製作していた頃に経験済みよ! つまり初めてではないのである、あれ~ソレって処女じゃないし経験済みってことは我輩は淫売ビッチ野郎なのであるなーー!? 何たること純真無垢で天真爛漫たる我輩が使い回された穢れ――」

「とりあえず煩くて鬱陶しくて卑猥なことをほざいてる博士は死んだほうがいいーーーー!!」

「ごぎゃあああああああああー!?」


【ナイスですエルザ・・・もといエリザベス!!】


「何かしようとするのは勝手ですがまずロボットに謝れ」

「エリス・・・もう博士聞こえてませんよ」

「あれー?」


【そうだエルザ・・・もといエリザベス! そのままドクターがリベルレギスに何もしない様にしてしまえ!!】

【■■■■! 希望が・・・希望が出てきました!!】


「オーナー・・・博士は結局何しようとしてたんですか?」

「あー開発計画凍結して破棄予定の機体を博士の望むように改造なり何なりさせてあげようと思って・・・そしていつもの様に暴走です」

「そうだったんですかーまあオーナー直々の内容なので博士の好きにさせておきましょー、煩かったり鬱陶しかったり邪魔だったり目の前にいたりしたらとりあえず殴っておきますねー!」


【オイー!? むしろ拘束して何もしないようにしておけー!!】

【まずいまずいまずいまずい!? リベルレギスがリベルレギスがーー!?!?】


「じゃあ博士のことは任せてますのでお願いしますね」

「任されたー」


【■■■■■■■・・・早急にあの世界へ逝かなければ! リベルレギスがドクターの手によって無残な姿になってしまう前に!!】

【Yes ■■■■! リベルレギス待っていて、すぐに助けに行くから・・・!!】








ヘンシェル仮作しまくりです、自重は前世に置き忘れました

とある青年、魔を断つ剣の続編をお買い求め~

舞台裏は違った意味で混沌が支配している


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