若松海上保安部(北九州市若松区)は2日、40代の巡視艇の男性乗組員が、パチンコ店駐車場で車内荒らしに遭い、ノートパソコン1台とUSBメモリー2本、夏用の制服1組を紛失したと発表した。パソコンには、少なくとも事件捜査に関するデータ311件と、捜査対象者の氏名や住所などの個人情報87人分を保存していたという。
同海保によると、パソコンは2001年に乗組員が私用で購入したものを、08年3月まで業務用として使用。その後も業務上のデータを保存したまま勤務先に携帯していたという。
乗組員は1日夕、勤務を終え、北九州市小倉北区内のパチンコ店に立ち寄った約2時間の間に被害に遭い、小倉北署に通報。同署は乗用車の助手席側の鍵穴が変形していることから、窃盗事件とみて捜査している。
海上保安庁の規定では、業務上知り得た情報を外部に持ち出すことを禁止しており、同海保は処分を検討中。
同保安部の中村重年次長は「国民の信頼を損ねる結果になり深くおわびする。情報管理を徹底し再発防止に努めたい」と話している。
=2010/07/03付 西日本新聞朝刊=