2010年07月03日

読書端末としてのキンドルとiPad

iPad とキンドルの比較は、いろんな人がいろんな所で書いている。だから、今更新発見があるはずもない。でも、実際に両方を使い比べてみて、本好きの視点から「本を読む」という目的に絞って、比較してみた。


【バッテリー駆動時間】

キンドルは、ページをめくる時と通信するときくらいしか電力を消費しないので、結構バッテリーの持ちがいい。通信はそんなに頻繁に使うわけではないので、普段オフにしてあるが、そうすると1週間くらい充電しなくても問題ない。もっとも、キンドルを入手した当初は、様子がわからなかったので、通信機能を常にオンにしておいた。用もないのに、アップデート情報を頻繁に確認しに行っているらしく、結構バッテリーの消費も早かった。

一方、iPadはみるみるうちにバッテリーが減っていく。10〜20分くらい操作しているだけで、数パーセントくらいすぐ減る。通信機能を切っておいても、減り方にあまり変わりはない。ヘビーユーザだったら、毎日充電する必要があるだろう。


【重さと形状】

私のキンドル端末はKindle2だ。キンドルの小さい方だが、重量は289gだ。大きさは、ちょうどセルDVDのケースと同じくらいで、もうちょっと薄い。この大きさと重さだと、持ち歩くのにそれほど苦にならない。寝転がって読んだり、電車の中で出しても、それほど違和感はない。

一方、私が使っているiPadは3Gモデルだが、730gある。大きさは、週刊誌とほぼ同じだが、週刊誌より縦が短くて、幅がちょっとある。この大きさだと、電車の中で出すにはちょっと勇気がいる。

いずれの端末も、ペラッとしていて手で掴んでいるほかはない。転落防止用にストラップでも取り付けたいところだが、それ用の穴もない。キンドルは専用のカバーを固定するためのスリットがついているが、特殊な規格なので簡単にストラップや取っ手をつけるわけにもいかない。


【ディスプレイ】

キンドルは、そもそも読書専用端末として開発されただけあって、本を読むことに主眼が置いてある。あえてEinkを採用したのも、読書をメインにしているからだろう。EInkは、以前にもちょっと書いたが、目には優しい。自分じゃ光らないので、暗い場所では読めない。

キンドルも、縦持ちと横持ちにあわせて表示を切り替えることはできるが、Kindle 2は手動でやる必要がある(Kindle DXは自動切り替え)。だが、Kindle 2は端末が小さいので、切り替える必要に迫られたことはまだない。

iPadには、iBookとキンドルアプリを入れてみたが、どちらもカラーの表示が美しい。フォントも綺麗だし、キンドルよりくっきりしている。自分で光るので、暗いところでも読めるが、目は疲れる。

画面の回転は、iPadは自動だ。感度が良すぎて、ちょっと傾けただけで画面が回転してしまうのは鬱陶しい。読書するときは、回転をオフにしておいたほうがいいかもしれない。

【ページめくり】

キンドルはページめくり専用のボタンが本体についているので、それを押せばいい。前のページに戻るときには、戻るボタンを押す。以前のキンドルにはバグがあったようだが、今は解消している。iPadの場合は、iBooksとキンドルアプリでちょっと違う。iBooksは、紙の本のページをめくるように、画面にタッチしてスライドさせる必要がある。これが、いまいち感度が良くない。キンドルアプリは、画面をタッチするだけで反応はいい。


【辞書連動機能】

キンドルは、買った時から辞書が一つ入っていて(英英辞典だが)、最初から辞書と連動している。知らない単語に出会ったら、カーソルを単語の前に持っていくだけで、意味が自動で画面の下の方に表示される。それで不十分だったら、Enterボタンを押すと、表示が辞書に切り替わり、詳細を表示してくれる。それでもダメなら、Wikiに接続する。結構便利だ。

一方、iPadは、iBooksもキンドルアプリも、辞書連動機能は確認できなかった。もしかしたらあるのかもしれないが、少なくとも標準ではついていない。


【通信費】

キンドルの大きな魅力の一つは、通信費がかからないところだ。3Gの通信機能を内蔵しているが、どこかの携帯会社と契約しに行く必要はない。キンドルが届いた時点で、既に3Gが使えるようになっている。通信費は、今のところアマゾン持ちなので、心置きなく買い物出来る。

iPadはWiFiモデルを買った場合は、通信費を払わなくて済むが、無線LAN環境を用意する必要がある。3Gモデルの場合は、ソフトバンクに契約しに行って、月々3,000円ちょっと払う必要がある。2年経ったら割引がなくなるので、月額は5,000円を超える。











項目/端末Kindle 2iPad (3Gタイプ)
大きさDVDの箱くらい週刊誌くらい
重さ289g730g
重さの目安ほうれん草1羽かぼちゃ半分
バッテリー駆動時間2週間(*)10時間
ディスプレイEink(白黒)カラー
画面回転手動自動
ページめくりボタンを押す画面をタッチ、スライド
辞書連動自動なし
通信機能3GWiFi + 3G
通信費無料月額3,225円(**)


* 通信機能オフの場合
** 3年目以降は月額5,215円


《感想》

読書という視点で見る限り、キンドルに軍配が上がる。もちろん、私見だ。別の見方をする人もいるだろう。とはいえ、iPadの読書機能を否定するわけではない。短時間の読書ならば、それほど目の負担もかからないし、なんといっても画面が美しい。ビジュアルコンテンツを見るには、キンドルより遥かに優れいている。

まあ、iPadを読書端末と位置づけること自体が、間違っているんだろう。日本でのマーケティングの際、あまりにも電子書籍が強調されたため、iPadは本を読む機械だと思っている人が多いが、実のところiPadはそれほど読書向きではない。iPadには、iPadに見合った使い方があるだろう。


では、iPadに見合った使い方とは何なのかというと、まだ誰にも分かっていないのではないだろうか。私としては、スイッチを入れたらすぐに起動して、起動したらもうネットにつながっているという部分に、iPadの可能性を感じる。つまりネットツールとして位置づければ、おもしろい端末かもしれない。


↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
素晴らしい すごい とても良い 良い

ブログランキング




人気ブログランキングへ

にほんブログ村 IT技術ブログ IT技術メモへ

blogram投票ボタン


posted by Fion at 13:34| Comment(0) | TrackBack(0) | ITメモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/155298618

この記事へのトラックバック