IHM総合研究所では新しい水の評価法として、国内外の自然水や水道水、音楽を聴かせた水や文字を見せた水、その他さまざまな水の氷結結晶を写真に撮影しています。このコーナーでは最新の結晶写真を中心に興味深いものをご紹介します。
芸術の秋。皆さんはこの季節、心豊かに何をお楽しみですか。8
月号の曲を聴かせた結晶の表情は、読者の皆さんに大変なご好評をいただきました。ありがとうございました。そこでさっそく、水の音楽会第2
幕を開かせていただきます。耳と目と意識で楽しめる結晶アートをお楽しみください。
日本の名曲を奏でる水の結晶たち
今回は、日本の名曲特集です。まずは秋の黄昏時たそがれどきを感じさせる「赤トンボ」です。6向に結晶の枝葉が伸びているのですが、結晶核の左上には意味深な2の結晶のかけらが……。どうやらトンボの眼鏡めがねを結晶は表現したのでしょうか(写真@)
そして写真Aの結晶では、まるで6のトンボが頭を中心に集まり、クルクル回っているようにもみえます。6匹まって、ねぐらに帰っていくのでしょうか……。汚染された水の影響で、日本の空に舞うトンボの姿も最近、減ってきているそうです。彼らは幼虫時代を水中で過ごしますので、水を象徴する昆虫ともいえますね。
みなさんは何を見て秋を感じますか。私は食いしん坊なので、大好きなエノキやしめじなどの茸類がたくさん店先に並びはじめると、うれしい食欲の秋を感じます。さて結晶は、秋をどのように表現したでしょうか。
童謡「小さい秋みつけた」の曲を聴かせた結晶から秋を見つけてみましょう(写真B)。
詩の中にある「小さい秋小さい秋 小さい秋」と繰り返す歌詞の可愛らしさが、結晶の左にほろほろと微小な結晶で表現されています。そして「見ぃーつけた」と思わず指をさしたくなる結晶が中央にあります。優しい曲の調べが、背景の結晶も含めて全体から感じられますね。主役は中央部にある結晶なのでしょうが、横に散りばめられた結晶たちがなければ、全体から伝わる風情、なんとなく感じる秋の物悲しさは表現されなかったでしょう。カメラのファインダーから覗く世界は、まさに結晶が演じる舞台のワンシーンのようでもあります。

趣を変えて、次は雅楽の「平調越楽天」です(写真C、D)。
名前が示す通り、まるで天上界の伸びやかな雰囲気と神々しさを備えたような結晶です。時間に追われた生活をしなければならない人間界に住む私たち。それを超越したら聞こえてくる音楽をイメージした曲なのでしょうか。なんとも不思議な威厳さえ感じてしまいます。そしてこの両者は結晶の核の部分がよく似ています。これは曲の波動が結晶に現れた証ともいえるのではないでしょうか。
のびやかな気持ちになっていただいたのに、ページ数の都合上、どんどん次を紹介しなければなりません。次は小唄「鶴亀」です。私も初めてこの結晶を見たときは、思わず笑ってしまったのですが、亀がいました(写真E)。
そう、だまし絵ではないですが「これは亀です」といわれた途端、結晶の6角は頭と尾、そして、両手足のイメージへと早変りしてしまうのではないでしょうか。でも、どこが頭であるか分かりませんね。それでも実に亀らしい!
結晶です。そして、次に鶴の羽ばたく姿を探そうと思ったのですが、今回は亀以上に鶴らしい結晶は現れませんでした。どこかに飛んで行ってしまったのでしょうか?
次は長唄「松の緑」です。高砂の席に向かう新郎新婦の門出を祝って歌われる曲ですね。そんな華やかさのある結晶(写真F、G)。本誌に執筆中のヒーリングのM先生の笑顔も素敵ですが、同様に、この結晶もきっちりと咲いて見事な美しさです。なんだか駄洒落めいてしまい申しわけないですが、それには訳があります。美しい結晶は人の表情でいうと、満面の笑顔だと思うのです。素敵な笑顔に出会うと心が和むように、皆さんも水の笑顔で癒されてくださいね。
さて、秋の夜長は子どもたちも思わず夜更かしをしたくなるのではないでしょうか。そんな子どもたちを寝かしつけるために、多くのお母さんが唄ったことでしょう。「津軽の子守唄」を聴かせた結晶です。子どもたちは母の愛に包まれて安心しながら布団の中でまどろむことでしょう。そんな夢うつつの意識の中で見られたような結晶です(写真H)。
いつもは残念に感じてしまう結晶のピントのぼやけ具合が、この結晶に限っては、おぼろげな意識状態を表わしてくれています。主旋律がはっきりしているようで、はっきりしていないような、ゆらぎのある曲なのかもしれませんね。山形県の代表的な民謡「最上川舟唄」を聴かせた結晶です(写真I、J)。
秋の紅葉が見える最上川で、舟下りを楽しみながら聴く唄なのでしょう。結晶からイメージされるのは川の急流を感じさせる水の乱舞のようでもあります。川下りの難所といわれるところで、ヒヤヒヤしながら乗っている私たちを安心させるために、舟頭さんは気持ちよさそうにこの唄を歌っているのでしょうか。それにしても、結晶は岩にぶつかりながら渦巻く水のようすを見事に表現しています。
美しく色づく、みかんの結晶
さて、最後は恒例の結晶の連続写真をお楽しみいただきましょう。季節的には、みかんの花は五月頃に咲くのですが、炬燵こたつにみかんのおいしい季節はもうすぐです。というわけで、色づくのはみかんの花ではなく、実を表現した結晶を楽しんでいただきましょう。
ところで、みかんの実は何色から何色へと変わっていくのでしょうか。
「みかんの花咲く丘」を聴かせた結晶はまちがいなく大きくなるごとに、その中心部分で色合いを緑から赤へと変えていきました(写真KLMN)
これは、はっきり言ってでき過ぎですよね、あまりにも。でも、念のために申し上げておきますが、中心部分の色補正を行なったわけではまったくありません。観察中に実際に見えた色を、忠実にカメラ屋さんに紙に焼いてもらったものです。結晶の不思議さはまだまだ奥が深そうです。それにしても、おいしそうに色づくみかんの色は、紅葉と実りの秋にぴったりといえるのではないでしょうか。

結晶の奏でるコンサート、いかがでしたか。最後にご紹介した色づく結晶のように、結晶の持つ表現力は鑑賞者である私たちの想像を越えて、いつもながら驚かせてくれます。音楽という芸術と結晶。名画という芸術と結晶。
I HM総合研究所の江本所長は「芸術家とは草(草冠)の云うことを伝える術、を知っている人。芸術とは大自然の声を聴き、それを表現することである」と言っています。自然の美しさを表した結晶だからこそ、そこに共鳴するような音楽にも結晶の趣として表現されるのではないでしょうか。
読者の皆さんもそのような結晶の可能性を知ってしまうと、色々な水の結晶観察実験を考えつくのではないでしょうか。そこで次号からは、そんな皆さんの期待にお答えして、見てみたい結晶のテーマを募集いたします。応募方法は葉書でも結構ですが、よりタイムリーにご要望にお答えするために、ホームページ(掲示板のところ)にて募集いたします。リクエスト数が一番多いテーマやユニークなものを結晶を観察し、結果をこのページでお伝えしようと思います。皆さんのリクエストを心よりお待ちしています。
日本の名曲特集
―「芸術とは大自然の声を聴きそれを表現すること」― 結晶こそ自然の芸術なのでしょう・・・。
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