東北デバイス操業4年で経営破綻/六ケ所(2010/07/03)
 世界初とされる白色有機ELの量産化を六ケ所村の工場で目指し、青森県が進めるクリスタルバレイ構想の一翼を担っていた東北デバイス(岩手県花巻市、相馬平和社長)は経営破綻(はたん)し2日、東京地裁に民事再生手続き開始を申請し、同日付で保全命令と監督命令を受けた。負債総額は約37億円。事業は今後も継続し、従業員49人も解雇しない方針。
 
 民間信用調査会社などによると、同社は2005年、電気機器メーカーのエーエムエス(五所川原市)から分社化して創業。06年に六ケ所村に工場を建設した。クリスタルバレイ構想の中核を担い、有機ELパネルの量産を世界に先駆けて事業化した。
 しかし08年に設備を増設して間もなく、生産ラインに不具合が見つかったほか、世界的な経済危機を背景に需要も低迷。有利子負債が経営を圧迫する一方で営業収益も上がらず、大幅な赤字計上が続いていた。
 生産ラインは本格稼働に至っておらず、09年12月期の売上高は1500万円にとどまった。財務状況は債務超過額が拡大し、資金調達が限界に達した。
 同社の民事再生計画は、3カ月後までに策定する。申立代理人は、加藤寛史弁護士(東京都)らで、監督委員は三森仁弁護士(同)。債権者数は約200人で、6、7日に東京と青森市でそれぞれ債権者説明会を開く。
 同社は「再生手続き開始決定を受けた上で、スポンサーの支援を得て事業を継続し、役員、従業員一同、再生に向けて全力を尽くす」としている。

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