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国連 ガザの経済封鎖解除を

7月2日 23時20分

イスラエルがパレスチナのガザ地区で続けている経済封鎖について、パレスチナ難民を支援している国連機関の代表は、ガザ地区に支援物資を運ぼうとした船がイスラエル軍にだ捕され、大勢の犠牲者が出た悲惨な事態が再び起きかねないとして、イスラエルに経済封鎖を速やかに解除するよう求めました。

これは、日本を訪れているUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関のグランディ事務局長が2日、都内で開いた記者会見で述べたものです。この中で、グランディ事務局長は、イスラエルによるパレスチナ暫定自治区のガザ地区への経済封鎖について、「人とモノの出入りを厳しく制限してガザの人々を窮地に追いやり、イスラエルへの敵対心を強めるだけだ」と述べました。そのうえで、ことし5月、ガザ地区に支援物資を運ぼうとした船がイスラエル軍にだ捕され、9人が死亡した事件に触れ、「経済封鎖が解除されなければ、似たような事件が繰り返されるだろう」と述べて、こうした悲惨な事態を避けるためにも、イスラエルが経済封鎖を速やかに解除するよう求めました。一方、UNRWAは世界的な経済危機などの影響で、各国からの拠出金が減り、深刻な資金不足に陥っていますが、グランディ事務局長は、日本政府の拠出額も10年前の半分以下に落ち込んでいるとして、特に教育や医療の分野への積極的な支援を求めました。