【宜野湾】米軍普天間飛行場の閉鎖・撤去に向け、国を相手に訴訟が可能か調査していた宜野湾市の伊波洋一市長は2日、同市役所で会見し、同飛行場を米国に提供することを定めた合意の無効確認と、市への損害賠償を求めて憲法訴訟を起こす意向を明らかにした。
地方自治体が国の基地提供政策の是非を問う訴訟は初めて。学識者や市民でつくる市基地対策協議会に諮問し、市議会で予算が可決されれば本年度中に提訴したい考えだ。
伊波市長は「普天間の危険性が放置され、市民の被害は受任限度を超えている。政府による普天間飛行場の提供のあり方を司法に問いたい」と話した。
裁判では、住宅地の真ん中にある普天間飛行場は安全性を欠いており、米国に提供することは(1)宜野湾市の自治権(憲法92、94条)と、裁判を受ける権利(同32条)を侵害する(2)ほかの市町村に比べ宜野湾市に著しく不合理な負担を負わせ、地方自治体の平等原則(同14条)に違反する―などとして、同飛行場を提供する合意は無効との確認を求める。
また、基地が市域の中央部に位置することから行政運営に過剰な費用がかかるとして損害賠償を求める。額などは未定。
同市は4月に弁護士ら専門家チームに、訴訟の妥当性について調査を委託していた。