対北制裁:欧米が輸出禁止品目に指定したぜいたく品とは
北朝鮮による2回の核実験に対する制裁のため断行された国連安全保障理事会(安保理)の対北制裁決議第1718号、1874号によって、米国と欧州連合(EU)が2006年から北朝鮮に対する輸出禁止品目に指定したぜいたく品が、より具体的かつ広範囲になっていることが分かった。
国連安保理で対北制裁の実務を担当する「7人専門家調査団」がこのほど作成した対北制裁履行関連報告書によると、国連加盟国はさまざまな分野で「対北輸出禁止ぜいたく品リスト」を作成、履行しているという。
EUは珍しく、純血種の馬を輸出禁止にしている。また、金正日(キム・ジョンイル)総書記の好物といわれているキャビアやトリュフ、高級ワインも北朝鮮への輸出が禁止されている。ニュージーランドははちみつ、ロシアはコニャック、日本は牛肉とマグロ、オーストラリアはロブスターなどを輸出禁止にしている。
米国の輸出禁止品目は、特に宝石類に関して金、銀、ダイアモンド、サファイア、ルビー、エメラルドなどを具体的に明示している。電子製品も液晶テレビ、DVDプレーヤー、携帯情報端末(PDA)、個人用デジタルオーディオプレーヤーなどが含まれている。カーペット、高級万年筆、貴重なコイン、100年以上たったアンティーク、切手なども、米国をはじめ、各国が輸出禁止のぜいたく品に含めた。たばこ、香水、高級衣類も、多くの国家が北朝鮮へ流通できないようにした。
高級ピアノと豪華ヨットが輸出禁止品目に含まれた結果、北朝鮮にこれらの製品の輸入を断念させる成果を挙げたことが分かった。国連安保理の調査団によると、駐オーストリア北朝鮮大使館は2007年、16万ユーロ(約1760万円)相当のスタインウェイ製高級ピアノを輸入しようとしたが摘発、押収された。また09年には、北朝鮮が2隻の豪華ヨットを輸入しようとしたが、イタリア税関によって阻止された。
国連安保理は、06年の対北制裁決議第1718号の採択を受け、高価なぜいたく品が北朝鮮の幹部層の手に入ることを防ぐ条項を設けた。国連安保理の調査団は06年対北制裁決議の採択後、国連加盟国が輸出制限のぜいたく品の範囲を決めてほしいと要請したため、「加盟国の責任で決定するものの、北朝鮮の一般住民に対し被害が及ばないようにしなければならない」と明示した。
ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員