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きょうのコラム「時鐘」 2010年7月3日
消費税をめぐる選挙戦で、作家の高村薫さんの主張が、きのうの紙面に載った。見出しは、「民、自が危機感に悪乗り」。難しい言葉が並ぶ小説を書く人だが、紙面の主張は分かりやすかった
「今回はまじめに日本の将来を考える有権者ほど悩ましい選挙になると思う」とあった。確かに、序盤の世論調査では約5割が投票態度未決定、と報じられた。5割の数は早晩減るにしても、投票寸前まで悩む人、その後に迷いを引きずる人もいるだろう。悩ましい1票の判断である サッカーW杯で、審判の判断ミスが相次いだ。その瞬間の映像が流れ、門外漢も誤審を笑った。が、笑った後で、審判の肩を持ちたくなった。多くのカメラが競技を追っているのだから、審判に近い位置の映像もあったはず。せめて、それを流してから批判するのが筋ではないか 見る角度で、判断はぶれる。ごまかし上手の選手もいる。審判に目は幾つもない。が、言い訳は通用しない。責めはすべて負わされる 「悩ましい選挙」の1票の審判である。これも、間違っても言い訳無用であろう。うかつに審判を笑えなくなってきた。 |