日本相撲協会特別調査委員会に出席した(奥の列左から)望月浩一郎氏、吉野準氏、伊藤滋座長、村山弘義氏、山口弘典氏=2日、国技館、代表撮影
大相撲の賭博問題を検証している日本相撲協会の特別調査委員会(座長=伊藤滋・早大特命教授)は2日、協会側から再検討を求められていた処分の一部を見直し、力士や親方ら計15人の謹慎を撤回した。謹慎者の行動については、名古屋でのけいこや指導を認めると正式に発表した。
また、野球以外の賭け事を申告した中に、横綱白鵬関(25)がいたことを明らかにした。仲間内の花札で半年に1度、数万円程度を賭けていたという。調査委では反社会性は薄いと判断している。
処分の再検討を求められていた幕内嘉風関(28)は、賭博の回数が少なかったとして謹慎対象から除外。師匠の尾車親方(元大関琴風)も謹慎させない。連帯責任を問われた阿武松部屋(師匠=元関脇益荒雄)で、賭博をしていなかった13人も除外した。
謹慎の期間は、4日の理事会後から名古屋場所千秋楽の25日いっぱいとし、代行が置かれる武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)も、この時点で復職する。伊藤座長は「僕たちは勧告することしかできない」と話した。文部科学省から求められた賭博に関与した力士らの名前の公表は、野球賭博を認めていた幕下以下9人にとどめる勧告をまとめた。
一方、全協会員987人を対象にした賭博に関する再調査の中間発表をし、回答のあった953人のうち、新たに関与を名乗り出た者はいなかった。維持員席に関する調査では、回答のない大嶽親方(元関脇貴闘力)を除く全親方が、暴力団関係者に席を手配したり、見聞きしたりしたことはなかったと発表した。