豪イナゴ害、今年は大規模 産卵数急増、拡散防止に数千万ドル (1/2ページ)

2010.6.17 05:00

 穀物輸出で世界4位のオーストラリアでは今年、過去20年あまりで最大のイナゴ発生が予想されている。過去10年間干魃(かんばつ)に見舞われていた同国の穀倉地帯で今年は雨が降り、イナゴの産卵数が急増したためだ。

 豪イナゴ害防止局(APLC)のディレクター、クリス・アドリアンセン氏はインタビューで、「数億ドル規模の穀物がイナゴ被害のリスクにさらされている。イナゴが孵化(ふか)する春(南半球では8~10月)には被害の拡散防止に数千万ドルが費やされるだろう」と語った。

 オーストラリア南東部にあるビクトリア州の州政府農業部門は11日、イナゴ被害対策を行わなければ、被害額は20億豪ドル(約1580億円)に達する可能性があるとの見解を示した。

 APLCは、イナゴが豪州南東部の全域で産卵しており、孵化数は少なくとも過去25年で最多となる可能性があるとしている。

 ビクトリア州のジョン・ブランビー首相は11日の声明で「科学者らは今春、1973、74年と同程度の大規模なイナゴ発生が起こる可能性を示唆している。73、74年の前は34年に大発生した。ビクトリア州全域を覆い尽くす一生に一度の大発生に直面する可能性がある」と危機感を示した。

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