広島市の企業が担当した橋げた溶接部の傷を調べる検査が不適切だった問題で、中国地方整備局は1日、マリノ大橋(仮称、呉市)の工事を請け負った三菱重工鉄構エンジニアリング(広島市中区)と、下請けで検査を担当した関西エックス線(西区)の2社を文書厳重注意にした、と発表した。
整備局によると、橋げた溶接部の傷を調べる関西エックス線の超音波検査で、有資格者が担当したことを証明する書類の不備や検査データの改変が発覚した。検査は昨年実施した。別の業者が再検査したところ13カ所で4〜18ミリの傷があった。
工事を請け負った三菱重工鉄構エンジニアリングについて、整備局は、管理不十分とする一方で「傷は通常考えられる範囲で工期内に補修した。安全性に問題はない」と文書厳重注意を決めた。また、「下請けの処分は元請けの範囲内」との内部規定を踏まえ、関西エックス線も文書厳重注意とした。三菱重工鉄構エンジニアリングは「管理監督体制を強化する」、関西エックス線は「意識改革や複数によるチェックを徹底する」と説明している。
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