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食品衛生上の危害原因

 食品には食中毒等の事故を引き起こす等衛生上の危害となるものが大きく分けて3種類あります。

(1)生物学的危害:病原細菌、腐敗細菌、ウイルス、寄生虫、コレラ菌等病原微生物
(2)化学的危害:カビ毒等生物由来物質、添加物規格に適合しない食品添加物等
(3)物理的危害:金属片や鼠の死骸といった異物混入

 これら危害のうち、食品の製造工程によって、危害要因となるものは異なります。HACCP手法を取り入れる計画を作成する場合には、どれが危害要因となるのかを原料及び各工程ごとに列挙し、その危険性を検討し、それを防ぐ為の防止措置を一覧表に取りまとめる作業(危害リストの作成)を行う必要があります。

 危害要因となるもののうち主なものを紹介します。

生物学的危害

 危害要因   菌種 汚染源・感染源
病原細菌 サルモネラ ヒト・動物の糞便、食肉・食鳥肉、卵
腸炎ビブリオ 海水、魚介類
カンピロバクター ヒト・動物の糞便、食肉・食鳥肉、卵
病原大腸菌
(腸管出血性大腸菌O-157含む)
ヒト・動物の糞便、食肉・食鳥肉、卵
黄色ブドウ球菌 ヒト・食鳥肉
ウエルシュ菌 ヒト・動物の糞便、食肉・食鳥肉、卵、乳
セレウス菌 穀物類、香辛料、調味料、土壌
ボツリヌス菌 土壌、魚介類、容器包装詰食品
エルシニア・エンテロコリチカ 食肉・食鳥肉、乳、カキ、生野菜
リステリア・モノサイトゲネス 食肉・食鳥肉、乳、魚介類、昆虫類
腐敗微生物 バチルス 食品や環境
クロストリジウム 食品や環境
シュウドモナス 食品や環境
乳酸菌 食品や環境
酵母 食品や環境
ウイルス ノロウィルス 魚介類、水
A型肝炎ウイルス 魚介類、水
寄生虫 肝吸虫 淡水魚
横川吸虫 淡水魚
顎口虫 ライギョ、ドジョウ
アニサキス イルカ、サバ、その他海産魚類
施尾線虫 ホタルイカ
トキソプラズマ 哺乳類
クリプトスポリジウム 水、ヒト
サイクロスポラ 水、果実、野菜
ジアルジア 水、野菜
病原微生物 赤痢菌 ヒトの糞便、魚介類、水、生野菜
コレラ菌 ヒトの糞便、魚介類、海水
Q熱リケッチア 牛乳

化学的危害

危害要因 名称 危害発生要因
生物由来物質 カビ毒 原材料の汚染
貝毒 原材料の汚染
フグ毒 有毒部位の使用
ソラニン ジャガイモの発芽部位や生育不良のジャガイモの使用
ヒスタミン 腐敗細菌の増殖
人為的に添加されるもの 食品添加物 過剰使用、添加物規格に適合しないものの使用
偶発的に存在するもの 殺虫剤・除草剤 原材料や製品への混入
指定外添加物 指定添加物との混同
殺菌剤・潤滑油・塗料・洗剤 不適正な使用

物理的危害

危害要因 名称 危害発生要因
異物混入 ガラス片 破損したガラス製器具類の破片の混入
金属片 破損した機械器具類の破片の混入、金属片が混入した原料を使用
木片 建物・原材料からの混入
プラスチック片 破損したプラスチック機械器具類の破片の混入プラスチック片の入った原料を使用
注射針・散弾破片 注射針・散弾破片が混入した原料を使用

従事者由来の物品

従事者の過失により混入

糸・ワイヤ

袋類・原材料からの混入

(資料)
「食品衛生法」
(社)日本食品衛生協会 「食品の安全を創るHACCP」

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