脱税事件:「大光」前社長に実刑判決 東京地裁

2010年6月29日 10時51分

 キヤノンの施設建設を巡る脱税事件で、東京地裁は29日、法人税法違反に問われた大分市のコンサルタント会社「大光」前社長、大賀規久被告(66)に対し懲役2年4月(求刑・懲役3年6月)の実刑判決を言い渡した。鹿野伸二裁判長は「キヤノン幹部との親交を生かし、ゼネコンから得た多額のあっせん手数料を隠した悪質で巧妙な脱税事件。被告は業務全般を統括した主犯者で、実刑は免れない」と指摘した。弁護側は即日控訴した。

 判決は脱税の動機について「将来の資金確保のためで、身勝手で酌量の余地はない」と批判。弁護側は「修正申告し昨年末までに29億円を納付している。また、体調面から懲役刑には耐えられない」として執行猶予を求めたが、判決は「健康状態は刑の執行段階で考慮すべきこと」と述べて退けた。

 判決によると、大賀被告は06年までの2年間に大光グループ3社が得た総額35億6700万円の所得を隠し、法人税約10億6800万円を免れた。

 うち2社の脱税で共犯に問われた大阪市の元会社社長、難波英雄被告(62)には懲役1年4月、罰金1億円が言い渡され控訴中。法人としての3社には罰金計2億5000万円の判決が確定している。【伊藤直孝】

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