ドイツ語は, 何よりも文法の構造がしっかりとしていますから, その骨組をつかんでしまえば, しめたものです. かなり合理的にできていますから, 単に覚えるというのではなく, 「どうして, こうなっているのかな?」 と考えながら学んでください. たびたび, 「なるほど!」 と得心が行くはずです.
旅に出て, はじめての町に下りたら, まず町の地図を手に入れて, 全体像をつかむことが早道です. 文法は, この地図のようなものです. 親切な人に車で案内してもらったり, 手を引いて連れていってもらうのは, 楽でいいでしょうが, 二度目に一人で来た時には, 「かつて見たあの場所へ」 と思っても, 自分が道順を知らないことに気づくでしょう. それでは一人歩きできません.
大学で新しい外国語を学ぶことは, 外国語を外国語として, 自発的かつ意識的に学ぶ好機なのです. (多くの国で, 英語以外の外国語が, 既に中等教育の段階で教えられているのに, 日本ではそのチャンスが例外的にしか与えられていません. その点で, 出遅れているのですが, それをむしろ, 少なくとも6年間にわたって英語を学んだ経験に基づいて, もっと意識的に別の外国語を学ぶことができる有利な点である, と考えましょう. 出遅れた分は, 努力次第で十分に取り戻すことができます.) 言語は全ての文化の基礎になっているものですから, それを学ぶ過程そのものが異文化を具体的に体験することですし, 異文化へのパスポートを手にするチャンスなのです.
地図を見ながら一歩一歩, 自分の足で歩くように, 文法の規則を一つ一つ学びながら, 着実に, 全体像をつかんでいってください.
始めは, 覚えることが多いと感じるでしょうが, 少しの我慢です. Aller Anfang ist schwer. (何ごとも始めは難しい.) というのは, 当たり前. 頑張ってください. Viel Erfolg!
以下に, 大事なものから順次掲載していきます. まだ内容が入っていない項目もありますが, 悪しからず.
Yoshinori UBUNO ubuno@nanzan-u.ac.jp