「やぶ屋」の『やぶ』には「やぶれかぶれ」という意味があります。失敗を恐れず何度でも挑戦する前向きな意味での「やぶれかぶれ」です。
本店は1995年、私が29歳のとき一念発起してオープンした焼肉居酒屋です。なぜ一念発起かといいますと、私はそれ以前に経営していた店を潰してしまった苦い過去があるからです。
思えば16歳の時に父の経営する和牛料理店でバイトを始めたのが飲食業界との出会いでした。それまで決して素行が良いとはいえなかった私が、お客様から料理の味をほめられたのをきっかっけにはずみがつき、途中何度か寄り道や挫折をしましたが頑張って20歳の時に初めて自分の店(鉄板焼き)を持ったのです。おかげさまでかなり繁盛していたのですが、自分の素行のまずさからその店をたった3年で潰してしまいます……。
まったく、経営者としては情けない話です。私にとっては大きな大きな挫折でしたね。自信喪失し、一時は飲食業から遠ざかり、建設業界で働いたこともあります。しかし、2年後、飲食業魂がふつふつと蘇ってきたのです。16歳の時に初めてお客様から「タケちゃんの作った唐揚げウマイね!ありがとう」と言われた時の、あの感激を忘れることができなかったのです。
そこで散りぢりになってしまった昔の仲間を呼び寄せ、新店オープンに向けて準備に入りました。 |
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プロフィール
1966年生まれ。小学生のときから新聞配達をし、中学で喫茶店のバイトを始める。どちらかというと素行が良いほうでは無かったので16歳の時に父の店でアルバイトをする。父の仲間のバーテンダーから、接客とは何か、人生とは何かを教わる。途中、数々の挫折を経験し20歳で鉄板焼きの店を出し、大繁盛するのもつかの間。遊びを覚えてしまい一転して赤字閉店。建築現場で働くが、どうしても飲食の仕事が忘れられずに復帰。29歳で「やぶ屋」を開店し、現在では12店舗を経営。2004年12月に初の東京(渋谷)に出店。2005年に溜池にも出店する。念願のハワイ出店も現実的になってきたため、外人教師を店に招き、自ら率先して数名の従業員とともに英会話レッスンを受けている。尊敬するシンガーは矢沢永吉。好きなことば:「最初、サンザンな目にあう。2度目、オトシマエを付ける。3度目、余裕。(by矢沢永吉)」 |
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